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2018/10/02

Sakura Kimihara

恋して競輪ハンター

恋して競輪ハンター

『恋して競輪ハンター』木三原さくら=21 Hunting

9月22日に静岡競輪場にチャリロトプラザが新たにオープンしました。そのオープンイベントとして初めて静岡競輪場でニコ生放送を行い、鈴木奈央(静岡110期)選手とのトークショーもさせていただきました。
ニコ生出演中に選手をゲストにお迎えしてお話しする機会は何度となくありますが、ステージ場でのトークショーというものは数えるほどの経験しかなく、毎回のようにド緊張なのです。しかもトークショーイベントということは事前に予定を調整して、足を運ばれるファンもいらっしゃるわけで、当日も「奈央ちゃんのトークショーは何時からですか?」と、楽しみに待っていて下さるファンから何度も尋ねられたものです。
ニコ生だとコメントがリアルタイムで流れるので、ある意味では“カンペ”を出してもらっているような感じです。しかし、トークショーではそれはもちろんありません。それなので本番で困らないように、事前に質問や流れなどを考えていくようにしています。そして、その準備を進めていくうちに、子どもの頃から夢を持ち、それを追い続けるということの大変さと凄さを垣間見ました。

鈴木選手はガールズケイリンでの活躍のみならず、自転車競技の中距離種目でもオリンピックを目指して奮闘されています。小学生の頃に自転車競技を始め、当時からオリンピックに出たいという夢を抱き、以来、その夢に向かって努力を続けられてきたのです。
私は小学校の時の夢を覚えていません。覚えていないというか、“強い気持ちで抱いた夢”というものはなかったというのが正確なところでしょうか。中学時代も、高校時代も、進学するという周りの流れの中で流されるままに進学。学校生活も何も深く考えずに、なるべく楽しいことだけをして過ごしてきました。そんな風に私がボンヤリと、鼻水を垂らしながら下校時には買い食いしながら遊んで過ごしていたあの時代を……鈴木選手は汗水流して自転車に乗り、オリンピックという夢に向かって歩みを着実に進めてきたのだと思うと、畏敬の念すら感じてしまいます。

それでも、実際、鈴木選手にお会いしてみると穏やかで柔らかな印象を受ける可愛い方で、お話しからも「苦しい」とか「辛い」などという感情は微塵(みじん)も感じられませんでした。ハードな練習や度重なる海外遠征、ガールズケイリンとの両立。大きな夢を追う中、決して楽に過ごせた瞬間はないと思います。それでも、持ち続ける夢と何よりも自転車が好きという気持ちが鈴木選手を動かしているのではないでしょうか。換言すれば、好きという気持ちがそれだけ人を強く育ててくれるということだと思います。

今までもオリンピックをはじめ、プロ野球や高校野球、サッカーなども別の世界に住む人たちのドラマのような感覚で今まで観てきました。でも、今回の鈴木選手とのトークショーをキッカケに、私は今まで以上に涙なくして、それらを観ることはできなくなるでしょう。それはそこで活躍する人たちが、自分と同じ世界で、諦めずに努力を続けてきた人たちなのだと、改めて気付かされたからです。

お話しを伺う中でも「ガールズケイリンでもシッカリ頑張りたい」と、語って下さった鈴木選手。その宣言通り、トークショー後の岐阜F2開催では完全優勝を決めてくれました!!
しなやかで力強い鈴木選手の競走に、ますます魅了されていきそうです。

【略歴】

木三原さくら(きみはら・さくら)

1989年3月28日生 岐阜県出身

2013年夏に松戸競輪場で
ニコニコ生放送チャリチャンのアシスタントとして競輪デビュー
以降、松戸競輪や平塚競輪のF1、F2を中心に
競輪を自腹購入しながら学んでいく
番組内では「競輪狂」と、呼ばれることもあるほど競輪にドはまり
好きな選手のタイプは徹底先行
好きな買い方は初手から展開を考えて、1着固定のフォーメーション
“おいしいワイド”を探すことも楽しみにしている

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