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2024/08/11

古性優作

古性優作の「KOSHOW TIME!」Vol.16

古性優作の「KOSHOW TIME!」Vol.16

皆さん、こんにちは。古性優作です。
久しぶりのコラム更新になりましたが、今回は今年前半の振り返りと、初めてファン投票1位になったオールスター競輪(平塚/8月13日~18日)について書いていこうと思います。

◆前半戦を振り返り◆

8月になりましたが、今年ここまでを振り返ると、自分の中では全然、納得できていません。
その理由として、シンプルにG1で活躍することができていないところが大きいです。
昨年のように、G1に向けてのピーキングはしっかりできていると思うのですが、今年は自分の実力がG1で通用していない感じです。
G1で結果が出ていない、結果を出せていないことに、実力不足を感じますし、ここまでのG1決勝で3着、3着はありましたが、もちろん、そこを目指してるわけではないので、「G1優勝ができなかった」というシンプルな評価をしています。
逆にG3に関しては、疲労感をしっかりためている割には、3回優勝できて、ボチボチ走れている感じはします。

函館競輪開設74周年記念五稜郭賞争奪戦G312RS級決勝ゴール

◆意識の変化◆

昨年、走っているときに、今の状態のままだと今年はダメだなとは思っていました。そこで、ナショナルチームの練習は、以前から参加してみたいと考えていたことだったので、脇本(雄太)さんが今年の4月に4日間、参加する機会をもうけてくれました。もちろん、ナショナルチームは世界を目指してトレーニングしているので、レベルが全然違うことは当然だと思うのですが、それにしても強かった。もうレベルが違いすぎて、練習にも参加できないレベルでした。
外に出ないと分からないことも多いですし、ナショナルチームの練習に参加して、井の中の蛙のような感覚を受けました。普通に大阪で練習しているときは、そんな感情にはならないので、そこは大きかったと思います。

自分は昔からタテ脚を欲して、ずっとそこを狙って練習をしていました。今回もタテ脚を追い求めて、ナショナルチームの練習に参加したのですが、とにかく凄すぎたので、改めてしっかりと考え直す機会になったと思います。タテ脚があれば、ヨコをする必要はない。それくらいのタテ脚が理想です。ヨコはいつでもできますからね。
G1を走っていると、脚力が不足しないことはないと思います。勝率10割ではないと、脚力不足ということなので、難しいこと。今はナショナルチームとの練習で感じたことを、普段の練習にも取り入れたりするようになり、短期間ですが変化を感じています。ただ、この練習はロングスパンでやるものなので、今すぐに結果が出るというものでもありません。ずっと高いモチベーションで練習して、4年くらい先を見ています。

◆嬉しいこと◆

新しく大阪から自力選手が出てこないと、大阪自体が盛り上がらないと思っていました。それが、最近の特別競輪や記念で、自分の前を走ってくれるような大阪の若い選手が出てきてくれたことは、素直に嬉しく感じていることです。自分が特別競輪に出始めたときは、大阪の自力選手はいませんでした。その当時は追い込み選手が多かったため、自力で強くなるためのノウハウもありませんでした。だから、僕も最初は「追い込みで特別競輪を走る」イメージを持っていました。自分の中で、勝手に特別競輪は追い込みで走るマインドになっていた感じです。そこから、特別競輪を走り続ける中で、タイトルを獲るにはどうしたらいいかを真剣に考えたとき、自力で走らなくては獲れないと思いました。その感覚を持っていたため、今、大阪から自力選手が特別競輪に出はじめていることを、感慨深くも感じています。

ほかにも近畿地区からは、福井の寺崎浩平は本当に強い自力選手ですし、窓場千加頼も本気を出せば強いので、ポテンシャル的にはもっと早く上にあがってきてもおかしくない選手だと思っていました。千加頼に関しては、「近畿勢は脇本さんと古性さんに任せきりにしすぎ」と言ってくれているくらいなので、そういう自覚を見ると、僕も「そんな風に思ってくれているんだな」と嬉しくなります。自分もしっかり刺激を受けながら、頑張らないといけないと思っています。

ウィナーズカップ決勝

◆ファン投票で初の1位◆

G1のタイトルは獲りたいと思ってトレーニングをしっかりすれば、自分で狙いにいって獲れる可能性はあると思います。ですが、ファン投票1位はタイトルを獲るよりも難しいと思っていました。今までは目標にもできないくらい、凄すぎて、おそれ多いと感じていました。
まあ、自分みたいなタイプは1位にはなれないと思っていましたので(笑)。
例えば、脇本(雄太)さんや北井(佑季)さんを見ていると、すごく華がありますよね。何と言うか……自分は戦法的にもパッと見て、華やかではないと思っていたので、ファン投票とはあまり縁がないかなと思っていました。それだけに、今までやってきたことが形となって出てきて、そこを評価していただいたことは、すごく嬉しく思います。

オールスター競輪はもうすぐですが、高松宮記念杯のあとから状態が良くないので、もっと欲しい感じはあります。でも、ちょっとずつは良くなっているので、頑張りたいと思っています。今回のファン投票も、僕と脇本さんがファン投票1位、2位なので、何が何でも2人で決めたいという気持ちは強いです。これからも応援してもらえるように、頑張ります!

古性優作

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【過去のコラムはこちら】
古性優作選手コラム「KOSHOW TIME!」
Vol.15「3回目のグランプリ」
Vol.14「連覇のかかる地元G1」
Vol.13「日本選手権競輪に向けて」
Vol.12「グランプリから新年へ」
Vol.11「受け継いでいくもの」
Vol.10「初めてのドリームレース」
Vol.9「日本一になるために」
Vol.8「全日本選抜競輪優勝」

【略歴】

古性優作(こしょう・ゆうさく)

1991年2月22日生 大阪府出身

2006年から2008年までの3年連続で全日本BMX選手権大会を優勝。
2011年7月に第100期生として岸和田競輪場でデビュー。2014年11月松戸競輪場でS級初優勝すると、2016年12月には地元の岸和田記念でG3初優勝。そして21年8月のオールスター競輪で念願のG1初優勝。KEIRINグランプリ2021では初出場・初制覇の快挙を達成してMVPにも輝いた。その後もG1優勝を重ねて、現在は通算6回の制覇。2023年には史上6人目となるG1年間3Vをマーク。G1グランドスラムまで、あと残すは日本選手権と競輪祭。あらゆる展開に対応する変幻自在の走りが魅力。

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