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2022/01/15

P-Navi編集部

リバーサイドをつなぐサイクリングツアー

リバーサイドをつなぐサイクリングツアー

砂利区間を抜け、ゆったりと流れる川を望むエリアにたどり着いた。ここは渡船場で「小堀(おおほり)の渡し」なる渡船を利用し、対岸に渡るという。かつて利根川は大きく蛇行して流れていたが、水害が絶えず、改修工事を行い、現在の姿になった。この船着場の南側に三日月形の沼があるのだが、これはかつて蛇行していた利根川の名残なのだとか。この河川改修のために、利根川で分断されてしまった小堀地区の住民の交通のために、この渡船が誕生した。「小堀の渡し」の運航は1914年から始まっており、100年以上の歴史を持つ渡船ということになる。


船着場の上の丘で、ツアースタッフから渡船の歴史など説明を受ける参加者たち

ただし、現在の船は令和2年3月に就航した新しいもので、東京藝術大学美術学部長の日比野克彦氏が、市の鳥「かわせみ」にちなみ「カラフル」で、「水面に映ったときの輝き」をイメージして彩色したもの。現在は住民の足に加え、観光船としての役割も担うようになっている。この日はこのツアーのためだけに、特別に運航してくれることになっていた。

船の時間まで、このゆったりと時が流れる美しい場所で休憩をすることになった。一同におやつとして、つきたての串団子と、甘納豆と漬物の盛り合わせが配られた。早朝出発だったこともあり、甘いもののふるまいは嬉しかった。串団子は驚くほどやわらかく、とろけてしまいそう!甘納豆は大粒で、食べるのが惜しくなるほど。ひとつひとつが丁寧に仕込まれていて、塩気のある漬物が、甘納豆の風味を引き立てる。一同はしばし黙って、じっくりとひとつひとつの味わいを楽しんだのだった。


地元のおだんごが振る舞われた


栗や豆の甘納豆や漬物の盛り合わせ。甘さと塩気の組み合わせが絶妙!

美しい水辺で、記念撮影を楽しむ参加者も。それぞれがこの場で過ごす時間を楽しみ、渡船の到着を待つ。


水辺で記念撮影する参加者たち

ツアーのための特別船がやってきた。スタッフの方にいただいたチケットを渡し、自転車を押して、船に載せる。自転車は片側にまとめて置くスタイルのようで、係員とツアースタッフの皆さんが手早く自転車をまとめ、置いてくれた。いざ、出航!


船が到着し、船着場に自転車を押し歩く


ツアースタッフも手伝い、自転車を手際良く積み込んでいく

皆、思い思いの場所で乗船を楽しむ。2階に上がり、展望と風を楽しむもよし、室内に入り、ゆったり過ごしてもよし。キラキラ輝く川面は美しく、流れていく景色も新鮮だった。100年前は、どんな景観を眺めていたのだろう? 写真を撮りあうなどして、10分あまりの乗船時間は、あっという間に終わった。リフレッシュした笑顔で、自転車を受け取り、降りていく参加者たち。100年以上前から続く渡船の乗船を、新鮮な気持ちで楽しむことができた。


デッキに上り、乗船を楽しむ参加者たち

ここからはライドに戻ろう。取手市内を抜け、守谷方面に向かう。自然いっぱいの道を抜け、ゆったりと走る。時に視界が植物などに遮られた細い道もあり、この道はこの先、どこにつながっているのだろうかと、童心に返ったようにワクワクしながらルートを抜けて行く。この日のルートは川沿いのサイクリングコースや抜け道、住宅街などで繋がれており、一貫して、クルマ通りの少ない道で構成されていて、信号で止まることはほぼなかった。いったいどうやってこのルートを作り上げたのだろう? 神業とも言えるプロのルートだ。


また冒険の始まりだ!


「どうやって見つけたのか」と首を傾げてしまうようなルートが紡がれていく。この先に見える景色は?ワクワクが止まらない

一行は、次のスポットに到着! 到着した施設には「みずき野ひろば」と描かれていたが、ここで「ちばらき珈琲」なるこだわりのコーヒーが飲めるのだという。ハンドドリップで丁寧に淹れる種類のコーヒーで、ツアーのスタッフが先行し、先にコーヒーの準備を始めてくれていたそうだ。至れり尽くせりだ!


「みずき野ひろば」なる場所に到着。おいしいコーヒーが待っているらしい

外の広場に待機していると、男性がコーヒーを持って現れた。参加者は一人ずつ、温かいコーヒーを受け取る。「ちばらき珈琲」はラオスのコーヒーを知って欲しいという思いから、大学生が始めたコーヒー豆店とのこと。「ラオスのひとたちを幸せにしたい」という思いから始まり、フェアトレードのコーヒーなどを扱っているそうだ。


「ちばらき珈琲」を手に記念撮影

名前の由来は、主宰の男性が、キッチンカーで千葉と茨城を行き来しながらコーヒーを販売していたことからと言う。「まさに今日のライドと一緒ですね」と、ガイドの高橋さんが笑った。こだわりのコーヒーは、さっぱりとして飲みやすく、参加者たちは、マスターの思いを受け、カップを大切に抱え、丁寧に味わっていた。心を込めて生産されたものを、おいしく、ありがたくいただくことが、まさに持続可能な国際協力なのかもしれない。

「中に地域の特産品などもありますので、ぜひご覧ください」とスタッフの方からお声かけがあり、店内をのぞいてみると、野菜や加工品、スイーツやランチボックスなど、魅力的なものがそろっていた。お野菜は新鮮で、とても味が良いのだとか。地元の豊かな食生活が垣間見えたような気がした。

※サイクリングはお楽しみの最後の行程へ!続きは3ページ目→

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