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2021/10/12

P-Navi編集部

経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップ

経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップ

5周目に入ると、メイン集団は佐野と比護の追走を吸収し、先頭集団との差も3分20秒に縮めた。だが、その後先頭集団とメイン集団との差は再び開き始めてしまう。7周目には集団間のギャップは7分まで広がってしまった。メイン集団に差を縮めるようなペースアップが生まれる様子はなく、先頭集団の逃げ切りの可能性が高くなってきた。


単独で先行する草場啓吾(愛三工業レーシングチーム)。終始積極的な走りだった


追い上げを図るメイン集団。だが、人数も減り、スムースなペースアップができない

8周目、中間スプリントポイントを取りに動いた草場がそのまま単独先行し、後続に40秒ほどの差をつけた。草場は10周目まで先行を続けたが、この動きで集団のペースが上がり、影響で橋本と中村が遅れてしまった。TEAM BRIDGESTONE Cyclingも1名のみとなり、集団は6チームの6名の選手から構成される形になった。先頭集団の逃げ切りは濃厚となり、優勝争いはこの6名の中に絞り込まれてきた。


6名になった先頭集団。この集団の逃げ切りの可能性が濃厚となってきた

ラスト2周となる12周目、登り区間で沢田がアタック。これを草場が追い、さらに小森、冨尾も食らいつき、4名の集団が作られたところで最終周回に入った。


先頭集団は最終周回までに4名に絞り込まれた


最終周回の上りで再び渾身のアタックを繰り出した沢田時(TEAM BRIDGESTONE Cycling)

沢田は登り区間で再度アタック。10秒ほどの差をつけた。草場、小森、冨尾が追い、ラスト4km、ついに沢田を捉えた。再び4名となった集団は、そのままフィニッシュに向かう。抜け出しにくい下り基調のエリアであることを考えると、勝負を決するのは、4名のゴールスプリントになる可能性が高い。


沢田、小森(マトリックスパワータグ)とのスプリントに競り勝ち、雄叫びをあげる草場

ラスト1kmをこのままの構成で越え、スプリント勝負に臨むことになった。草場、沢田、小森が競り合う。この中から抜け出したのは、草場だった。草場は、Jプロツアー初優勝を、このビッグレースで手にすることになった。愛三工業レーシングチームにとっては、南魚沼クリテリウムに続く勝利。Jプロツアーで2連勝を飾ることになった。

注目された団体戦だが、7位に今村駿介、8位に山本哲央が入ったTEAM BRIDGESTONE Cyclingが首位となり、伝統の輪翔旗を獲得。5連覇のかかっていたマトリックスパワータグは2位。3位には、今シーズンからJプロツアーに参戦することになった鹿屋体育大学から派生したチーム、CIEL BLEU KANOYAが入った。


上位3名の表彰で笑顔を見せる草場と、沢田、小森。すばらしい戦いだった


団体優勝に輝き、輪翔旗を手にしたTEAM BRIDGESTONE Cycling

草場は、逃げ集団の中から勝者が出ることを確信し、勝ちを意識してふるまったという。4名全員が優勝をかけ、最後まで全力で競い合ったレースを「最後は気持ちの勝負になった」と振り返った。

「上りで一番踏めるのは自分」だと信じ、上りで仕掛けたという沢田は敢闘賞を受賞した。沢田は昨年度のシクロクロスの全日本チャンピオンであり、MTBのリーグ戦でも首位を経験しているオフロードのトップ選手だ。今レースで最後まで残り、2回自ら仕掛けるという積極的な姿勢を見せた。優勝を飾れなかった悔しさはあるものの、やり切ったという満足感が漂っていた。「また挑戦します」と語った。

草場が高得点を獲得したが、逆転にはいたらず、Jプロツアーリーダー、U23リーダーはそれぞれ、トリビオと山本哲央が守ることになった。

ここからレーススケジュールは密度の濃いものとなる。シーズン終盤戦、ここからどのような展開が待っているのだろうか。

※第1回JBCF南魚沼クリテリウム・レポート

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【結果】経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップ・南魚沼ロード JPT 156km
1位/草場啓吾(愛三工業レーシングチーム)4時間13分23秒
2位/沢田 時(TEAM BRIDGESTONE Cycling)+0秒
3位/小森亮平(マトリックスパワータグ)+2秒
4位/冨尾大地(CIEL BLEU KANOYA)+30秒
5位/小林弘幸(LEOMO Bellmare Racing Team)+4分11秒
6位/香山飛龍(弱虫ペダル サイクリングチーム)+4分11秒

【中間スプリント賞】
1回目/草場啓吾(愛三工業レーシングチーム)
2回目/小森亮平(マトリックスパワータグ)
3回目/草場啓吾(愛三工業レーシングチーム)

【敢闘賞】
沢田 時(TEAM BRIDGESTONE Cycling)

【Jプロツアーリーダー】
ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)

【U23リーダー】
山本哲央(TEAM BRIDGESTONE Cycling)

画像提供:一般社団法人 全日本実業団自転車競技連盟(JBCF)

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