TOP > 競輪 > 競輪ドキュメント第4回/鈴木奈央(静岡110期)

競輪

2018/04/27

Joe Shimajiri

競輪ドキュメント第4回/鈴木奈央(静岡110期)

競輪ドキュメント第4回/鈴木奈央(静岡110期)

「星陵は普通科・英数科・総合科があるんです。英数科と総合科は進学コース。私は普通科へ進みたかった、英数科と総合科は授業時間が1時間多い(1日当たり)から部活の時間も減っちゃうので。だけど、親が大学進学を希望していたので、英数科を受けたら……まさかで受かっちゃって!高校時代、勉強は本当に下の方でギリギリでしたね(苦笑)」
学業に関しては謙遜もあると思うが、高校時代、自転車競技に打ち込んだことは確かだった。同学年の部員は男子2名・女子2名で、前後の学年に女子部員はいなかったが、男子との差はあまり感じていなかった。

「実際にタイムを測ると差はあったんですけど。後ろに付かせて貰って、最後に追い込むくらいはいけました。男子と一緒に走らないと練習にならなかったですからね」
そして、小学〜中学時代から自転車に乗り込んでいた素地もあったのだろう。好成績を残す鈴木の名前は自転車競技界で瞬く間に広まり、強豪校(大学自転車競技部)から声もかかるようになる。ここでの選択肢、鈴木はこれまで以上に悩んだ。

「熱心に誘って下さった大学が多かったんです。静岡まで足を運んで説明していただいて」
自転車競技を続け、東京五輪に出たいというのが何よりの目標。しかも自転車競技は地元・静岡の伊豆ベロドロームで開催されることからも、鈴木の夢はさらに膨らむ。また、同時にガールズケイリンという道もあることに気付かされる。ただ、親の希望通りに大学を卒業してからだと、五輪の時に競輪学校在籍という逆算は新たな悩みの種に。そのように心が揺れ動いている高校3年の時、アジア選手権で加瀬加奈子(新潟102期)と同室になった。この頃の加瀬は競輪と競技を両立していて、鈴木の相談にも親身に乗ってくれたことで鈴木の気持ちは大きく前進する。
「高校を卒業して競輪学校へ。競輪選手になって、競輪と競技をシッカリ両立。ガールズグランプリと東京五輪を目指すことにしました」
穏やかな鈴木の口調が初めて語気が強いものになっている。当時の決心の強さを存分に伺い知ることができた。

ページの先頭へ

メニューを開く