1965年に川口オートレース場で第1回が開催された、現在のSGで最も歴史のある大会。
最大の特徴は、全レースが0mオープンレースで開催される点であろう。
ハンデなしで行われるため、スピード、テクニック、スタート、さらに枠番に至るまで、勝利するためには、あらゆる要素が必要となる。それだけに、「実力日本一」を決めるシリーズとも呼ばれており、日本選手権のタイトルは選手なら誰しもが欲しい称号となっている。
今年は第52回目を迎え、2018年以来10回目の開催となる川口オートレース場が舞台となる。5日間にわたる極限のスピードバトルが展開されることだろう。





暮れの大一番「スーパースター王座決定戦」
今年SGを優勝しトライアル戦出場を既に決めているのは、荒尾聡(飯塚27期)と伊藤信夫(浜松24期)の2人。
今回も優勝者は無条件で出場資格を得る他、優勝戦でポイントを獲得してトライアル戦出場を決めるのは誰なのか、見逃せない一戦となる。
順位 | 選手名 | 獲得ポイント | SG優出回数 |
---|---|---|---|
1 | 青山周平 | 40 | 2 |
2 | 有吉辰也 | 15 | 1 |
3 | 篠原睦 | 13 | 1 |
4 | 早川清太郎 | 10 | 0 |
5 | 永井大介 | 7 | 1 |
5 | 佐藤摩弥 | 7 | 1 |
7 | 鈴木圭一郎 | 7 | 1 |
8 | 浦田信輔 | 5 | 1 |
8 | 佐藤貴也 | 5 | 1 |
10 | 金子大輔 | 4 | 2 |
11 | 内山高秀 | 3 | 1 |
12 | 高橋 貢 | 2 | 1 |
13 | 中村雅人 | 1 | 1 |
優勝 | 2着 | 3着 | 4着 | 5着 | 6着 | 7着 | 8着 | 責外 | 責任 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
出場 | 15 | 10 | 7 | 5 | 3 | 2 | 1 | 2 | 0 |
すでに年末のスーパースター王座決定戦トライアルへの出場を決めているのは、荒尾聡と伊藤信夫の2名。ここに日本選手権オートの優勝者、各場競走成績第1位選手、SG・プレミアムカップ優勝戦得点上位選手が加わって、出場16名が決定する。 ちなみに、2019年は金子大輔が5ポイント、2018年は加賀谷建明が3ポイント、2017年は山田達也が2ポイントで、16番目の出場を決めている。昨年の金子は、最終戦まで0ポイントだったが、日本選手権で優出5着に入り、逆転での出場だった。 今年もポイント獲得状況から、圏外からの大逆転も十分可能。年末を見越した、ポイント争いからも目が離せない。
SG第52回日本選手権オートレースが、川口オートレース場にて、10月30日から11月3日まで開催される。オール0mオープン戦で争われる伝統のSG戦に、今年も96名のトップレーサーが集結。実力日本一を決める大会という位置づけだけでなく、年末のスーパースター王座決定戦トライアル出場(以下、SSトライアル)をかけた最後の決戦でもある。

青山周平が、日本選手権3連覇の偉業に挑む。今年は3年半ぶりにランク1位に返り咲き、今期もランク1位をキープして圧巻のレースを続けている。今年のSGはオールスターが準優勝、グランプリが3着。永井大介以来となる史上2人目のダービー3連覇を目指し、ナンバーワンの貫禄を見せつける。

ついに、戴冠の機は熟したか。早川清太郎が上昇一途だ。8月川口G1キューポラ杯で、伊勢崎以外での記念初優勝を果たすと、9月山陽特G1プレミアムカップでは青山とのデットヒートを制して優勝。今年のSGは優出漏れが続いたが、プレミアムカップでSSトライアルのポイントを獲得できたことで、気持ちに余裕も生まれる。念願のSG初優勝の機運は、この上なく高まっている。

鈴木圭一郎の巻き返しも必至。今年の記念優勝は8月浜松G1ゴールデンレースのみだが、10月浜松G2ウィナーズカップも4連勝で勝ち上がるなど機力は安定。10月14日現在で490勝と、通算500勝も目前。3年ぶりに選手権タイトルを奪還したい。

総合力高い荒尾聡も優勝候補の一人。後半戦は反妨もあり、勝ち上がりを逸するシーンも散見したが、十八番のスタート攻勢でリズムを取り戻すか。地元SG制覇の目標を達成した今、次なるターゲットは選手権初制覇だろう。

ベテラン勢からは伊藤信夫に引き続き注目。グランプリで13年ぶりのSG制覇を決めた後も、9月プレミアムカップ、10月ウィナーズカップで連続優出と好調キープだ。

地元・川口勢は中村雅人、永井大介、佐藤摩弥らが強豪を迎え撃つ。中村は10月ウィナーズカップで4連勝の勝ち上がりと、機力は及第点。今年ここまでVゼロは意外だが、的確なハンドルワークで久々のSG戴冠も。

女子レーサー・佐藤摩弥は今回も注目を集める。川口の日本選手権は一昨年、初のSG優出を決めた記録的開催。切れ味抜群のスタートで、さらなる偉業達成も期待される。

王者・高橋貢はSSトライアル出場へポイント的に厳しい状況だが、百戦錬磨の走りで、打開してこよう。他にも浦田信輔や木村武之、佐々木啓など実力者が多数参戦。今年もスタートからゴールまで、瞬きさえ忘れるほどの超絶なスピードレースが展開されることだろう。
荒尾聡選手はチャリロトスポンサード選手
『チャリレンジャー』です。

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1965年の第1回から、昨年の第51回までを振り返る。

最年少優勝:21歳
鈴木圭一郎(2016年・第48回優勝/浜松オート)
第1回の広瀬登喜夫、第7回(1973年)の伊藤力示が持つ24歳の記録を更新した。
ちなみに今回の最年少出場選手は22歳の黒川京介。
最年長優勝:46歳
島田信廣(1996年・第28回優勝/山陽オート)
前年に福田茂が44歳で制したが、その記録をさらに更新した。
今年は高橋貢(49歳)、伊藤信夫(48歳)、浦田信輔(47歳)らが最年長記録更新に挑む。
複数回優勝している選手(引退選手も含む)は以下の通り。
飯塚将光:6回
(77年、78年、83年、86年、87年、89年)
高橋貢:4回
(97年、98年、00年、04年)
永井大介:4回
(10年、11年、12年、15年)
片平巧:3回
(90年、93年、94年)
広瀬登喜夫:2回
(65年、66年)
島田信廣:2回
(92年、96年)
池田政和:2回
(99年、03年)
田中茂:2回
(06年、08年)
木村武之:2回
(09年、13年)
鈴木圭一郎:2回
(16年、17年)
青山周平:2回
(18年、19年)
最多優勝は飯塚将光の6回で、高橋貢と永井大介が4回で追う。
3連覇を達成しているのは、永井大介(10年~12年)のみ。
連覇は、飯塚将光が2回、片平巧、鈴木圭一郎、青山周平が達成。
今大会で青山は史上2人目の3連覇に挑む。
2006年から2019年の期間で、スーパーライダー戦が実施された13開催で集計。
スーパーライダー戦1着選手の成績
優出:11回
準決勝戦敗退:2回
優勝戦成績(優出11回中)
優勝:4回
2着:1回
3着:3回
着外:3回

直近では鈴木圭一郎が2016年、17年に3日目スーパーライダー戦1着を経て、優勝を果たしている。また、13開催の優勝者のうち、11名がスーパーライダー戦経由で優出を果たしている。3日目にスーパーライダー戦を経由しない(2014年を除く)で優勝したのは、2010年の永井大介、2007年の山田真弘の例がある。
2006年から2019年の期間で、初日選抜予選が実施された13開催で集計。
13開催の優勝者の初日番組
選抜予選スタート:12回
一次予選スタート:1回
優勝者のほぼ全員が初日は「選抜予選」から勝ち上がってきている。選抜予選は、選考上位1位~24位が選抜されるので、当然の数字か。一次予選から優勝まで勝ち上がったのは、2009年の木村武之の例がある(2014年の中村雅人は、初日オール予選だった)。
初日の選抜予選から優勝まで勝ち上がった12例の内、初日1着スタートを切ったのは8回。2015年の永井大介から昨年の青山周平まで、選抜予選1着選手が5連続制覇中だ。
今年も選抜予選の1着選手は要チェックだろう。

2004年から2019年までの3連単平均配当
2連単:1,082円
3連単:4,161円
3連単で万車券決着になったのは、2013年(優勝:木村武之)のみで、その時の15,190円が最高配当。逆に、最も人気で決まったのは、2004年(優勝:高橋貢)の970円。3連単3ケタ配当は、この1回のみ。

直近20開催の優勝者の試走タイムをチェックする。
試走一番時計(タイ含む)で優勝:13回
直近10開催に絞ると、試走一番時計(タイ含む)が優勝したのが9開催。
さらに2015年の永井大介から、昨年の青山周平まで5年連続で試走一番時計(タイ含む)から優勝者が出ている。
また2014年の中村雅人、2009年の木村武之、2007年の山田真弘は試走一番時計での優勝ではなかったが、試走タイムはトップと0.01差。その3開催、準優勝はいずれも試走一番時計の選手だった。やはり一番時計の信頼度は高そうだ。
ちなみに試走タイム劣勢から優勝した例は、試走タイム6番目だった2002年浜野淳の例などがある。

直近20開催の優勝戦の車番別成績は下記の通り。
車番 | 優勝数 | 2着 | 3着 | 着外 |
---|---|---|---|---|
1番車 | 4回 | 7回 | 2回 | 7回 |
2番車 | 4回 | 2回 | 6回 | 8回 |
3番車 | 4回 | 2回 | 6回 | 8回 |
4番車 | 2回 | 4回 | 4回 | 10回 |
5番車 | 4回 | 1回 | 2回 | 13回 |
6番車 | 2回 | 1回 | 1回 | 16回 |
7番車 | 1回 | 2回 | 1回 | 16回 |
8番車 | 1回 | 0回 | 2回 | 17回 |
1番車、3番車が比較的に好成績。直近20大会では、1番車と3番車が絡まなかった開催は無い。昨年の青山周平も1番車での優勝だったが、意外にもこれは2010年の永井大介以来、久々の1番車の戴冠だった。
やはり外枠は厳しく、直近20大会では、7番車での優勝は2013年の木村武之、8番車は2004年の高橋貢のみ。8番車は2007年を最後に、確定板入りを果たせていない。
※敬称略・データは2020年10月18日現在
熟知王の優勝戦前日予想
【シリーズを振り返る】
準決勝9Rではチャリレンジャー・荒尾聡選手が得意の湿走路2着で優出を決めた。10Rでは森且行選手が待望の日本選手権初優出。12Rはシリーズ3連勝で誰しもが優出と思っていた青山周平選手がまさ かのフライング。日本選手権3連覇の挑戦は終わってしまった。その12Rで優出を決めたのは中村雅人選手。今年まだ優勝がない。今年初VをS Gで決めるのか。枠番選択では、その中村雅人選手がまず、1枠を選択。いつも中枠を引くイメージがあるだけに、これはスタートへの自信の表れだろうか。続く鈴木圭一郎選手は、4枠を選択。初日6枠から好スタート切っただけに、イメージは良いのか。(2枠では2日目スーパーライダー戦で敗れている)。2019年9月のプレミアムカップ優勝戦では、0mオープンの4枠からトップスタートで圧勝。再現はあるのだろうか?
印とフォーカス
(良想定)
◎ ④鈴木圭一郎 ○ ⑥荒尾聡
▲ ⑤木村武之 △ ①中村雅人
(3連単の狙い目)
④-①⑤⑥-①⑤⑥
⑤⑥-④-①⑤⑥
①-④-⑥
①-⑥-④
【優勝戦予想】
本命◎は鈴木圭一郎選手。初日の勝利が圧巻で、試走3.25、上がり3.348は破格のタイム。
優勝戦の試走タイムには注目だが、トップスタートからの逃げ切りが本線か。
対抗○はチャリレンジャー・荒尾聡選手。2日目と3日目の勝ち方を見ると、荒尾選手らしいスタートの切れと本来のスピードを感じさせた。鈴木選手を道中で捌くのは得意であり、展開によっては優勝 のチャンスは十分あると考える。
▲は木村武之選手。今節は全てトップスタートか2番手で出ている。こんなにスタートが切れている木村選手は珍しい印象。優勝戦も鈴木選手に乗って出れば、大いにチャンスがありそう。1つ気掛か りなのが、2日目終了時の「(このエンジンは)12Rだと回転が上がってこない」というコメント。冷え込むであろう12R。そこを克服できるかどうか。
△は中村雅人選手。今節エンジン好調で、スタートのチェンジ後に良い伸びをしている印象。
枠番選択で、真っ先に1枠を取っており、先手も視野に入れて考えたい。先行となれば、「SG優勝が今年初V」は、十分にあり得そうだ。
もし雨なら、本命は◎荒尾選手、対抗に○鈴木圭一郎選手、▲は高橋貢選手で、狙い目は⑥=④、④-③、⑥-③からである。
熟知王(じゅくちおう)
『車券職人』塾長兼Youtuber。チャリロト劇場『燃えろ!!オートレース』出演中。
車券だけの生活で生計立て13年。2年前から始めた「車券職人養成塾」は、利用者300人を突破。1日の最高益額は3,400万円で、ギャンブルの酸いも甘いも熟知している。
ARISAの優勝戦前日予想
【シリーズを振り返る】
天候に恵まれた予選3日間とは異なり、不安定走路で行われた準決勝戦。
9Rでは雨は降っていなかったものの、レース道中、滑らせる選手も多く見られた。
その中でも、高橋貢選手とチャリレンジャー荒尾聡選手の抜きつ抜かれつの激しいレースは印象的だった。
今年のレース成績を見て、誰もが優勝候補の1人と考えていたであろうNo1・青山周平選手だが、12R発走直前の急な雨が影響したのか、まさかのフライングとなり失権。波乱の準決勝戦となった。
SGの中でも日本選手権は日本一を決める大会であり、選手誰しもが獲りたいタイトルの一つだろう。No1不在の優勝戦。誰が優勝するのか楽しみである。
また、年末のSSトライアル戦出場の為のポイント争いにも注目だ。
印とフォーカス
(良想定)
◎ ⑤木村武之 ○ ④鈴木圭一郎
▲ ①中村雅人 △ ③高橋貢
× ⑥荒尾聡
(3連単の狙い目)
⑤-①⑥-①③④⑥
④-⑤-①③⑥
①-⑤-④
①=④-⑤
【優勝戦予想】
優勝戦に青山周平選手がいないとなると、④鈴木圭一郎選手を本命にしたいところだが、初日からの動きを見て、スタートも切れている⑤木村武之選手を本命に推す。準決勝戦のスタートも鈴木選手より外から先行しているので、優勝の可能性は十分ありそうだ。年末のSSトライアル戦出場のために、ポイントを取りたい木村選手がここは勝負駆けか。
対抗は④鈴木選手。本来のスタートは安定して速いが、今節はそこまで切れていないのが気になるところ。だが、優勝戦となればスタートはシッカリ決めてくるだろう。トップスタートなら他者を引き離して独走も考えられる。
あまり1枠のイメージは無い①中村雅人選手だが、枠番選択で最初に1枠を選んだ。スタートで外枠に包まれずに出て、序盤で好位置につければ、10周回、見せ場は十分あるだろう。
近況の成績はいまひとつだったが、やはり腕で準決勝戦を勝ち上がってきた絶対王者③高橋貢選手。3日目には鈴木選手と同着の3着と、機力的にも戦えそうだ。ただ、スタートで中村選手より先行しないと、厳しい展開になるかもしれない。
⑥荒尾聡選手は、準決勝戦後のインタビューで、晴れに関しては良いとコメントもあり、木村選手のスタートに乗っていき、鈴木選手より先行するようだと連絡みも考えられる。
もし雨なら、⑥荒尾選手が本命。対抗に③高橋選手と、準決勝戦の急な雨で1着だった①中村選手も絡めたい。⑥=③、⑥-①から。
ARISA(アリサ)
静岡県出身。オート大好きニコ生MC。
2016年に初めてオートレース場へ行き、オートレースの魅力に引き込まれる。2018年ニコニコ生放送 チャリロトオートレースの番組アシスタントとして出演。好きな選手はスタート巧者とインファイター。車券は10点以内で中穴配当狙い。現在、チャリロト劇場『燃えろ!!オートレース』に出演中。
チャリロト無料会員登録で読める!『オートタイムス』
元プロ野球選手 矢作公一の『Winning Auto Race』