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2020/11/27

P-Navi編集部

宇都宮クリテリウム・レポート

宇都宮クリテリウム・レポート

コロナ禍の中、開幕が遅れた国内サイクルロードレースの最高峰リーグJプロツアー。8月8日に第4戦となる宇都宮クリテリウムが開催され、地元チームである宇都宮ブリッツェンがプレッシャーをはねのけて、見事に優勝を飾った。

クリテリウムとは小周回を回るレース形式のこと。コースは一般的には平坦で、トータルのレース時間も短いため、高速の展開になることが多い。ハイスピードで駆け抜ける選手たちの姿を間近で何回も見られることから、通常は多くの観客で賑わうのだが、新型コロナウイルスの感染拡大対策のため、一般観客の観戦が禁止され、メディアと関係者のみが集まる静かなレースとなった。

サーキットが設営されたのは宇都宮市中心街の東にある清原工業団地。例年は観客が集まり、多くのグルメや自転車関連ブースが並ぶのだが、もちろん、今年はなし。粛々と、開催されるレースの他は何もないシンプルな会場であった。

今年は昨年、使用された角形のサーキットからTの字型のレイアウトに変更。その結果、難度の高いヘアピンカーブが3つも登場し、さらには直角コーナーが2つ、迅速なスピードアップが求められる約1kmのストレートが並ぶタフな設定となった。このコースではテクニックやパワー、持久力など、あらゆる能力が試されることになる。

8月に入り、梅雨が明け、酷暑ではないまでも気温は30度。湿度が高く、まだ暑さに慣れていない身体にとっては厳しさを感じる天候の中、大会はスタートした。

例年、大歓声と拍手に包まれるスタートも今年は関係者のみに見守られての穏やかなものに

レースは1周=2.2kmのサーキットを23周する50.6km。レース時間は1時間余と、予想された。

スタート直後からアタックが積極的に仕掛けられるが、吸収を繰り返す。そんな不安定な状況がしばらく続いた。ペースも速く、脚力を奪っていくタフなコースに、序盤から早くも脱落する選手が出始めた。その中でリーダージャージを着る増田成幸を擁し、ホストチームでもある宇都宮ブリッツェンがレースの主導権を握るべく、前方に集結してきた。サポーターたちの来場はないにしても、この宇都宮開催のレースを落とす訳にはいかないということだろう。

序盤からブリッツェンはレースをコントロールする意思を見せる

中盤に差し掛かり、中村龍吉(群馬グリフィンレーシングチーム)が集団から飛び出し、これに合わせ、山本大喜(キナンサイクリングチーム)、小石祐馬(チーム右京)、小森亮平(マトリックスパワータグ )、門田祐輔(Hincapie LEOMO Bellmare Racing Team)らも抜け出し、集団も容認し、5名の逃げ集団が形成された。

中盤、中村(群馬グリフィンレーシングチーム)が集団から抜けだした

中村の動きに呼応し、5名の逃げ集団が形成

宇都宮ブリッツェンがコントロールするメイン集団はいつでも捉えられるよう、逃げ集団とのタイム差を20-30秒にキープ。5名は「泳がされている」状態で周回を重ねていく。

メイン集団は終始、地元・宇都宮ブリッツェンがコントロール

リーダージャージを着る増田もコントロールに加わる

終盤に差し掛かると、ゴールを狙えるスプリンターが控える愛三工業レーシングチームやTEAM BRIDGESTONE Cyclingのメンバーも集団前方に上がり、メイン集団をペースアップしていく。集団はラスト1kmで、遂に逃げていた5名を捉えた。

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