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2018/11/16

Natsu Sakurai

競輪に夢CHU Vol.9

競輪に夢CHU Vol.9

みなさん、こんにちは!グラビア車券師・桜井奈津です。
街は少しずつきらびやかなイルミネーションに彩られ、冷たく澄んだ夜の空気に光が映えます。このロマンチックな季節に私の心(と懐)を温めてくれる王子様(白馬の王子様ではなく、ピストの王子様ですwww)は一体どこにいるのでしょう?
やはり、熟練のテクニックを持ったベテラン選手になるのでしょうか。若手の先行選手をシッカリと、かばって守った後、冷静にコースを見てから直線の追い込み。人気の偏りによっては高配当も叩き出します。あれには毎回ものすごくキュンときちゃいますね。

競輪は自分自身の肉体を使う競技であるのにも関わらず、例えば、19歳と50歳とが同じレースに出て戦うなんてことが普通にあります。デビューしたばかりの若いパワー炸裂の快勝も観ていて気持ちいいものですが、50歳を超える渋~い選手がフレッシュな若者に勝っちゃう!なんてところにも競輪競走の面白さを感じていると同時に、たくさんの勇気を貰っています。
現役競輪選手最高年齢の記録は湯浅昭一さん(群馬・期前)でなんと68歳。そして、現在の現役最高齢は三ツ井勉(神奈川45期)選手で63歳と、とても長い選手生活を送っています。競輪選手のみなさんは平均しても20年から30年、自分の脚を使って走るのです。

競馬と比較すると、競走馬は早ければ2歳でデビューして、ピークを迎えるのは4、5歳が通例。そして、ほとんど9歳頃までには引退してしまいます。競走馬として生きるのは実に短い期間で10年もありません。そう、次々と世代交代していくのです。
ちなみに中央競馬の最高齢出走記録はミスタートウジンで15歳でした。通算100戦には1戦届かず、99戦11勝で引退しました。

さて、三ツ井選手のこれまでの総出走数(2018年11月15日現在)はというと、なんと……2,968回!!
こんなにもたくさん走る機会があれば、調子の良い時も、悪い時もあることかと思われます。そして、勝手な推測になりますけれども、年齢と共に様々な変化もあるはず。しかし、それをいつでも仲間やライバルに、あるいはファンに。レースを通じて、シッカリ観られているので大変なことも多いでしょう。

また、当然のことながら競輪選手という立派なお仕事ですから、今日や明日の着順も大事。でも、その中で自分らしいレースをどう魅せるか、どう残していくか。そういった面も意識して、年齢とレースを積み重ねている選手は素敵以外の言葉では言い表せません。その積み重ねてきたものが発揮される走り、時にはその人間臭さにも魅了され、夢CHUになってしまうものです。

ラインでの信頼関係も1回のレースで、簡単にできるものではありません。長い時間を費やして、丁寧に育てていくことの愛おしさと大切さを感じます。すぐには数字に現れないことも、試行錯誤しながら丁寧に向き合っていれば、いつかきっと宝物になる。これは競輪だけではなく、様々な場面に通じることではないかなと、個人的に思います。

先日、秋田県を一人旅していました。そして、通りすがりの際にフッと、ベンチに座る老夫婦の後ろ姿が絵画のようで美しく、ついつい写真を撮ってしまったのです。
見知らぬ老夫婦のことは何も知らないけれども、私は感じることができました。ゆっくりと、丁寧に、大切に愛でて育ててきた想いがそこにはあったということを。私の心をホッコリ温めてくれたことは言うまでもありません。

【略歴】

桜井奈津(さくらい・なつ)

1988年9月5日生

愛知県出身

青山学院大学経済学部中退

ミス東スポ2016グランプリ

KEIRIN GP 2018 静岡アンバサダー

旅打ちが好き

全場制覇の旅は現在43場のうち31場制覇(2018年9月20日現在)

帰りの交通費がなくなるとsuicaをみどりの窓口で返却

デポジット500円を手に入れるという特技をよく使っている

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