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2020/12/03

Koichi Moriizumi

『森泉宏一の実況天国』Vol.44

『森泉宏一の実況天国』Vol.44

11年程前__私がボートレース実況を始めて、まだ間もない頃。
CS放送でその日のレースを振り返るボートレース番組がありました。
その番組内で『艇声天語』(ていせいじんご)というタイトルの特集コーナーも不定期で放送されていたのです。

これは全国24ヶ所あるボートレース場の実況アナウンサーを取り上げる特集で、様々なアナウンサーが出演。
当時の私は実況デビューを果たしていましたが、まだまだ若手の身。
(*当時全国のボートレース場で最年少の実況アナウンサーでした)。
他場のアナウンサーはみなさん、大先輩ということになります。
番組では実際に実況をしている様子や、生い立ち、アナウンサーになるキッカケなどで構成。
他のアナウンサーがどんなことを考えて、お仕事されているのか?
まだ経験が浅い私にとって、この特集はとても興味深いものでありました。

そのような中、私の師匠である野村達也さんもその番組に出演。
あれは確か、野村さんが自身初となるSG優勝戦の実況を直前に控えていた頃でした。
特集される野村さんを目の当たりにした当時の私は
「この『艇声人語』に出演できるくらいの力をつける!」
ことを目標にしたのです。

それから約10年後。
この『森泉宏一の実況天国』が始まり、コラムのネタを考えていた時に『艇声人語』のことを思い出しました。

「他のアナウンサーが何を考えているのか?」
「どんな準備や練習をしているのか?」
「そもそも、なぜ、その仕事をしているのか?」
という疑問を未だに持ち続けています。

そして、みなさんにも知っていただきたいということで『公営競技の実況アナウンサーへのインタビュー』を新しく企画。
第一弾として、浜松オートの実況担当である島田祐希さんにお願い致しました。

以下、先日の伊勢崎オートで行われた公開予想対決の日にインタビューしたものです。

森泉(以下・森)「喋りの仕事を始めて、どれくらいになるのですか?」
島田(以下・島)「6年くらいですかね。大学を卒業して、最初の1年はフリーターをしていて、2年目に初めて喋りの仕事。高校野球の実況を始めて、その翌年にオートレースの実況を始めました」
森「あっ、高校野球が先だったんだ!」
島「はい、最初は高校野球でしたね」
森「てっきり最初からオートレースだと思い込んでいました。高校野球は何県で?」
島「三重県です」
森「そうだったんですね。そして、その後にオートレースの実況。キッカケというか、そもそも公営競技に馴染みはありましたか?」
島「元々、アナウンサーの勉強はズーッと、していて。習いに通っていた事務所が競馬のアナウンススクールで、公営競技の実況をされている方が講師でした。その時に公営競技の実況アナウンサーを探していて、そこに巧くタイミングが合ったという感じでしたね。だいぶ“補欠の補欠の補欠”に位置していたらしいですけど(笑)」
森「公営競技のアナウンサーになりたいというのは?」
島「それはありましたね!ただ、公営競技というよりはレース実況をしたいというのはありました。特に公営競技という括りでは意識していませんでした」
森「レースの実況をしたかったというのは……例えばカーレースとかそういう?」
島「というより、どういう仕事があるのか調べてはいなかったんですよ」
森「それでこういう仕事もあるのかぁ、と」
島「そうですね、元々は競馬好きで入っているので。公営競技の入り口も競馬でした」
森「オートレースは?」
島「仕事の話しを頂戴するまで知りませんでした。髙橋貢(伊勢崎22期)選手ですら知りませんでしたね。というのも僕は関西出身なのでオートレースに馴染みがない地域で育ったのもあったんですよ」
森「確かに関西出身の選手自体があまりいないですもんね」
島「森且行(川口25期)選手の存在は知っていましたが、オートレースの選手に転身したというのも知りませんでした」

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