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2017/08/07

P-Navi編集部

伊豆ベロドロームで競輪開催か!?

伊豆ベロドロームで競輪開催か!?

先月末、一部で『伊豆ベロドロームで競輪開催』と、報じられた。250m屋内木製バンク。ケイリンでは主流だが、競輪は過去、行われたことがない。
「まさかベロドロームで!」と、耳を疑ったが、あながち夢物語ではなさそうだ。現時点で、JKAは否定しているものの……根拠は千葉競輪にある。ごく最近の話しであるのだが、千葉競輪は今後の黒字が見込めないことから廃止の方向で、記者会見まで開かれた。それが7月の千葉市長選挙で、当選した熊谷俊人氏が250m屋内木製バンクの建設を容認。要するに廃止だったものが、一転、存続になった訳だ。千葉競輪の運営を包括委託している株式会社日本写真判定が主体となって、250m屋内木製バンクを建設する計画らしい。競輪場が存続するならば、車券を売るのが当たり前。それが250mバンクということであれば、ややこしい法律を改正する必要があり、そう簡単には事案は進まない。しかし、250mバンクでの存続を決めた以上は、確実にそこで競輪が行われる。

250mバンクでの競輪、ファンはイメージが湧かないだろう。しかし、迫力は現在の競輪よりはるかにあると、自信を持って言えるのは、海外の競技を何度も取材した筆者の経験からだ。金網がなく、目の前を70km/h以上のスピードで選手が走る、本当に目の前をである。それこそ、そのままぶつかってきてしまうのではないかという錯覚にさえ陥る。その臨場感たるや、言葉では言い表せないほどだ。

伊豆ベロドロームが完成した時、トラックパーティーなるものが行われた。何のことかと言えば、バンク内で飲食を楽しみながら競技を見るというもの。場内はアップテンポの曲が流れ、まさしくパーティーそのものだった。しかし、盛り上がりという点ではどうだったか?その後もパーティーが続くのかと思っていたが、いつの間にか聞かなくなった。自転車競技を楽しむための試みだったはずが、尻切れトンボに終わってしまったのだ。

話しを本題に戻そう。伊豆ベロドロームでの競輪は現実味がある。これから設計・建設する千葉より、早く実施されると考えられる。果たして形態は? あの狭いバンクで9車立てはない。五輪や世界選手権と同じで、最大7車立てだろう。フレームも鉄製のものではなく、カーボン製の可能性が高い。ルールも競輪の競技規則を軸にしないで、あくまでも国際ルールに基づくものになるのではないか。
そして、何よりも気になるのが、実際に走る選手である。競輪は格闘技、競りがあり、激しいブロックが魅力の一つでもある。しかし、250mバンクでは激しさを求めることはできない。純粋なスピード勝負、簡単に言ってしまえば、真っすぐ走ることができるかだろう。長年、競輪の走りが身に付いている選手にとって、横の動きを制限されるルールに対応できるか。その辺りも含めて今後、JKAだけでなく、選手会や選手個人も真剣に考えていかなければならない。
確実に斜陽化が進んでいる業界にあって、最後の望みとなるのが250mバンクでの競輪開催だろう。設備が整っている伊豆ベロドロームだからこそ、時間をかけず実施してもらいたいものだ。

Text/Norikazu Iwai
Photo/Perfecta Navi・Joe Shimajiri

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