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2018/03/29

Norikazu Iwai

卒業記念レースで思ったこと

卒業記念レースで思ったこと

第113回生は順天堂大出身の藤根俊貴(岩手)が決勝戦を制したが、正直なところ第114回生と比べると若干おとなしい印象。一概には言えないが、男子で今後の活躍が期待できそうな生徒は現時点では絞れなかった。

卒業記念レースを初めて競輪場で観ることになったのだけれども、プラス面とマイナス面があったように感じている。まずはプラス面だが、この日の伊東温泉競輪場は場外発売を行っていた関係で、場内では数多くファンの姿が見受けられた。競輪学校での卒業記念レースならば、観戦するのは生徒の家族や友人、練習グループ程度に限られている。車券を買いにきたファンが、その合間に生徒のレースを観ることができる。また、走る生徒たちも目の肥えたファンの前の走ることで、いい緊張感を保ったままレースに臨めたに違いない。

逆にマイナス面だが、これは本当にお粗末なもので「あと5分で車券の発売を締め切ります」のアナウンスが平気で入る。そして、その後はお決まりの音楽(車券販売の締め切りを知らせるために徐々にテンポアップ)が流れ出した。さすがにレースは車券販売の締め切りの時間帯と被りそうな時は一時中断していたが、それこそバンク内での表彰式で日本競輪学校校長・滝澤正光が表彰状を読み上げている際だったり、総評時にもアナウンスは場内どころかバンク内にも響き渡っていた。
約1年間に及ぶ学生生活の総決算、辛いことや苦しいことを思い浮かべながら3着までに入った生徒たちにはもちろんのこと、他の生徒たちにもあまりにも失礼ではないか。表彰式の時間をずらすか、アナウンスを車券売り場近辺だけにするとか、少し考えれば良さそうなものである。こう思うのは筆者だけかも知れないが、生徒たちの心情を察すると本当にかわいそうだった。晴れ舞台を台無しにされたと、感じた生徒もきっといたことだろう。
卒業記念レースをどこでやっても構わない。ただ、実施する以上は細心の注意を払うべきであろう。このレースの主役は誰なのか?は言わずとも知れている。主役の生徒たちが最後まで気持ち良く走り、一生の思い出に残る卒業記念レースにするための努力を一層、関係者に望みたいものである。

Text/Norikazu Iwai

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