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自転車競技

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2022/11/09

P-Navi編集部

おおいたいこいの道クリテリウム2022

おおいたいこいの道クリテリウム2022

だが、他チームもあっさり勝ちを譲るわけにはいかない。集団の先頭にスプリント勝負に持ち込みたいチームが上がり、本格的にペースアップを図り始めた。スプリンター小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)で勝負したい宇都宮ブリッツェンの赤いジャージが前方を固め、マトリックスパワータグとともに、強烈にペースアップを図った。
最終周回に入っても、なおも先頭を走り続ける山本大喜。残り1kmを切り、逃げ切れるのか、集団が吸収するのか、会場は、勝負の行方を見守る観客の熱気と緊張感で包まれた。
だが、悲劇が起きた。山本大喜がコーナーでまさかの転倒。勝利を逃してしまう。勝負は、スプリンターを引きペースアップしていく集団のスプリントに持ち越されることになった。
宇都宮ブリッツェンと、スプリンターたちで構成されるスパークルおおいたレーシングチームが前方に上がり、熾烈な位置取り合戦を展開する。

小野寺玲を引き上げ、最終局面に臨む宇都宮ブリッツェン
ゴールを狙うスプリンター小野寺玲を引き上げ、最終局面に臨む宇都宮ブリッツェン

群を抜いたスピードで走るこの2チームが前方に抜け、エーススプリンター沢田桂太郎を引き上げる孫崎大樹(以上スパークルおおいたレーシングチーム)と小野寺を引き上げる阿部嵩之(以上 宇都宮ブリッツェン)が、先頭に飛び出した形で最終コーナーを回った。
ラスト300m。ロングスプリントは、引き上げてきたアシストのもとを離れ、沢田と小野寺の一騎討ちに託された。トラック競技で全日本のタイトルも獲得してきた長身の沢田が繰り出す力強いスプリントが大きく伸び、小野寺を寄せつけることなく、先頭でフィニッシュラインを越えた。会場を埋める地元ファンの前で、堂々の優勝を果たしたのだった。

圧巻のロングスプリントでレースを制した沢田桂太郎(スパークルおおいたレーシングチーム)
沢田桂太郎(スパークルおおいたレーシングチーム)が圧巻のロングスプリントでレースを制した

 喜びに沸くスパークルおおいたレーシングチーム
喜びに沸くスパークルおおいたレーシングチーム

2位に小野寺、3位に山本哲央(TEAM BRIDGESTONE Cycling)が入った。

表彰台に上がる沢田、小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)、山本哲央(TEAM BRIDGESTONE Cycling)
コース上に設営された表彰台に上がる沢田、小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)、山本哲央(TEAM BRIDGESTONE Cycling)

沢田は「絶対に最後は(先行していた山本大喜が)捕まると信じていたので、自分の力を出し切るだけだった」と振り返る。終盤の展開は、過去に勝利した時と似たものだったため、リードアウトの孫崎とは「言葉も要らず、阿吽(あうん)の呼吸で」最後の勝負に臨んだ。孫崎は今季でチームを退団するという。地元であることと、孫崎への恩返しから、このコースでの勝利に懸ける沢田の思いは、なみなみならないものだったようだ。「昨年は勝てず、今年は絶対に勝たなくてはならないという思いだったので、優勝できて感無量です」と、プレッシャーから解放された笑顔で喜びを語った。

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【結果】おおいた いこいの道クリテリウム(40km)
1位/沢田桂太郎(スパークルおおいたレーシングチーム)54分26秒
2位/小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)
3位/山本哲央(チームブリヂストンサイクリング)
4位/フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ、スペイン)
5位/デクラン・トレザイス(ARAプロレーシング・サンシャインコースト、オーストラリア)

【周回賞】
LAP10/孫崎大樹(スパークルおおいたレーシングチーム)
LAP20/ライアン・カバナ(ヴィクトワール広島)
LAP30/山本大喜(キナンレーシングチーム)

画像提供: ジャパンサイクルリーグ(JCL)

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