TOP > 自転車競技 > JCLロードレースツアー2021第5戦レポート

自転車競技

一覧へ戻る

自転車競技

2021/08/20

P-Navi編集部

JCLロードレースツアー2021第5戦レポート

JCLロードレースツアー2021第5戦レポート

国内ロードレースのプロリーグ「三菱地所JCLロードレースツアー2021」の今季第5戦「コーユーレンティアオートポリスロードレース」が8月8日、大分県日田市のオートポリスインターナショナルレーシングコースで開催された。

オートポリスは、2007年には全日本選手権、2013年にはインターハイに用いられるなど、ロードレースにも馴染みのあるサーキットである。07年のレースは深い霧の中の開催となり、サバイバルレースが展開された。今回も接近する台風の影響が現れ始めた中のスタートとなり、また、厳しいレースになることが予想された。

サーキットは標高800mの山肌に設けられており、前半が下り基調、後半が上り基調となるアップダウンコース。4.674kmのサーキットを25周する116.85kmで競われる。ラスト1kmからの500mは7%程度の勾配が続く。展開次第では集団が、大きくばらけることもあるだろう。


スタートラインに並ぶリーダージャージを着る選手たち(各カテゴリーの首位選手)

スタートラインには、各リーダージャージが並ぶ。個人総合のリーダー、イエロージャージとスプリント賞であるブルージャージを新城雄大 (キナンサイクリングチーム)が保持しており、ブルージャージは繰り上げで次点の小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)が着用。山岳賞であるレッドジャージは山本元喜(キナンサイクリングチーム)、新人賞のホワイトジャージは、本多晴飛(VC福岡)が着用する。


ホームチームとなるスパークルおおいたレーシングチームが最前列に並ぶ

地元チームであるスパークルおおいたレーシングチームを前列に迎え、レースがスタート。国際レース以外では通常は認められないチームカーの運用が認められ、華やかな隊列がサーキットを回ることになった。チームカーの運用に不慣れなチームも多く、実戦への訓練の場として、チームカーを走らせることになったのだという。


チームカーが連なり、サーキットには臨場感のある光景が広がった

東京五輪に日本代表として出場した増田成幸(宇都宮ブリッツェン)がリーグに復帰し、3月の開幕戦以来、久しぶりにレースを走ることになったことも注目を集めていた。スタート直後から雨が降り始め、一気に路面はウェットコンディションに。台風の影響を受け、雨は次第に強くなり、選手たちに容赦なく強く降りつける。


集団から抜け出したい選手たちのアタックが繰り返される。先頭は果敢に攻めた宮崎泰史(スパークルおおいたレーシングチーム)

悪天候にもかかわらず、レースは序盤から活性化し、激しいアタック合戦が展開された。地元を背負う宮崎泰史(スパークルおおいたレーシングチーム)らが繰り返しアタック。小さな逃げの発生と吸収を繰り返し、雨の中、選手たちの体力を奪っていくが、なかなか大きな動きが生まれない。
アップダウンが続くサーキットでは、上り区間も長く、展開の中で力を使い果たし、脱落していく選手が徐々に増えて行った。最初の周回賞が設定された 10 周目を前に集団は大きく割れ、23 人にまで絞られた。


次第に集団は絞り込まれていった

アタックと分裂、合流を繰り返し、先頭集団はさらに人数が削られていく。集団に残ったのはわずか 10名だった。ここには、那須ブラーゼン(谷順成)、宇都宮ブリツッエン(増田)チーム右京 相模原(石原悠希)、ヴィクトワール広島(阿曽圭佑)、スパークルおおいたレーシングチーム(孫崎大樹)と、5チームが1名ずつメンバーを残したが、唯一、キナンサイクリングチームは、ここに 5 人のメンバーを残していた。


単騎ながら、状況を打破するために攻撃し続けた増田成幸(宇都宮ブリッツェン)

圧倒的な数的有利の中、各選手が次々と攻撃を繰り返していく。増田が先頭に立ち、ペースアップを図るなど、対抗策を講じるが、5名で攻撃を繰り返すキナンに対し、一人では太刀打ちする術がない。ラスト3周、キナンは山本元喜、弟の大喜が連続してアタックを繰り出した。このカウンターで、ベテラン畑中勇介(キナンサイクリングチーム)が勝負勘を生かした絶妙なタイミングで飛び出す。キレのあるアタックは一発で決まり、このまま集団との差を開いていく。

12

ページの先頭へ

メニューを開く