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2019/02/01

Sakura Kimihara

恋して競輪ハンター

恋して競輪ハンター

恋して競輪ハンター 29 Hunting

初詣に行ったのがつい先日と思いきや……もうすぐ節分!気が付けば2月です。「年を重ねる毎に1年が早くなる」なんて昔から言われていますが、もうすぐ三十路を迎える私の毎日もまさに光陰矢の如し。瞬きをする間に過ぎているように感じています。

慌ただしく過ぎる日々の中でも、私は基本的に毎日のように競輪を買い、競輪の話題をしない日はまずありません。もちろん、競輪に関わる仕事をしているからという理由もありますが、それ以上に競輪を観たり、買ったりすることは私の中に染み付いたもはや“習慣”であることに間違いありません。朝、起きたら出走表を眺める、お気に入り選手のレースをチェックする、レースが終わっていればダイジェストを確認する。ストレッチや筋トレなどを意識的に習慣付けたいと思って始めたことは全く根付きませんが、競輪だけは無意識のうちに私の“日常”に組み込まれていきました。
そんな生活をして5年、私の中に根付いたのは競輪を『買う』、『観る』という行為だけではありません。
待ち合わせに遅刻しそうになったら「捲れるように頑張る!」と、連絡をする。
階段を上れば「もう脚いっぱい」と、立ち止まる。
不確かな予定の話しになれば「それ(その予定が決まるの)、オッズ何倍?」と、聞いてみたり。
緊張して喋りを噛んだら「ちょっと口が三角に回っちゃって」と、言ってみたり。
……というように、もはや日常の言動にも競輪が染みついてしまいました。

こんな風に会話に競輪用語を入れてしまうことを“競輪弁”とでも言いましょうか、その競輪弁を日常的に使い過ぎて、一般的な日本語表現が危うくなることもしばしば。
例えば、飲みにいって2次会がバーとカラオケに分かれる時は「じゃあ、別線だね」と、私は発言してしまいます。競輪ファンのみなさんならば特に違和感はないでしょうけれども、世間的には「別々だね」や「別行動だね」と、言い表すそうです。でも、私はもう“別線”以外の表現を忘れてしまいました(苦笑)。

私は岐阜県出身でそこまで訛りが強い地域ではありませんでしたが、上京したばかりの頃は「標準語では何と表現するのだろう?」そう思うことが度々ありました。今では岐阜弁から標準語の変換に悩むことが少なくなった代わりに、何でも競輪で例えてしまう“競輪弁”から標準語への変換作業が必要になってしまいました。長くその地域に住むと、その地の訛りが伝染ることがあるようですが、私もスッカリ“競輪という地”の住人になった証拠なのだと、シミジミ感じます。

競輪は難しいとか、初心者には分かりづらい、と言われることもあります。だけど、私たちの日常の様々な行動を競輪で例えることができるくらいなのですから、本当はもっと気軽に多くの人に楽しんでもらえるはずだと、私は思います。その事実が多くの人に伝わるように、これからも“競輪弁”を多用しながら生きていきたいです(笑)。
「えっ、今、何て言ったの?」はスタートの合図。楽しい競輪トークを始めるキッカケになるかも知れません。

【略歴】

木三原さくら(きみはら・さくら)

1989年3月28日生 岐阜県出身

2013年夏に松戸競輪場で
ニコニコ生放送チャリチャンのアシスタントとして競輪デビュー
以降、松戸競輪や平塚競輪のF1、F2を中心に
競輪を自腹購入しながら学んでいく
番組内では「競輪狂」と、呼ばれることもあるほど競輪にドはまり
好きな選手のタイプは徹底先行
好きな買い方は初手から展開を考えて、1着固定のフォーメーション
“おいしいワイド”を探すことも楽しみにしている

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