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井上昌己(長崎)
一昨年のオールスター競輪でG1初制覇。あの時のVを「勢いと運」と表現するなら、今年のG1制覇は「強さと作戦」だろう。強豪を相手に落ち着いたレースの読みを見せ、サラリと優勝をさらっていった。
また、ケイリン界では表彰式に家族と参加する選手はあまり見たことがないが、井上選手の愛娘を抱っこしての表彰台はすごく爽やかで印象的だった。ナショナルチームの経験もあり、ダッシュは他を圧倒するものがある。5月はじめに開催された平塚記念湘南ダービーでは決勝進出を果たしていて湘南バンクの感触は掴んだ様子。


渡邉晴智(静岡)
地元・静岡でファンや仲間たちが見守るなか、念願のG1制覇となったのがこの大会。
目の前にあるG1タイトルをなかなか手にすることが出来ずにいただけに、優勝が決まった瞬間に地元の仲間たちが彼を囲い、喜びを分かち合った。その光景を見守ったファンが声援を送ったのはもちろん、涙を流す者もいたほどだ。
2年連続のグランプリ出場。静岡のエースが湘南で魅せる。

今年3人目のグランプリ出場レーサーに選ばれるのは・・・と思いきや、何と渡邉晴智がG1二場所連続優勝を成し遂げた! 今年はG3初優勝も含め、絶好調。今、グランプリ覇者に一番近いのは、間違いなくこの男だ!


山崎芳仁選手(福島)
やはり、KEIRINグランプリはこのレーサーなしでは始まらないのか。驚異的な強さであっさり勝利をさらったのは今、ケイリン界最強といわれているこの男だった。2005年ヤンググランプリ05の優勝を皮切りに、デビュー3年目の2006年には、G1高松宮記念杯競輪を制覇。そして2007年はG1競輪祭、G1全日本選抜競輪と2つのタイトルを奪い、KEIRINグランプリに出場。今回の優勝で連続3度目のグランプリ出場となる。山崎選手の最大武器4回転ギアを駆使し、今年こそグランプリで頂点にたつ。


永井清史(岐阜)
日本のお家芸「ケイリン」で、日本人で初めてメダルを手に入れた永井清史選手が、KEIRINグランプリに堂々参戦。 平塚はヤンググランプリ2005で初々しく駆け抜けたバンク(8着)。あれから3年。若手レーサーだった永井が、世界の永井になって帰ってくる!

今年4人目のグランプリ出場レーサーに選ばれるのは・・・。

今年5人目のグランプリ出場レーサーに選ばれるのは・・・。

賞金でグランプリ出場レーサーに選ばれるのは・・・。

賞金でグランプリ出場レーサーに選ばれるのは・・・。

賞金でグランプリ出場レーサーに選ばれるのは・・・。
渡邉晴智(静岡)が日本選手権と高松宮杯でG1を2連続奪取したため、1枠追加された!

KEIRINグランプリに出場するには、実績や実力にプラスし“運”も必要となってくる。
それは、この選考基準を見れば一目瞭然だろう。

G1(ジーワン)というのはケイリン界でグランプリの次にグレードの高いレースで年間6大会の開催がある。
2008年は北京オリンピックが開催されたため、北京オリンピックトラック競技個人種目のメダル獲得者もKEIRINグランプリの出場権を獲得できる。
【今年2008年 G1および北京五輪開催日程】
- ■1月24日〜27日「小倉競輪祭」小倉競輪場
- 優勝者:井上昌己選手(長崎)グランプリ出場決定
- ■3月18日〜23日「日本選手権競輪」静岡競輪場
- 優勝者:渡邉晴智選手(静岡)グランプリ出場決定
- ■5月31日〜6月3日「高松宮記念杯」大津びわこ競輪場
- 優勝者:渡邉晴智選手(静岡) すでに出場権獲得済み
- ■7月5日〜8日「寛仁親王牌」前橋競輪場
- 優勝者:山崎芳仁選手(福島)グランプリ出場決定
- ■8月16日 北京オリンピック トラック競技個人種目メダリスト
- 銅メダリスト:永井清史(岐阜)グランプリ出場決定
- ■9月11日〜15日「オールスター競輪」一宮競輪場
- ■12月6日〜9日「全日本選抜競輪」西武園競輪場
つまり、この6大会で1人ずつ別の選手が優勝すると、グランプリ出場の椅子は6つ埋まることになる。
当然のごとく力でV奪取をする者もいれば、運を味方につけて表彰台に立つ者もいるのだ。

この選考委員が特に認めた選手というのは、夏季オリンピックや世界選などで日本のケイリン選手、またはレーサーとして活躍した選手の中で、選考委員がグランプリレーサーにふさわしいと認めた者をさすそうだ。

1年間の賞金獲得額トップ選手がKEIRINグランプリ出場の残りのイスに座ることができる。
この賞金獲得額上位者というのは年間を通して稼いでいる訳なので、バランスを保って常に強い選手ということになる。
また12月に近づくにつれて、獲得賞金額でグランプリ出場権利を手にすることが出来るか、出来ないかが決まる選手たちが当然のごとく出てくる。そのため普段は賞金のことなど口にしないトップ選手が、賞金争いをしている選手のレースや成績を横目に自分の可能性をチェックし、いつも以上に闘志を燃やすのである。
湘南バンクは、一般的な400メートルバンク。
カント(バンクの傾斜)も直線の長さも標準的で癖がない。直線で後方にいる選手が変に伸びるコースもなく力通りの勝負ができる。ゆえ
に、どんなレーススタイルの選手でもオールマイティーに戦える競争路と言えそうだ。決まり手(勝因)を見ても、先頭で風を切って走っ
た選手の一着(逃げ切り)も多く、どの選手にも勝機は十分ある。
今年の春、バンクの塗り替えを行った影響で、選手からは「バンクが重い(走っているときにペダルを踏むのが重たく感じること)」
というフレーズを聞くが、バンク塗装後はよくあることなので少しずつやわらいでいくはずだ。また、海につながる川が近いため、海風が川を渡ってバンクに吹く。時には、風が色々な方向から強く流れ、選手たちを悩ませる。
風を思い切り受けて走るのが自転車競技・ケイリン。風速をチェックしながらレースを見ると彼らのパワーがよくわかる。




12月の夕暮れの中、スタンドがファンで真っ黒に埋め尽くされ、1人1人が応援する選手の名前を思い切り叫んだ。
ラスト1周、先頭で構えた佐藤‐有坂。そこを山崎がグンとペダルを踏み伏見‐飯嶋を引き連れ先制攻撃。
佐藤が引き(後ろにさがり)、先頭は山崎ラインに入れ替わった。
それをすかさず封じ込めようと仕掛けたのは小嶋。渡邉を連れて一気にダッシュし抜きにいくが、小嶋のダッシュがあまりにもスゴク渡邉が離れてしまう・・・。
ラスト半周地点(最終バック)、好回転で1人突っ走った小嶋が山崎をあっという間に捕え先頭にたつ。小嶋の勝利が見えたその時、今度は山崎の後ろにいた伏見が俊敏に小嶋の後ろにスイッチ。
ゴール直前、猛然とペダルを踏む白い勝負服1番・小嶋と、襲いかかる赤い勝負服3番・伏見による紅白の激闘にファンが沸き上がった。
そして声援の嵐の中、1番でゴール線を通過しコブシを天に突き上げたのは真っ赤な勝負服・伏見俊昭だった。
伏見選手にとってこれは2度目のグランプリ制覇。
『グランプリ01』(平塚競輪場)に次いで6年ぶり2度目の日本一だった。
前回の日本一は、グランプリ初出場で掴んだ栄光。伏見選手の胸にはあの日の感情、そしてあの日からのさまざまな想いが込み上げていたのだろう。いつもは爽やかでクールな男が目頭をそっと押さえたのだった。その涙を隠した男泣きに、ファンからの“おめでとうコール”がしばらく場内に響き渡った。
KEIRINグランプリに出場すること。
それはケイリン選手たちの夢。
それは決して1億円という賞金ではなく、
1番の勲章であり、誇りであり、トップレーサーとして生きている証なのかもしれない。






