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競輪

2024/08/26

岩井範一

近畿勢の快進撃

近畿勢の快進撃

古性優作の優勝で終わったG1・オールスター競輪。ファン投票1位での参加で、プレッシャーは相当にあったと思う。ドリームレースはどこか噛み合わなかったが、2走目以降はしっかり修正してきたように見えた。特に、準決勝が古性の真骨頂だった。窓場千加頼が先行。3番手に松浦悠士がいたが、北井佑季が捲ってくるとと、古性は張りながら、松浦をインに誘うようなテクニックを見せた。結局、松浦はインを突くのだが、古性が締めて万事休す。松浦を勝ち上がらせないための老獪なテクニックだった。

窓場千加頼
窓場千加頼(京都100期)選手

優勝した古性はもちろんだが、開催を通じて一番動きが良かったのは窓場だろう。これは衆目の一致するところでもある。オリオン賞こそ大敗を喫したが、そこから3連勝。それも逃げ切りが2度。決勝は東北4車、地元2車、眞杉匠が単騎の構成になった。窓場は東北勢の5番手から最終2コーナーで捲り、優勝かと思われたが、そこは古性。寸前でしっかり窓場を捕らえた。

窓場がこれだけ強くなったのは気持ちの持ち方だろう。知人の記者に聞いた話しだが、窓場はアマチュア時代は無敵。競輪学校に入校した当時は別格だったそうだ。ただ、そこからが長かった。能力を生かしきれず、気がつけば32歳。やっとG1に手が届くところまで来たというわけだ。脇本雄太、古性に加え、窓場も加わった近畿勢の快進撃は続きそうだ。


大勢のファンが詰めかけた平塚競輪場

大会の売り上げは目標の135億円を大幅に超える154億5641万400円。そして何より驚いたのは入場人員だ。6日間で4万4152人。4日目は台風の影響で交通網が麻痺して3341人だったが、初日は7000人、2日目、3日目は6000人を超え、5日目は8000人超、最終日は1万1233人と大台を超えた。猛暑の中、よくぞこれだけの人数がライブ観戦したかと思うと、まだまだこの業界も捨てたものではないと感じた。決勝の様子は、グランプリと同じような感覚になったのは言うまでもない。

元々、平塚競輪場は、屈指の集客力と売り上げを誇っていた。ファンに対するサービスも徹底しており、家族で1日中、楽しめるアミューズメントパークとしての機能を改めて実感した。もちろん、パリ五輪帰りの選手たちの頑張りもあったのも確かだ。女子オールスター競輪優勝の佐藤水菜は、平塚の隣り、茅ヶ崎市出身。多くの知人が応援に駆けつけたことであろう。太田海也は準決勝まで勝ち上がり、最終日は1着で締めた。勝った古性は別にして、窓場、新山、太田らに可能性を感じたオールスターであった。

Text/Norikazu Iwai

Photo/Perfecta navi編集部

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