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2021/03/18

Norikazu Iwai

新型コロナウイルスとの闘いから1年

新型コロナウイルスとの闘いから1年

月日が経つのは本当に早い。思い起こせば昨年4月、競輪界で最も権威のあるG1日本選手権競輪(ダービー)の中止が発表された。選手の誰もが欲しいタイトルの一番手。優勝賞金も他のG1と比べて破格だし、決勝2着の賞金も大きい。過去、決勝2着でグランプリに出場できなかった選手がいたかどうか?記憶は定かでないが、いたとしても1人か2人ではないだろうか。この1年は競輪界だけでなく、世の中が新型コロナウイルスとの闘いであった。緊急事態宣言が延長された1都3県。それも解除される見通しだが、もちろん、闘いは今も続いている。
果たして、この日常が良いのか、悪いのか?日増しに良くなっているのか?は意見が分かれるところだが、どうやら今年の日本選手権競輪(京王閣競輪場)は開催できそうだ。つい先日、JKAから有観客開催にするとの発表があった。ただし、抽選で5,000人。内訳は一般入場が4,215人、ロイヤル席35席、特別観覧席750席となっている。だが、シリーズを通してのものだという。6日間、通ってくれるファンもいるだろうが、毎日、足を運べないファンの方が多いはず。以前も指摘したが、それならば1日ごとに抽選をすれば良いのではないだろうか。過去、こういった制限をした際、入場人数はそれを下回ってばかりだった。

もう一つ、確認しなければならないことがある。それは抽選で当選したファンのPCR検査には一切、触れていないことだ。当選したファンでも開催3日前のPCR検査陰性証明は必要ではないだろうか。新型コロナウイルスが怖いのは無症状が多いということだ。身体に異変がなければPCR検査など受けない。しかし、それは時代に逆行している。直前に検査を受け、それでも、大丈夫なファンだけを入場させるのが確実である。そして、入場者の追跡調査。応募形式にしている以上、住所などは把握できているだろうが、初日は帰りにどこへ寄った、2日目は直帰した、3日目は仲間と食事に行った……などなど、全ての行動を把握しなければならないのではないだろうか。ここで大きなクラスターでも発生すれば、東京五輪(この原稿を書いている時点では開催)にも影響が出るのは必至だ。ましてや場所が東京都内なのだから。その辺りまで考えての有観客開催だとは思うが__。

ソーシャルディスタンスを謳いながらも相変わらず、ゴール前は多くの人だかり。警備員は一体、何をしているのだろうか?シッカリ距離を取ることを取り締まるのが役目のはずだが、テレビで観戦していてもゴール前は密状態にしか見えない。この状況を経済産業省の役人や小池都知事は見ているのか?国民に我慢を強いていながら公営競技のゴール前はさながら無法地帯と化している。それこそ経産大臣や都知事はゴール前で観戦していただきたいものだ。経済を回さなければならないのは理解できる。しかし、口先だけの対策、セレモニーでは意味がないと感じる。

関係者の中にはマスクをしていない人間もいるという報告もある。ポーズで一応はマスクをしているが、ほぼ顎マスク状態も多いそうだ。徹底できないならば開催すべきではないし、誰に対しても強く物を言える人間がいなければ『競輪場でクラスター発生』の文言がメディアで踊る可能性は否定できない。1年が経った今、果たして、競輪界は自信を持って対策を行ったと、言えるのかどうか?改めて関係者には検証していただきたい。

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