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2018/03/02

Yuji Yamada

“帝王”山田裕仁の競輪哲学 Vol.19

“帝王”山田裕仁の競輪哲学 Vol.19

2012年にSS11(エスエスイレブン)設立という、ある意味では改革的で、世間を騒がせる競輪界のクーデターとも呼べる問題が起こりました。私はこれに対して、今でも否定も肯定もしませんが、SS11側は行動方法をシッカリ考えるべきだったのではないかと思っています。
現在、透明性に欠けているというところでは”名輪会”という団体も挙げることができるのではないでしょうか。プロ野球界にも”名球界”という団体があり、時代の流れで多少の見直しはあるものの、定められた成績を上回ることで入会資格を得る(断ることも可能)ことができます。しかし、競輪界の”名輪会”には”名球会”のような明確な入会基準はないのが現状。
世界選手権10連覇をはじめ、競輪をメジャーにしてくれた大功労者である中野浩一さん(福岡35期・引退)、現役時代は”西の横綱”で知られた吉岡稔真さん(福岡65期・引退)は非入会者。はい、私も非入会者であります。別に非入会者の僻み(ひがみ)ではなく、純粋に私以上の成績を残していない方々が名を連ねている団体であるので、逆に「どうすれば入れるのだろう?」って、疑問しかないのです。
名前的に”名輪会”=”名球界” は世間一般にも同等のとらえ方ができる団体であるべきだし、現役選手、これからの選手が将来は一つの目標にしたいという価値ある場所にならないことには無意味だと思います。頑張ってきた選手へのご褒美になるように、透明性のある団体作りを願いたいものであります。

今月は第2回ウィナーズカップが松山競輪場で開催(3月18日〜21日)されます。第2回という歴史の新しい開催ですから、まだ競輪ファンに浸透していないかも知れませんが、この開催の出場者選出基準として1着の多い選手となっています。従って、勝てる自力選手が多いイメージの大会とも言えます。F1で1着を積み重ねてきた若手の選手も多く、レースとしては楽しめるでしょうし、見どころが盛りだくさんの開催になるはずです。
若手の選手にとっては、ビッグレースゆえに注目度も高いウィナーズカップ。全国の競輪ファンはもちろんのこと、ライバル選手たちにも名前を覚えて貰えるような爽快かつ痛快な走りを期待していますっ!

【略歴】

山田 裕仁

山田 裕仁(やまだ・ゆうじ)

1968年6月18日生 岐阜県大垣市出身
1988年5月に向日町競輪場でプロデビュー
競輪学校の同期で東の横綱・神山雄一郎(栃木61期)、西の横綱・吉岡稔真(福岡65期・引退)らと輪界をリード
“帝王”のニックネームで一時代を築いた
2002、2003年の日本選手権競輪(ダービー)連覇などG1タイトルは6つ
KEIRINグランプリ連覇を含む史上最多タイ3度の優勝など通算優勝110回
通算獲得賞金は19億1,782万5,099円。
2002年に記録した年間最高賞金2億4,434万8,500円はいまだに破られていない
自転車競技でも2001年のワールドカップ第3戦(イタリア)で銀メダルを獲得するなどの実績を残した
2014年5月に引退して、現在は競輪評論家として活躍中
また、競走馬のオーナーとしても知られる

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