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2017/11/22

Norikazu Iwai

カレンダー

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早いもので、もう師走の声が聞こえ始めた。毎年、この時期になると来年の競輪カレンダーが各競輪場で配布される。最近は全国各地の競輪場、選手会独自のカレンダーもあり、独自色が出ている。競輪場で配られる中には全国版とも言うべきものもある。手に取ったファンは大事そうにカレンダーを抱きしめ、車券売場へと向かう。ある選手に聞いたところ「やっぱり、1月がいい。1月を取れるかどうかがステータスになっている」ということらしい。
来年、2018年の1月を飾っているのは新田祐大(福島90期)だ。競輪祭前までの賞金ランクはトップだから、これはこれで妥当だろう。ただ、ここで疑問を感じたのは「順番はどのように決めているのだろう?」。はたまた、カレンダーに登場できる選手は「どうやって決めているのだろうか?」の2点である。

以前、筆者が関係者に尋ねた際は、1月から夏くらいまでの賞金ランク上位者という回答であった。まぁ、これはこれでいいのだが、時期が早すぎやしないだとうか?2018年版で言えば、現在(競輪祭前)の賞金ランク8位で、初のグランプリ出場が現実味を帯びている諸橋愛(新潟79期)がどの月を探してもいない。若手有望株の吉田拓矢(茨城107期)が選ばれているのは地域性を考えていることも理解できなくもないが、今年の活躍を考えたうえで諸橋の姿が見られないのは寂しい限りだ。もしも諸橋がグランプリ出場を決めて、優勝でもしたら……。12月30日のウィナーが、1月1日からのカレンダーに載っていないなんて不思議で仕方がない。制作期間の関係はもちろん分かるが、それにしても締め切りが早すぎるのではないか。前半戦の成績がいいだけで、もしも選ばれているとしたら、せめてもう1〜2ヶ月延ばしてもと思ってしまう。
ガールズケイリンに目を移すともっと不可解だ。7人が選ばれているが、ガールズグランプリに出場する尾崎睦(神奈川108期)、長沢彩(愛知106期)、石井寛子(東京104期)の姿が見当たらない。それは8月のオールスターの時に行われた“ガールズドリームレース”出場の7人、人気投票で選ばれた7人だからだ。それならば、男子もオールスターのファン投票を基準にすればいいのではないか?
尚、12ヶ月のうち、ガールズに割り振られたのは7月だけ。ガールズケイリンが人気を博している現状を考えれば、ガールズだけのカレンダーを作って、ファンにプレゼントすべきであろう。ガールズだけの卓上カレンダーを見たことはあるが、競輪場で配るような大がかりなものではないようだ。
個人的な意見だが、将来性や人気はもちろん大切である。しかしながら、それが優先されるのはいかがなものか。人気だけならば個人のカレンダーを作ればいい。野球だってチームカレンダーの他に、俗に言う“個人モノ”を作っている。全国版のカレンダーに載りたければ、誰にも文句を言わせない成績を残せばいいだけだろう。賞金ランクが20位程度だったら、載る選手も恥ずかしい気持ちになるのは間違いない。
せっかく作るなら、その年の成績を元に、人気と実績を踏まえてシッカリ選んで(熟考して)欲しいものである。そして、正直に言うとセンスがない。ガッツポーズの写真が並び、その上にユニホーム姿。毎月めくっても目に飛び込んでくるのは同じパターン。もう少しひねってもいいのではなかろうか?

Text/Norikazu Iwai Photo/Joe Shimajiri

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