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自転車競技

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2022/07/11

P-Navi編集部

絶景の中を駆ける!Mt.富士ヒルクライム

絶景の中を駆ける!Mt.富士ヒルクライム

そして、迎えたレース当日。早朝5時過ぎには続々と参加者がスタート会場である富士北麓公園に集まってきた。雨はこの頃には小降りになっており、天気予報によれば、午後からは晴天が望めるとのこと。
この日、最初のスタートグループとなるエキシビションレース参加選手と主催者選抜の面々のスタートは午前6時半。開会式終了後、102人がスタートし、ライブ中継も開始された。

エキシビションレース
エキシビションレース参加選手と主催者選抜組から構成される第1グループがスタート

主催者選抜は、昨年度や国内の主要レースの成績から判断し、主催者が参加を認めた「日本のヒルクライムのツワモノ」たち。富士ヒルで勝つことを年間の目標に掲げ、狙いを定めて仕上げて来ている参加者も少なくない。機材を含め、ヒルクライムに特化して仕上げたクライマーたちと、ヒルクライムを含め、オールラウンドにトップクラスのレースで戦う選手たちとのこの舞台での戦いの行方に注目が集まった。
一般のカテゴリーでは、計測開始地点をそれぞれの自転車が越えた瞬間から、フィニッシュまでを計るが、このグループのみ、トップの選手が通過した瞬間から時計が動き始めるため、スタートからすでにレースが始まっている緊張感が漂う。

池田隆人
ディフェンディングチャンピオンである池田隆人(TEAM ZWC)らが積極的に動く

スタートし、パレード区間の終点である胎内交差点を越える。計測開始地点過後、レースが始まった。早々にアタックがかけられ始める。ヒルクライムレースではあるが、勾配が比較的緩く、距離も長いため、ロードレースのような展開も生まれやすい。昨年の優勝者である池田隆人(TEAM ZWC)や前年2位の加藤大貴(COW GUMMA)らは、冒頭から積極的に動き、今年の大会に向けての気概を見せた。
抜け出そうという動きが生まれても、吸収されていく。昨年上位の2名はハイペースを刻み、冒頭からかなりのスピードで展開し、ついて来られない選手を振り落としにかかる。

富士ヒルクライムのレース
ペースが引き上げられ、長く伸びる集団。時間を追うごとにメンバーが減っていく

あっという間に、集団は20名ほどに絞り込まれた。なおもアタックがかかるが、吸収され、集団はペースが上り、長く一列に伸びていった。

富士ヒルクライムのレース
厳しい展開にメンバーが次々ふるい落とされていく

二合目を通過すると、再び加藤がペースアップを図った。この動きは決定的で、先頭は池田、真鍋晃(EMU SPEED CLUB)、板子佑士、久保田翔太郎(EMU SPEED CLUB)の5名に絞られる。ここから久保田が脱落し、集団は4名に。

富士ヒルクライムの先頭集団
先頭集団はついに4名に絞られる

四合目を通過する頃、また大きな動きが生まれた。ここまで先頭に出ることが多かった真鍋が、さらなるペースアップを始めたのだ。ディフェンディングチャンピオンである池田が堪えきれず、こぼれてしまう。板子も遅れ、先頭は真鍋と加藤の2名に絞られていった。
ラスト7kmで、真鍋が仕掛けた。後に、2名でゴール勝負となったときに競り勝つ自信がなかった、と語ったが、向かい風の中で、独走という賭けに出た。「一人になってからがキツかった」と振り返るが、真鍋はこのまま終盤の独走を続け、57分7秒という好タイムでフィニ
ッシュ。初優勝を飾ることになった。

富士ヒルクライムを制した真鍋晃選手
真鍋晃(EMU SPEED CLUB)が57分7秒で優勝

まだヒルクライムに本格参戦を始めて2年という真鍋だが、初挑戦した昨年の手応えがよく、今年は機材もウェアも補給もしっかりと狙い込み、トレーニングを積み、この大会に臨んだという。チャンピオンジャージを着て、初めて優勝の実感が沸いたと、笑顔で語った。

加藤は昨年大会に続き2位、池田は試走では55分台もマークしたというが、この日は悔しい3位に沈んだ。とはいえ、この激戦の中で、2年連続表彰台を確保するのは、非常に難しいことであり、努力の賜物だと言えよう。
注目された戦いの結果は、主催者選抜選手の上位9名が1時間を切り、国際レースでも活躍するプロライダーの最上位選手よりも速かった。照準をきっちり定め、準備し、狙い込んでくれば、プロをも打ち負かすハイレベルの戦いができる戦場があるということは、改めて、一般ライダーにとって、挑み甲斐のある価値のある参戦になると言えそうだ。
女子の主催者選抜は男子の2分後にスタートし、4名の集団で展開した。抜け出したテイヨウフウと追う佐野歩(Infinity Style)のスプリント勝負になり、佐野が先着。女王となった。

富士ヒルクライムの女子の主催者選抜
女子の主催者選抜は早々に4名の集団に

佐野歩
テイヨウフウとのスプリントに競り勝ち、女王の座を射止めたのは佐野歩(Infinity Style)だった

富士ヒルクライムの表彰式
表彰式を終え、トラックに集まった入賞者たち。清々しい笑顔を見せた

※自分のタイミングでスタート!
登り切った先で、待ち受けているのは……!?
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