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2018/12/18

Sakura Kimihara

恋して競輪ハンター

恋して競輪ハンター

『恋して競輪ハンター』木三原さくら=26 Hunting

仕事現場でご一緒になった方に「良いお年を!」と、ご挨拶を交わして別れる回数も増え始め、いよいよ年の瀬なのだと実感する毎日。日に日に寒さも増し、身も心も縮こまってしまいがちですが、そんな私の心に熱い火を灯してくれた選手がいました。

12月8日から開催された松戸競輪に出場していた浅井雄三(岐阜79期)選手。御年46歳、デビュー21年目のベテラン選手ですが、脚質は「逃げ」の自力選手です。恥ずかしながら浅井選手のレースを買った記憶がなく、捲りの決まり手が8回あるもののバック回数は2回ということでそこまで積極的ではないのかな?と、初めましての段階であまり興味はそそられませんでした。って、冷静に考えると……46歳で捲りの決まり手を8回持っているのも凄いことだと思いますが。そんな浅井選手の初日の対戦相手は28歳の田原宥明(北海道105期)選手と30歳の小川辰徳(埼玉100期)選手。両者とも浅井選手よりバック回数も逃げの決まり手も多く、浅井選手は少し年下の44歳になる杉野哲也(三重76期)選手と2車ラインだったので捲りかな?と、私は考えていました。ところがドッコイ!浅井選手は残り2周で先頭まで上がった後、誰も来ないのを見て打鐘で逃げ態勢に入ります。この浅井選手の先行スイッチと共に私の胸キュンスイッチもON。残り1周のホームストレッチ、歯を食いしばりながら浅井選手は逃げていきます。そして、第2コーナー過ぎ、中段を取っていた田原選手が捲ってくるのですが、それを見た番手の杉野選手が懸命にブロック。これでさらに胸キュンメーターが急上昇!残念ながらブロックして援護した杉野選手は浅井選手と離れてしまい、あとは浅井選手がどこまで粘れるのか?で最後の直線。浅井選手はなんとか逃げ粘って2着でゴールイン。もうこのレースだけで胸キュンメーターは振り切れ、たまらなく興奮してしまいました。年下の自力相手に果敢な先行、出走表に載っている過去の決まり手からだけでは想像できなかった積極的なレース。加えて、ラインの援護。これはときめかずにはいられませんよね。

そして、思ったことがあります。それは熱い走りは伝染するということ。浅井選手の先行姿が発する熱量が、観ている私たちに伝わってくるのはもちろんですが、連携を組んでいた杉野選手にもシッカリ伝染しているように感じました。ラインを組んだ番手選手がブロックしたり、牽制したりすることは普通のことかも知れませんが、当たり前のことだよっと、サラリとは済ませられない程、杉野選手の番手の仕事にも熱がこもっていたように観えました。1人の選手の熱い走りがシッカリとラインに伝わって、それぞれが全力で役割を全うする。これこそライン戦の醍醐味ではないでしょうか。

浅井選手の見せてくれた走りのおかげで私は杉野選手のこともインプットしました。そのおかげでなんと2日目、杉野選手を絡めた車券が的中!買ったのはワイドでしたが、それでも2000円を超える配当でウハウハ。3日目も杉野選手は連対し、払い戻しは3連単で30万円越え。それを的中させることは惜しくも!?できませんでしたが、3日間、熱くワクワクさせてもらったものです。

46歳の浅井選手の走りに燃えた競輪愛を胸に、2018年の残りの日々も駆け抜けたいと思います!そして、できれば懐もホカホカにして新年を迎えたいものですね(笑)。

【略歴】

木三原さくら(きみはら・さくら)

1989年3月28日生 岐阜県出身

2013年夏に松戸競輪場で
ニコニコ生放送チャリチャンのアシスタントとして競輪デビュー
以降、松戸競輪や平塚競輪のF1、F2を中心に
競輪を自腹購入しながら学んでいく
番組内では「競輪狂」と、呼ばれることもあるほど競輪にドはまり
好きな選手のタイプは徹底先行
好きな買い方は初手から展開を考えて、1着固定のフォーメーション
“おいしいワイド”を探すことも楽しみにしている

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