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2020/04/08

P-Navi編集部

サイクリング屋久島(後編)

サイクリング屋久島(後編)

問題は、ずぶ濡れの身体で、このぬくぬくとした空間から脱出し、再スタートするのが非常に辛くなったこと。ここから、本格的な登坂が始まる。西部林道に突入するのだ。ここでゴールしたい思いを抑え、またバイクにまたがる。最後のエイドでは、“カレー”が待っている!

ほどなく、上りが始まった。世界遺産でもあるこの西部林道には、枝ぶりやうねる根が印象的な存在感の大きい木々が並んでいたり、苔むす巨大な岩が鎮座していたり、緑の岩壁の間を抜けたり、と、屋久島らしい空間が広がる。20kmほどに渡りアップダウンが続く走りごたえのある区間ではあるが、自転車で走ると、五感で味わえる要素が多く、感動も大きい。雨の影響で川の流量が増え、滝のように水しぶきを上げていたり、思わずバイクを停め、記念撮影をしたくなるようなスポットも。きついきついと言い合いながらも、参加者たちは雨だからこその景観も楽しみ、この区間を越えていった。

上りが始まった。幸いにも雨が弱まり、風向きも味方に

太古の空気を醸し出す自然の中を走る。雨に濡れた姿もやはり美しい

西部林道にはヤクシカの姿も

西部林道ではヤクザルに遭遇する参加者も

あちこちに川や滝が生まれていた。苔むす岩々の間を流れる光景の美しさに思わず立ち止まる

西部林道内にはドリンクエイドも用意された

西部林道を抜けると、大川の滝(おおこのたき)が待っている。88mもの落差がある、迫力を誇る滝だ。外周路から離れ、滝に向けて降っていくと、轟音に近い水音が聞こえてきた。見たことのない ドでかい滝が、あたりが煙るほどの水煙を上げている。
「うわー!!!」
皆、思わず声をあげる。この大雨で流量が増え、巨大な滝に成長していたのだ。こんな滝が日本に存在するとは。

巨大化した大川の滝。水しぶきすらうねりを上げる迫力に圧倒された

聞けば、この日の昼までは水量が増えすぎて、付近に近づくことも禁止される危険なレベルだったのだとか。清涼な空気を漂わせる、というより、風が起きるレベルの水流に圧倒されつつ、多くの参加者が貴重な眺めを楽しんだ。

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