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2019/04/17

Skura Kimihara

恋して競輪ハンター

恋して競輪ハンター

恋して競輪ハンター 34 Hunting

以前、このコラムに書いたこともありますが、友人であり、応援している日野未来(奈良114期)選手が徐々に成績を上げてきました。先日の大垣F2では初めて決勝戦にも乗り、私もデビューから一緒に応援してきたファンのみなさんと喜びを分かち合う機会に恵まれました。
日野選手に限らず、調子を落としたり、成績が奮わなかったりする選手には厳しい意見が飛びます。結果が求められる世界であり、そして、競輪は賭けることができ、ファンも車券的中という結果を求めるからには厳しい意見=ヤジは当然のことなのかも知れません。
もちろん、勝とうが、負けようが、応援することは自由です。周りの目など気にする必要はありません。ただ、金網の前でレースを観ていて、応援している選手が期待外れの競走をしてしまうと、少し肩身の狭い気持ちになることがあります。レース後、目の前をうなだれながら通り過ぎていく選手へ他のお客さんから激しいヤジが飛び交う中にいると、ビビりな私の声援は小さくなってしまいます……。(大きな声で応援したからと言って、他のファンから何か言われるというようなことはありませんが)
このことで少し言い訳をさせて貰うと、私は好きな選手の車券はどんな時でもどうにかこうにか買うタイプなので、応援車券とは言え自分のお金がなくなり、期待していた良いレースも観られず、周りには自分の好きな選手への怒号が飛び交うとなると……どうにもお腹に力が入らないのもご理解いただけますでしょうか。
逆に私、腹筋バキバキに割れていたっけ!?と、思うくらい声援が大きくなる瞬間もあります。それはもちろん、応援している選手が勝った時。もしくは私たちをワクワクさせてくれるようなレースを観ることができた時です。レース後に「カッコよかったよ~!明日も頑張れ~!」なんて声を掛けた時にペコリと、頭を下げる姿など目の当たりにしたら、これからもズーッと、応援しよう!という気持ちはさらに強くなります。

ですが、私は最近、金網まで行ってレースを観ることが減り、もっぱらネットでレースを観ることが増えました。競輪ファンのみなさんのSNSなどを見ていると、好きな選手を追い掛け、全国の競輪場に足を運んでいますね。そのフットワークの軽さと愛の深さには本当に脱帽であります。ネットでレースを観ていると、当然ですが、選手に声を掛けることはできません。例えば、日野選手にレース後、すぐさま「お疲れ様!」と労いと励ましの言葉をスマホから送っても、そのメッセージを見て貰えるのは開催が終わった後。友人であろうと、恋人であろうと、レース開催中に選手と話すことは許されていません。
つまり、本場に足を運ばれているファンの方たちは誰よりも先に選手に声を届けることができる存在なんですよね。改めて考えるとそれって、凄いことだと感じます。金網1枚を隔てただけの近さでレースを観ることができて、エンジン音に声援をかき消されることもない競輪だからこその選手とファンの“特別な距離感”なんだなって。
「レース中は声援が聞こえない」と、語る選手は多いですけれども、選手紹介中、発走前、レース後はファンの声が聞こえるという選手が多い印象。緊張や不安の中、勝って嬉しい時、調子を落として結果もなかなか出ないで苦しい時、ファンの声が選手の力にならないはずがないと、私は信じています。
「ヤジでもなんでも声を掛けてもらえるのはありがたい、どんな形でも注目してくれているということだから」
そのようなお話しを元選手から伺ったこともありますからね。

ここまで書いていたら、私も本場に足を運び、大声を出してレースを観たくなってきました。出不精(デブ症じゃないゾ!)な私ですが、今年はアクティブなファンのみなさんを見習って、本場へ繰り出せたらいいなと思います。

【略歴】

木三原さくら(きみはら・さくら)

1989年3月28日生 岐阜県出身

2013年夏に松戸競輪場で
ニコニコ生放送チャリチャンのアシスタントとして競輪デビュー
以降、松戸競輪や平塚競輪のF1、F2を中心に
競輪を自腹購入しながら学んでいく
番組内では「競輪狂」と、呼ばれることもあるほど競輪にドはまり
好きな選手のタイプは徹底先行
好きな買い方は初手から展開を考えて、1着固定のフォーメーション
“おいしいワイド”を探すことも楽しみにしている

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