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2022/04/12

岩井範一

新しい玉野競輪場

新しい玉野競輪場

3月26日から29日まで開催されたG3玉野競輪開設71周年記念「瀬戸の王子杯争奪戦」は、東京五輪代表の脇本雄太が豪快な捲りを放ち、優勝を飾った。脇本はその前のG2ウィナーズカップ決勝で、動けず6着に敗れていた。グレードは違えど、この開催で見事にファンの信頼を取り戻したと言えるだろう。

玉野競輪には、何度も足を運んだことがある。今はあるのか定かでないが、競輪場にほど近いところにリゾートホテルがあった。筆者はそこに泊まる選択肢もあったが、かつては、競輪が終わってからの夜のことを思い、JR岡山駅前のホテルに宿泊していた。競輪場には無料送迎バスを使って、1時間ほどで着いた記憶がある。JRで行くこともできるが、時間が合わなかったから無料送迎バスにしたのだ。夜は、岡山駅前で旨い酒を飲みながら、舌鼓を打った。あまり深酒をしてしまうと次の日の移動に影響があるから、そこそこの時間でホテルに戻っていた。瀬戸内海を競輪場から望める、気持ちのいい競輪場でもある。

ただ、やはりアクセスが問題だったことは事実だ。それが、開催初日の26日。競輪場と一体となった「KEIRIN HOTEL10」がオープンした。開業に合わせ、玉野競輪場は大規模な改修を行っていた。ホテルの位置は以前、1センターにあったスタンド跡になっている。地上8階建てで、部屋から競輪を楽しめるし、瀬戸内海も眺められるという。筆者の友人がオープンに合わせて、2泊3日で実際に宿泊した。果たして、居心地はどうだったのか聞いてみた。
「最高だったよ。部屋から競輪が楽しめるのはもちろん、例え車券が外れても、瀬戸内海が癒やしてくれる。こんな間近で、プライベートルームで楽しめるのは贅沢。正直、最初はどんな感じだろうと思っていたけど、満足できた。時間があれば、ここを拠点に観光もできたからね」と、100点満点の答えが返ってきた。

競輪場だけではなく、運動公園の一部として競輪場があるところもあるし、計画していた競輪場も過去にはあった。しかし、宿泊施設まではなかった。ギャンブルではなく、レジャーとしての競輪を猛烈にアピールできたのではないかと思う。ただ、競輪関係者は知っていても、まだまだ一般の人には知られていない。玉野市と一体になって、観光キャンペーンなどをもっと派手に行っても良いと考える。まだオープンしたばかりだが、今後はさらなる周知徹底をしてもらいたい。
友人の話を聞いただけだが、夏には瀬戸内海の海風を感じながら、車券を楽しみたいと思っている。

Text/Norikazu Iwai

Photo/Perfecta Navi編集部

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