TOP > コラム > ガールズサテライトキャンプ

コラム

一覧へ戻る

コラム

2018/04/13

Norikazu Iwai

ガールズサテライトキャンプ

ガールズサテライトキャンプ

ガールズサテライトキャンプ___。
ガールズサマーキャンプは聞いたことあるが、サテライトは初めて聞いた。何のことかと言えば、静岡県伊豆市の競輪学校で開かれるサマーキャンプに参加できないアマチュアを集めて行われる訓練。もっと言えば、静岡までの距離が遠すぎて、参加したくてもできない人間のために開かれたキャンプだ。
例えば、九州から静岡までだと交通費で軽く7万円は超えてしまう。そんなことを考慮しての試みだった。場所は佐賀県の武雄競輪場にて14歳から35歳までの17人を集めて、2泊3日(3月16日〜18日)の日程で行われた。ローカルでのキャンプ自体は、非常にいいことだと思う。
しかしながら、静岡ならば取材に足を運べるが、佐賀県となるとそう簡単じゃない。羽田から飛行機で佐賀空港に出て、バスでJR佐賀駅。そして、そこから武雄温泉へ。やっかいなのが佐賀駅から武雄温泉駅までの特急が1時間に1本しかない。むしろ福岡空港からの方が交通の便はいい。そうは言っても、残念ながら今回は取材にいくことができなかった。メディアもほとんどが扱わなかった。広報戦略の見直し、周知の徹底が必要だろう。だが、取材に赴いた知人からは「この試みは凄くいい。地方という言い方が適切かどうかは別にして、門戸を広げるという意味では、武雄でやって良かった」と、聞いた。
また、参加者の何人かは
「サマーキャンプに行きたくても旅費を考えるとキツイ。だから、今回はありがたい」
そう語ったそうだ。JKAも気づいてくれたかっ!!

2012年に始まったガールズサマーキャンプ、この時の参加者は少なかった。だが、ガールズケイリンがこれほどまで人気を博している今、多くのガールズレーサー誕生のために何をすべきか?その出発点がこういったキャンプだと思っている。そして、参加人数を抑えたのも良かった。サマーキャンプでは50人前後が参加し、いくつかのグループに分かれる。しかし今回は17人という少数精鋭だ。これだとコーチ、スタッフの目が細部まで行き届く。安全面を考えても妥当な人数だろう。
「今回の武雄の1回だけでなく、全国の競輪場でやっていきたい」
そのように関係者は語る。スケジュール、どこの競輪場が受け入れてくれるかの問題はあるが、続けていくことが大事だ。競輪場を借りるにも開催や地元選手会との兼ね合いが出てくる。地元選手の練習場所を提供するのだから簡単に「はい、どうぞ」とはならないだろう。それでも、この業界に求められている現状を思えば、積極的に協力すべきである。

つい先日、ボートレースと競輪の売り上げ(平成29年度)の結果が出た。ボートレースは約1兆2,000億円なのに対して、競輪は約6,400億円。ボートレースのほぼ半分だ。それでも前年を上回っていると、胸を張る関係者がいたが……ミッドナイト競輪とガールズケイリンの売り上げがなければ、この数字は出てこない。売り上げ増の一躍を担っているガールズケイリン。だからこそしがらみは捨てよう。このようなキャンプの開催に、全国の競輪場が手を挙げて誘致に動いて貰いたい。

Text/Norikazu Iwai

ページの先頭へ

メニューを開く