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2021/10/27

P-Navi編集部

北海道北見ミントライド(前編)

北海道北見ミントライド(前編)

ここからは地中化したJR石北線の上に作られた緑地スペースを抜けていく。


紅葉が始まった緑地帯をゆく

今年は秋の訪れが早く、葉がかなり色づいていた。落ち葉を踏みしめ進む。想像していなかった秋の風景を早くも楽しめて、得をした気分だ。

続いてたどり着いたのは、「北見ハッカ通商株式会社」の本社だ。ペパーミントグリーンを基調とし、赤く「ハッカ油」と描かれたパッケージを見たことのない人は、今や稀だろう。百貨店などで扱われる日本で最も有名なハッカ製品を扱う会社なのだが、意外や意外、長い歴史を持つ会社ではないのだ。合成ハッカが台頭し、輸入自由化が導入され、北見のハッカ生産が衰退し、ハッカ工場が閉鎖された後に「ハッカの灯を消してはいけない」と設立された会社なのだという。だからこそ、いろいろな試みに挑戦ができるのだと合点がいった。


株式会社北見ハッカ通商本社に到着!白く気高く、まるで宮殿のよう

本社には白を基調とした美しいショールームが設営されている。扉を開けると、ハッカのすっきりとした香りに出迎えられる。胸の奥まで空気を吸い込みたくなる! 宮殿のような天井の高い真っ白なホールに足を踏み入れ、一同、ワクワクが止まらない。


白を基調としたショールーム。チョコミントを連想させる色使いの柱が印象的だ


製造ラインを見学。製品をパッケージに詰める工程のようだ

中にはハッカの歴史や、薄荷工場のミニチュアなどが展示され、ガラス越しに製品の瓶詰めなどの工程を見学することができる(ライン稼働は平日のみ)。
ガラスケースに入れて飾られていた白い氷のような物体が気になって眺めていると、業務推進室長の井家さんが「ハッカの結晶です」と教えてくれた。和ハッカやペパーミントからは、ハッカオイルの他、l(リットル)-メントールという清涼感の元になる物質が精製できるのだとか。l-メントールは、「結晶缶」を使って油を抜き、結晶化するらしい。「2年前の缶ですが、まだ香りがしますよ」と言われ、のぞき込んでみると、確かにハッカの香りが強く漂っている。力強さに感動する一同。


結晶缶の香りを嗅ぐ一同。2年前の物にもかかわらず、まだ強い清涼な香りが残っていた

井家さんが小瓶を持ってきてくれた。うち1本の蓋を開け、差し出した。「これ、『どこかなつかしい香り』って、皆さんがおっしゃるんです」。さっそく香りを嗅いでみると、どこかマイルドで、甘みを連想させる、なじみ深いハッカの香りがする。「昔の板ガムの香り?」「歯磨き粉?」と、口々に意見を語る。これは、お菓子や歯磨き粉にもよく使われている「スペアミント」とのこと。
さらに、残り2本の小瓶の蓋を開けてくれた。皆、ソムリエみたいな顔をして、香りを嗅ぎ分ける。一つ目は「JM」という和ハッカの一種。メントール成分は多いけれど、鋭くスッとするような風味はないのだとか。


井家さんが持ってきてくださったサンプルオイル。どれもまったく違う芳香が楽しめた

もう一つは、同じく和ハッカの「ほくと」。北見で作られた品種で、清涼な香りが特徴なのだそうだ。連想するハッカの香りよりは、マイルドであるように思う。
これまで和ハッカなるものの存在も意識したことはなかったのだが、香りがこれほどまでに異なるとは驚きだった。がぜん「ハッカ」に興味が湧いてきた一同。


最後はショッピング。チョコミントのクッキーやハッカの効いたフルーツキャンディーなど、ほしいものがいっぱい!

売店エリアは、食用にも使用可能なハッカ油や、カーリングのストーンパッケージのミントタブレット、チョコミントキャンディーなどなど、魅力的な商品が多々並んでおり、全員がそれぞれお買い上げ。満足感に包まれながら、この清涼なスペースを後にしたのだった。

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