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2021/04/10

P-Navi編集部

おおいたサイクルロードレース・レポート

おおいたサイクルロードレース・レポート

盤石の体制でリーダーを守るマトリックス パワータグは、ベテランのフランシスコ・マンセボ(マトリックス パワータグ)を中心にレースをコントロール。他チームの選手たちの動きをチェックしつぶしていくため、決定的な動きが生み出されないまま、レースは中盤へ。

前日に引き続き、集団をきっちりとコントロールするマトリックス パワータグ

40代となっても、圧倒的なオーラを放つフランシスコ・マンセボ(マトリックス パワータグ)。レース勘を活かし、完璧にレースをコントロールしていく

動きが生じたのは、集団が30名ほどまで絞られた14周回目。風間翔眞(シマノレーシング)と高木三千成(さいたまディレーブ)の2名が飛び出した。ここに小石祐馬(チーム右京)、今村駿介(チームブリヂストンサイクリング)、山本大喜、新城雄大(KINANCyclingTeam)、ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)の5名が合流する。高木は遅れてしまったが、6名の先頭集団が形成された。力のあるメンバーが揃う有力な逃げ集団だ。マトリックス パワータグがコントロールを始めたメイン集団と、この集団のタイム差は、約50秒まで広がった。
ところが、トリビオは自分のチームがコントロールするメイン集団の意向を受けてか、先頭交代にも加わらず、他のメンバーも意思疎通が取れないのか、足並みが揃わない。集団のペースが上がらないため、じわじわとメイン集団との差は縮まっていった。
吸収が見えてきたところで、小石がアタック。新城と山本もこれに反応、合流して3名で先頭を行くが、愛三工業レーシングチームも牽引に加わり、ペースアップしたメイン集団は、3名との差を詰めていく。ラスト3周、3名が吸収された。

抜け出した伊藤雅和(愛三工業レーシングチーム)、ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)が合流

ラスト2周のタイミングで伊藤雅和(愛三工業レーシングチーム)がアタック。ここに再びトリビオが反応し、2名で集団から先行する形になった。ラスト2km、阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)もここに合流。3名でのゴール勝負が見えてきた。

先行する2名に阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)が追いつき、駆け引きをしながら全力でゴールを目指す

ラスト100m、先行していたのはトリビオだった。この後ろに阿部が付くが、前に出ることはできず。トリビオはこのまま先頭を独走し、両手を力強く突き上げ、歓喜のガッツポーズで優勝を決めた。

トリビオが勝利をあげた

トリビオが、日本で走るのは8シーズン目。過去に4回Jプロツアーのリーダーを獲得しており、日本ではおなじみのトップレーサーだが、これが昨シーズンの初勝利になった。

ゴール勝負を展開した3名の表彰台

フィニッシュラインでは喜びを爆発させたトリビオは、チームメイトであるマンセボが巧みにレースをコントロールしてくれるために余裕ができ、集中して走れると、チームメイトへの感謝を語った。

リーダージャージを守ったキンテロ

マトリックス パワータグは、リーダーであるキンテロに加え、トリビオもこの勝利でポイントを獲得し、2位につける大前翔(愛三工業レーシングチーム)との差を13ポイントに詰めており、最終戦で2位へとジャンプアップできる可能性が高まった。上位を争っていた宇都宮ブリッツェンの増田が海外遠征に出て、最終戦も欠場が決まっているため、マトリックスがリーグ戦で1-2を勝ち取る可能性も出てきている。とはいえ、首位のキンテロと2位の大前とのポイント差は209。最終戦はもっともポイント配分の多いレース格付け「プラチナ」の経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップの2戦。優勝ポイントは900であり、まだまだ十分に挽回可能な点数である。

 

【結果】おおいたサイクルロードレース 100km
1位/ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ) 2時間16分18秒
2位/阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン) +0秒
3位/伊藤雅和(愛三工業レーシングチーム) +5秒
4位/レオネル・キンテロ(マトリックスパワータグ) +11秒
5位/大前翔(愛三工業レーシングチーム) +11秒
6位/阿曽圭佑(eNShare Racing Team) +11秒

【敢闘賞】
小石祐馬(TeamUKYO)

【中間スプリントポイント】
3周回完了時 山本元喜(KINAN Cycling Team)
6周回完了時 対象なし
15周回完了時 山本大喜(KINAN Cycling Team)

【Jプロツアーリーダー】
レオネル・キンテロ(マトリックスパワータグ)

【U23リーダー】
織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)

 

画像提供:一般社団法人 全日本実業団自転車競技連盟(JBCF)

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