新緑の榛名山ヒルクライムin高崎
群馬県の榛名山を駆け上がるヒルクライムレース「榛名山ヒルクライムin高崎」が5月22日に開催された。
新緑の榛名山の美しさと、地域の方々の歓迎ムードがリピーターを呼び、7000名を超える参加者を集める人気の高い大会だが、一昨年は新型コロナウィルス感染拡大の影響で中止され、昨年は、開催直前に感染状況が急激に悪化し、感染状態が好ましくない土地の方には参加自粛をお願いしての縮小開催となった。今年は参加人数の上限をかなり少なく設定し、前日開催のステージイベントや榛名湖のタイムトライアルレース、レース後の表彰式などは中止し、感染防止策を講じた上で、開催を実現させた。
2000名以上の参加者がヒルクライムを楽しんだ
地域の方々の歓迎がこの大会の最大の魅力。早朝にも関わらず、今年も多くの市民が沿道で応援してくれた
参加者の利便性を考えたサービスを提供しているのも、この大会の人気の秘訣だ。ゴール後の下山時は体が冷えるため、ヒルクライムでは、あらかじめゴール地点に向け、防寒具などを送ってから出走する。この大会では、前日にスタート地点に足を運ばずとも、高崎駅の特設会場でも出走手続きと、荷物預けを済ませることができる。高崎駅から無料シャトルバスが運行されるため、クルマがなくても、出走できる配慮も人気だ。
参加者全員に1000円の金券が贈られ、レース前後に地域での食事や買い物を楽しむことができるサービスも好評だ。参加者のメリットともに、地元のにぎわいに一役買っていることも、イベントが広く支持を得てきた理由のひとつであろう。
ゼッケンに金券が付いており、マップ掲載店舗で使用することができる
万全の準備を済ませて迎えた22日の朝だったが、深夜から降り始めた雨が、未明には本格的な降雨に変わり、参加者たちが移動を始める早朝の時点でも、まだ雨が降り続いていた。日中の天気予報は晴天を告げていたが、濡れた路面は滑りやすく、転倒のリスクも増える。何時に雨が上がるのか。参加者、スタッフともに、悶々と悩んだことだろう。実際に不慣れな参加者の中には、朝になって出走を取り止める決断をした方もいたようだ。
朝6時、選手たちの集合時刻を迎える頃には、雨が上がり、路面も乾き始めていた。気温は少し肌寒いが、走るにはちょうどいい気温。意を決して集まった参加者たちの表情は明るかった。
今年の出走は2000名あまり。メインとなる榛名湖コースでは距離にして16.1km(計測区間は147km)、平均斜度6%、標高差907mのコースを走る。ルートは榛名神社を越えたころから勾配が厳しくなり、最大斜度は14%。走りごたえのあるコースだ。といっても、榛名神社までの11.6kmのみを走る榛名神社コース、小学生からチャレンジできる6.7kmの初心者コースと、脚力と好みに合わせた3つのコースが用意されている。ビギナーカテゴリーは特に、地元の子供たちやファミリーの参加も多く、ママチャリやシェアサイクルで走る参加者も少なくない。まさに「誰でも」チャレンジできる条件が揃った大会なのだ。
スタートは混雑を避け、14のグループに分けて出走する。今年は姉妹都市、ポーランドのポズナン市から訪問団が来日しており、ゲストライダー2名も出走する。
ポーランドポズナン市の訪問団を歓迎する横断幕も掲げられた。市内の中心街にもフラッグが掲げられ、市を挙げての歓迎ムードが漂っていた
スタート地点の交通規制が始まり、第1スタートのエキスパートクラスがスタートラインについた。
ルートの安全を確認するサイクルポリス
まずは、選手前方から、群馬県警の自転車にまたがったサイクルポリスやパトカーが、走行の安全確保のために先行スタートした。
富岡賢治高崎市長がスターターを務めた
大会の開催を力強くサポートしてきた富岡賢治高崎市長が、例年通り、温かくも親近感が持てる挨拶で、会場をあたためた。いよいよスタートの時! まずは、精鋭、エキスパートの部が7時にスタート。気温や湿度も走りやすく、好記録を狙えそうな予感が漂っていた。
いよいよエキスパートの部がスタート
拍手を受けてスタートするポーランドからのゲストライダー
このあと、状況を見ながら、4~6分おきに1グループごとスタートしていく。グループ分けは自己申告の走力順になっているため、自分に合ったペースで気兼ねなく走れるよう配慮されていた。
笑顔でスタートして行く参加者
3年ぶりに2000人以上の参加者を集めての走行が実現し、一般参加者は、記録を狙いこむというより、皆で走る時間を楽しもう、という姿勢の方が多かったようだ。
※コースレコードも飛び出した!
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