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2021/06/18

Perfecta編集部

JCLロードレースツアー2021開幕戦レポート

JCLロードレースツアー2021開幕戦レポート

今年、サイクルロードレースの開催を通じ、地域創生を目指す新しいプロリーグ「三菱地所JCLロードレースツアー2021」が立ち上がった。開幕初年度となる今年は、リーグに地域密着を掲げ活動する9チームが登録した。栃木県真岡市を舞台とした「カンセキ真岡芳賀ロードレース大会」を初戦に3月27日、このツアーは幕を開けたのだった。

レースのスタートは、栃木県真岡市の井頭公園。栃木県はレースの開催実績も多く、レースが根付いている。これまでツール・ド・とちぎなどでレースが開催される際には、真岡はいつも多くの観客を集めてきたのだが、新型コロナウィルスの感染拡大を受け、残念ながら無観客での開催となった。コースでの観戦の代わりに、レースの様子はYouTubeで生配信された。


開会宣言をする片山右京チェアマン

開催に先立ち、このリーグの創設者であり、チェアマンでもある片山右京氏が挨拶に立ち、「自転車界にとって大きく新しい一日。地域密着の大会が日本中に広まる、あの日から始まったんだという歴史の 1 ページになる一日にしたい」 と開会宣言を行った。
このJCLロードツアーで競われるのは、それぞれのレースの成績に加え、4つのジャージと、チーム総合成績だ。
具体的には、レースの順位に応じて与えられるポイントの累計が首位の選手に贈られる総合リーダー「マイヨプリエ」(マイヨはジャージの意味)のほか、U23対象選手の中の総合首位「マイヨエスポワール」、さらには平坦レースのゴールとコース内の中間スプリントのポイント累計首位の選手に贈られるスプリントリーダー「マイヨラファール」、コース内の山岳賞などで獲得できる山岳ポイントの累計首位の選手に贈られる山岳リーダーと優勝回数で決まるチーム総合がある。ツアーには今年新しく誕生したチームも含まれており、新しい枠組みの中の、新しいスタートとなった。この日のレースは、芳賀町の田園地帯の公道をメインとした7.6km の周回を 20周する152kmに設定された。

いよいよスタート。すぐに各チームからアタックの掛け合いとなり、小さな先行グループの形成と集団による吸収が繰り返される、激しい展開に。4 周目についに横塚浩平(チーム右京 相模原)が単独で抜け出しに成功すると、内田宇海(ヴィクトワール広島)、持留叶汰郎(VC 福岡)が合流し、 3 人の逃げグループが形成された。メイン集団とのタイム差は2分30秒まで開く。


3名が抜け出し、逃げ集団を形成する

レースが折り返しを迎える10周目から、メイン集団がペースを上げ始めた。これがデビュー戦となる大分の新チームスパークルおおいたや、地元である栃木の那須ブラーゼンらがメイン集団をコントロールしていたが、同じく地元の宇都宮ブリッツェンも牽引に合流、ペースアップに加わった。


メイン集団は新生チームスパークルおおいたらがコントロール


コースは真岡市芳賀町の田園地帯を中心に設定された

メイン集団は13周目に先行していた3名を吸収、ここから、次の展開を狙い繰り出される激しいアタックの応酬となった。14 周目終了手前の上りで小石祐馬(チーム右京相模原) が単独で抜け出しを決めた。15 周目に入り、ここに東京五輪日本代表に内定している増田成幸と西村大輝(ともに宇都宮ブリッツェン)、トマ・ルバ(キナンサイクリングチー ム)、鈴木龍(レバンテフジ静岡)、石原悠希(チーム右京相模原)が加わり、6人の先頭集団を形成した。力のあるメンバーがそろった有力な集団だ。


6名の集団が形成され、ここから優勝者が出る展開に

ここに2名ずつ送り込んだブリッツェンと右京、鈴木龍というスプリンターを送り込んだレバンテにとっては好ましい展開となるが、送り込めなかったチームや、スプリント勝負となるとやや心もとないルバ1名となったキナンなどが追走を試みる。一時は7人の追走グループが作られたが、思惑がまとまらずメイン集団に吸収され、強力な逃げ集団は着々とタイム差を広げて行った。事実上、優勝争いは先頭6人に絞られた。


「負けられない」地元チームであり、6名の中に2名が入った宇都宮ブリッツェンにとっては最高の展開だ

ラスト1周、お互いの出方を伺い緊張感がみなぎる中、最初に動いたのは増田だった。キレのあるアタックを仕掛け、ぐんぐん加速していく。


タイムトライアルの全日本王者である増田成幸(宇都宮ブリッツェン)。飛び出すと、圧倒的な独走力で他の選手を引き離して行った

後に増田が語ったことによれば「自分が単独でも逃げ切れると確信できる位置で繰り出した」という冷静に勝算を考えた上での攻撃で、同集団内にチームメイトの西村という「もう1枚のカード」を持ち、たとえ追いつかれても次の展開を打ち出せるという安心感に支えられた渾身の一撃でもあった。

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