TOP > コラム > 競輪に夢CHU Vol.15

コラム

一覧へ戻る

コラム

2019/07/05

Natsu Sakurai

競輪に夢CHU Vol.15

競輪に夢CHU Vol.15

みなさん、こんにちは!グラビア車券師の桜井奈津です。
あっと、いう間に7月になり、新人115期生・116期生がデビューしています。これまでとは違った視点で、レースを検討するのも楽しみになってきますね。
新人選手データをみると……実は自転車競技経験者ばかりではありません。競輪選手というのはプロスポーツ選手の中でも、他のスポーツ経験者であっても目指すことが珍しくない世界なのです。
あの世界戦10連覇の中野浩一さん(福岡35期・引退)は高校時代、ズーッと、陸上をやっていました。現在、日本競輪選手養成所の所長であり、グランドスラムを達成し滝澤正光さん(千葉43期・引退)は中学〜高校と、バレーボールに打ち込んでいたのは有名なお話しです。一時代を築き上げたような大スター、別のスポーツから競輪選手になったのは少し意外にも思えます。

“自転車”そのものは幼い頃から私たちにとってもすごく身近なもの。ですが、ピストレーサー(ピストバイク、トラックレーサー、トラックバイクなどの呼称も)と、呼ばれる競輪の自転車は非常に特殊。簡単には乗りこなせないと思うだけに不思議ですね。
まず普通の自転車とピストレーサーとの違いはブレーキがないこと。また、ペダルとシューズとがクリップバンドというもので留められて固定されています。正直、この時点で、少なくとも私は乗るのが怖すぎて無理です……改めて、競輪選手みなさんの凄さを実感させられます。
そして、もう一つは固定ギアであるということです。固定ギアというのはペダルが空回りしません。分かりやすくいうと三輪車の車輪とペダルに近いもの。常にペダルを回している状態となるので、勝負所までにどれだけ脚の力を消耗しないで残しておけるかというのもレースでの大きなポイントになります。

“人間”が走るけれども、このような特殊な乗り物を操るというところで、さらにレースの奥深さが増すのです。それこそデビューしたばかり、ピチピチ(体力自慢)の19歳の新人選手に、50歳の大ベテランが勝っちゃうことも多くあるのですから。ベテラン選手の魅せるテクニックは個人的に最も競輪の魅力だと感じているところです。

さて、そんな競輪の魅力にさらに迫るべく、先日は検車場へ取材に入らせていただきました。神聖な場所ですから、邪魔にならないように……そう思いながらも、競輪ヲタクゆえにその独特の匂いにクラクラと、ときめいてばかりの私でした。
印象的だったのはローラー台(室内でトレーニングする機器)に乗っている選手たち。黙々と、ペダルを回すその姿。シャーと、音を立てながら回るタイヤが、なんだかキレイだなぁと。そういう気持ちで見つめていました。
先にも述べたように、競輪の自転車というのはペダルを回す脚を止めれば、タイヤも止まってしまう。漕ぐことを止めれば、倒れてしまうのでしょう。これが私には色々なことに重なりました。漕ぎ続けるということはきっと苦しいはずだけれども、その姿はとにかく美しい。

デビューしたばかりの新人選手。あるいは期が変わって、環境や課題が変化した選手。各々がもがき続ける競輪人生が新たに始まっては交じり合っていく。それを観られることにワクワクしています。そして、自転車ではありませんが、私もシッカリ漕ぎ続けなければいけないと。そうでないと夢へ辿り着かないから。もしも倒れてしまっても……また、必ず起き上がって。
そんな風に自分自身と重ねながら、今日も大好きな競輪に夢CHUです。

【略歴】

桜井奈津(さくらい・なつ)

1988年9月5日生

愛知県出身

青山学院大学経済学部中退

ミス東スポ2016グランプリ

KEIRINグランプリ2018 静岡アンバサダー

旅打ちが好き

全場制覇の旅は現在43場のうち31場制覇(2018年9月20日現在)

帰りの交通費がなくなるとsuicaをみどりの窓口で返却

デポジット500円を手に入れるという特技をよく使っている

ページの先頭へ

メニューを開く