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2018/11/27

Koichi Moriizumi

『森泉宏一の実況天国』Vol.2

『森泉宏一の実況天国』Vol.2

前回、記念すべき第1回目のコラムが掲載された後に
「コラムのタイトル、なんで『実況天国』なんですか?」
と、数人から尋ねられました。
僕の好きなラジオ番組に『安住紳一郎の日曜天国』があります。みなさん、ご存知のTBSアナウンサーである安住紳一郎さんのラジオ番組で……まぁ、要するにパクったのであります(笑)。
安住さんは『日曜天国』を始めるにあたり、番組タイトルを考える際に先輩アナウンサーから
「カッコよくないタイトルの方が親しみやすくて(番組が)長生きする」
というアドバイスを受けたそうです。
なるほど、確かにその方が親しみやすい!そのような理由と経緯もあり、あやかって『実況天国』というタイトルに決めた訳です。

さて、今回は実況のお仕事についてご紹介します。
オートレースに限らず、他の競技のアナウンサーもそれぞれのスタイルがあります。実況のスタイルだけでなく道具や服装など、アナウンサーの数だけ形も様々。僕は他のアナウンサーのやり方を聞いたり、見たりするのが好きで、よく盗み見してはパクって……もとい参考にしています(笑)。

実況をする時、当然、選手の名前が明記してあるものを持ちながら実況をします。アナウンサーによっては出走表、予想紙、あるいは自作の出走表などスタイルは様々。出走表に色塗りをしたり、ふりがなを振ったり。
僕はトップページの写真のように自作の出走表を作成、手書きのものを使っています。
10年前にボートレースで実況デビューして以来、マイナーチェンジはありながらも基本はこの形に。そして、オートレース実況もこのスタイルを継続。師匠や先輩がこの形だったこともあり、まずはそこを真似てみようと、それが今も続いているという訳です。
開催中は毎晩、宿泊先で黙々と、このレースシートを作成するのです。逆にこれくらいしかやることがない、侘しい出張とも言えるのですが(苦笑)。ただ、これをキッチリ作らないことには性格上、落ち着かないというのが大きな理由であります。
アナウンサーによってはメモ書き程度で充分!という方もいらっしゃいますが、僕は自分自身でキレイに作らないと気になって集中できない。
本当は出走表に色を塗って終わりというスタイルの方が楽なので変えようと試みるのですが、なかなか慣れない。最近はスタイルを変えようとする方が面倒、このままでいいやと諦めている!?次第です。
ただ、常に良い意味で「楽をする」スタイルは模索。余計なものを排除して仕事をしやすくしたいなということは心掛けています。

レースで同じ苗字(読み)の選手が複数、登場というのもよくあることです。

先日は1レースに鈴木選手が4人登場。
過去には飯塚オートレース場で8人全選手が同じ苗字というレースもあり、大きな話題を呼んだこともありました。

複数いる場合はこのように線引きをして、「車番・苗字」の実況ではなく、「車番・フルネーム」で伝えるようにしています。
これはレース中だけではなく、試走タイムや予想の印を伝える場合も、MC、キャスターの方も意識。
僕は基本的にフルネーム実況を好むのですが、同じ苗字の選手がいる場合は特に意識するところです。

公営競技といえば赤ペンが定番!
アナウンサーも実況中に使うという方も多いみたいです。そんな中、敢えて僕は青ペンを使っています。青を使うことで気持ちを落ち着かせる効果を狙って青ペンを主軸に起用。効果は定かではありませんが、青ペンが相棒。赤ペンはサブメンバーという存在ですね。

水は常温の方が喉に良いので、なるべく常温のものを。最近はこれに青汁の粉を入れて実況の合間に喉を潤しています。

日本全国で数多くの実況アナウンサーがいることでしょうが、仕事中の水分補給で青汁を飲むアナウンサーは果たしてどれくらいいらっしゃるのだろうか!?

次回は実況席をご紹介!
実況中に意識していること、考えていることをご紹介できればと、考えています。
アナウンサーそれぞれのスタイルや癖が出て、これもまた興味深いものがあります。

【略歴】


森泉宏一(もりいずみ・こういち)
1984年5月8日生まれ
東京都出身 広島県・富山県育ち

父親の影響もあり、学生時代は野球に打ち込む
25歳の時、ボートレースで公営競技実況デビュー
2017年4月から伊勢崎オートでオートレース実況を始める
公営競技実況の他、プロアマの野球実況
さらにはイベントや展示会の司会
広告モデルや話し方教室講師などでも活動
野球好きの選手からの誘いもあり、
伊勢崎オートの野球チーム「キラッツ」に入部
しかし、デビュー戦において投手で二桁失点を喫する
その為に最近、オートレース界隈でその実力が疑われている
某選手からの「投げるスタミナがあるだけで助かっている」
という慰めの言葉が唯一の救い

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