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2020/06/27

Sakura Kimihara

恋して競輪ハンター

恋して競輪ハンター

恋して競輪ハンター 62 Hunting

第71回G1高松宮記念杯競輪のニコ生放送のため、初めて和歌山競輪場を訪れました。
5月の日本選手権競輪が中止となり、2月の全日本選抜競輪から4ヶ月。「G1レースって、どんなだったっけ?」と、思っていたら、初日からとてつもないハイレベルなレースを見せつけられて、大興奮の4日間でした。

オリンピックを目指していたナショナルチーム勢も今年初の参戦となりましたが、その中でも優勝した脇本雄太(福井94期)選手は圧巻の走り!初日こそ決まり手は捲りがついていますが、4日間、打鐘前からの仕掛けで押し切りました。最後には勝つことがお約束のヒーロー映画を見ているような、ドキドキハラハラしながらも本当に強い走りでしたね。「強い」とか「凄い」という、ありきたりかつ単純な言葉でしか脇本選手の走りを表現できないことが喋り手としても書き手としても情けない話しですけれども……本当に全てが凄かった!

そして、松浦悠士(広島98期)選手をはじめ、対戦した他の選手も強かったですね!
2020年の競輪界をここまで引っ張ってきたのは間違いなく、松浦選手と清水裕友(山口105期)選手。2月豊橋のG1全日本選抜競輪のスタールビー賞を除いて、これまで連携すればどちらかが1着を獲るというゴールデンコンビができ上がっていました。ナショナルチーム勢が不在の中で、競輪界を盛り上げ、ファンを熱くさせてくれたこのコンビがいよいよ脇本選手と対決。初日から本当に贅沢なレースを見せてくれました。残念ながら清水選手は二次予選で敗退となり、決勝での再戦を見ることは叶いませんでしたが、自力で戦った松浦選手の追い込みを見ると、さらなる対策を練って、リベンジを果たして欲しいと、思わずにはいられません。

開催後にTwitterで、私は以下のようにつぶやきました。『脇本選手が本当に強かった。こんな凄い選手と同じ時代に生き、その生のレースを見られることが幸せで、とても幸運だと感じました』
実はこの内容は受け売りで、数年前、ワイドショーで好角家のデーモン小暮閣下が横綱・白鵬を称賛した際に「歴史的な大横綱の相撲を同じ時代に生き、見られる我々は幸運である」というような発言をしていたのです。それを聞いた時は「そういうものか」と、思う程度でした、でも、今、私自身が競輪にどっぷりハマり、脇本選手という歴史に名を刻むであろう最強の競輪選手のレースをこの目で見た時、当時の閣下の言葉にとてつもなく共感したのです。これから脇本選手はきっともっと強くなるのでしょう。そして、それに対抗するために他の選手たちもさらなる高みを目指していくのだと思います。その中で、数々の名勝負、名レースがこの先に誕生し、そのレースを自らの目を通して記憶に焼き付けることができる__。競輪ファンとして、こんな幸せなことはありませんよね。

ダイジェスト映像を見ると、選手の車輪の音、そして、息遣いまでもが聞こえてきます。本来ならば満員の大観衆の声援にかき消されていたレースの音が聞けるというのは、貴重ですね。無観客の静けさを寂しく感じる瞬間もありますが、徐々にお客様を迎える準備は広がってきています。みなさんと共に、この興奮を生で共有できる日がくるのを楽しみに待っています!

【略歴】

木三原さくら(きみはら・さくら)

1989年3月28日生 岐阜県出身

2013年夏に松戸競輪場で
ニコニコ生放送チャリチャンのアシスタントとして競輪デビュー
以降、松戸競輪や平塚競輪のF1、F2を中心に
競輪を自腹購入しながら学んでいく
番組内では「競輪狂」と、呼ばれることもあるほど競輪にドはまり
好きな選手のタイプは徹底先行
好きな買い方は初手から展開を考えて、1着固定のフォーメーション
“おいしいワイド”を探すことも楽しみにしている

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