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2018/12/01

Sakura Kimihara

恋して競輪ハンター

恋して競輪ハンター

『恋して競輪ハンター』木三原さくら=25 Hunting

11月20日〜25日、6日間に渡って行われた小倉G1競輪祭が終わり、今年も残すところあと1ヶ月となりました。
賞金ランキングの熾烈(しれつ)なグランプリ出場権争いに加えて、今年の競輪祭はポイント制という勝ち上がりの中で、村上義弘(京都73期)選手や武田豊樹(茨城88期)選手の1次予選敗退など、まさかの展開もありました。ご存知の通りで優勝したのは浅井康太(三重90期)選手でしたが、浅井選手もG1タイトルは2011年ぶり。私が競輪を見始めた時からズーッと、強かった浅井選手が7年余もG1を獲っていなかったなんて……さかのぼってみれば、そうかとも思いますが、それでも驚かずにはいられませんでした。

そんな驚きの連続だった競輪祭、思わず「惚れるわ~」と、競輪狂い乙女(私です)のハートを鷲掴みにしてくれたのは開催4日目、11月23日の10Rでの坂口晃輔(三重95期)選手の走りです。
この日、坂口選手は同県の柴崎淳(三重91期)選手の番手。細切れ戦で各ラインが目まぐるしく動く中、鐘のタイミングで柴崎選手が先頭に出た後、すかさず叩きに来た吉田拓矢(茨城107期)選手にまずは一発(頭突きを)お見舞い。吉田選手のラインが出切り、三重2人で3番手と4番手の位置を確保した後はもう番手のお仕事のオンパレード!前との車間を切って援護、さらに何度も後ろの動きを確認することなんと9回!(*競輪ハンター調べ)。そして、最終第3コーナーでは捲ってきた古性優作(大阪100期)選手をバチッ!と、ブロック。ゴール直前まで内を締めての追い込みで4着。前を走った柴崎選手は3着で、2次予選Aは4着権利ということで2人揃って準決勝戦に駒を進めたのでした。

こういう記事を書く時はレースダイジェストや成績を繰り返し見て書くことが多いのですが、何度、観ても坂口選手の走りがたまらなく素敵過ぎて、チョットもう1回観よう……あっ、もう1回だけ……と、ビデオだったらテープが擦り切れちゃうのではないかと思うくらい何度も観てしまいました。というか現在進行形の“なう”ってヤツです(笑)。それくらい虜(とりこ)になってしまいました。

坂口選手には2016年の競輪祭の時も心を射抜かれたものです。3日目の4R選抜競争、松岡篤哉(岐阜97期)選手と2人のライン。松岡選手が先行し、残り1周、ここでも当然のようにお仕事祭り。車間を切って援護するも山本伸一(京都101期)選手には捲られてしまいます。でも、その後は山本選手に続いていた木暮安由(群馬92期)選手のことはバチーンッ!と、止めて、自ら追い込んで2着となりました。
坂口選手は身長156cm・体重53kgで、止められた木暮選手は185cm・体重83kg(*現在の身長・体重ですけれども)と、なんと体格差30cm・30kg!だけど、その体格差を感じさせない走りにとても感動したのをよく覚えています。余談ですが、こうやって原稿を書く為に、改めて2016年のダイジェストを観ると……やっぱり、おかわりしちゃいますね(笑)。

競輪に限らずスポーツ全般に言えることかも知れませんが、体格差があることで不利になる場合もあると思います。しかし、競輪は自転車で走る競技なので、持って生まれた身体の強さだけではなく、自転車を操るテクニックや乗りこなし方にもその人の強さを見ることができるのだと思います。私は坂口選手と一緒に走ることはできないので、そのブロックや技をこの身で体験することは不可能。ですが、もっと深く知りたいという思いから、ほんの少しでも体験してみたいという気持ちになります。ただ……確実に生きて帰れないと思うので、妄想だけに留めておくことにします。

文末になりますけれども。
メンバーも確定して、KEIRINグランプリ2018までも残すは1ヶ月足らずで、競輪界もますます盛り上がるシーズンに突入します。2,000人を超える競輪選手の中の頂点に誰が立つのか?S級S班になった9選手がどんな技術と作戦で、どのような劇的なドラマを魅せてくれるのか?今から本当に楽しみで仕方がないですね!

【略歴】

木三原さくら(きみはら・さくら)

1989年3月28日生 岐阜県出身

2013年夏に松戸競輪場で
ニコニコ生放送チャリチャンのアシスタントとして競輪デビュー
以降、松戸競輪や平塚競輪のF1、F2を中心に
競輪を自腹購入しながら学んでいく
番組内では「競輪狂」と、呼ばれることもあるほど競輪にドはまり
好きな選手のタイプは徹底先行
好きな買い方は初手から展開を考えて、1着固定のフォーメーション
“おいしいワイド”を探すことも楽しみにしている

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