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2022/06/04

P-Navi編集部

桜を求め、春のSakura Rolling Hillsへ

桜を求め、春のSakura Rolling Hillsへ

昨年の晩秋に「Sakura Rolling Hills」と名付けられた福島県の石川町と古殿町に延びる桜の美しい40kmほどのコースを走った。里山の風景がとても美しく、グルメも含め、魅力的だったこともあり、ルートのシンボルでもある桜の開花時期に走りたいという思いを強くした。その思いを共感したメンバーが再集結し、早くもこの春に「リベンジ」を叶えることになったのだ。

前回のライドの様子はこちら

少し説明すると、このコースは、福島(F)・茨城(I)・栃木(T)3県の那須岳・八溝山を中心とした県際地域と、阿武隈山系と八溝山系からなる阿武隈地域を合わせた「FIT阿武隈地域」が提案するモデルコースのひとつ。丘陵地帯を縫って走る形にはなるのだが、勾配がなだらかで、交通量も少なく、走りやすい。この土地特有のどこか懐かしさが漂う里山に加え、田園風景や森など心安らぐ景観の中を走るルートは、日本人のこころに響く。それだけに留まらず、海外のサイクリストたちの多くも、この「ニッポンの美しい田舎風景」に出合い、感動するそうだ。

「Sakura Rolling Hills」は母畑温泉の「八幡屋」というホテルからスタートする。コース沿線の地域には桜の名所が多く、一本桜から桜並木まで、さまざまな桜を愛でられるようにコースが設計されている。どの季節でも、四季折々の里山の美景を楽しめるのだが、やっぱり一度は、桜に染まったコースを見てみたいもの。今回は、この地域でツアーを行う「ライドエクスペリエンス」の山本徹也さんも加わって、春ライドが決行されることになった。
計画された日程は、4月9日。想定していたより早かったが、昨年は4月11日のライドで満開の桜に出合えたという。桜の開花日は早まっており「桜開花予想」の難しさは承知の上で、9日早朝、日帰り桜ライドに繰り出した。

集合時刻に「八幡屋」に到着すると、もう他のメンバーは着替えも終え、自転車をセットして談笑しながら待機していた。大慌てでライドの準備を進める。天気は最高で、気温はこの時期としてはやや高めだが、快適だ。まさに、自転車日和。


やる気に満ちたメンバーは八幡屋で準備を済ませ、すでに待機していた

山本さんが、この日はボランティア参加ながらもガイドの役割を果たし、ルートを説明してくれて、スタート。


桜に彩られた川沿いを走る

まずは、石川町の中心街方面に向かう。北須川沿いに自転車を走らせると、さっそくピンク色の花をつけた桜並木が現れた。川岸や道路沿いは黄緑色の若草で覆われており、走るとピンクと黄緑の春の色彩が目に飛び込んで来る。心が躍る眺めだ。このエリアでは桜の開花時期は「いしかわ桜谷スプリングフェスタ」と題し、桜のライトアップが施されているようだ。今目の前にある風景は鮮やかだが、ライトに照らされた幻想的な夜桜も美しいに違いない。

町役場を越え、先導していた山本さんが止まり、右手に視線を向ける。視線の先にある坂の上には、大きな風格のある桜が、満開の枝を広げ、やさしく立っていた。
あった! 高田桜だ。
皆、いっせいに自転車を押して急坂を上って行った。


美しい高田桜を前に、坂を駆け上がる


樹齢500年の高田桜。大きさも、美しさも、圧巻だ。フレームに入りきらない!

この桜は樹齢500年とも言われる巨樹で、高さは17m、幹の周りはなんと6m20cmにも達する名木だ。写真を撮ろうとしても、近くからではフレームに全体を収めることができないほど大きい。すぐ近くに民家もあり、地域の方々の生活の中に、この大きさの桜がしっくりと入り込んでいることが不思議に思えるが、今ここに生きているどの人間より、昔からここに立っていることを考えれば、しごく当たり前なのかもしれない。


少し濃いピンク色の「エドヒガン」。色味が濃いため、花ひとつひとつが際立って、華やかだ


展望スペースより。町内を一望することができる

高台に立つ高田桜のさらに上に展望スペースが設けられており、ここからは高田桜越しに町内の景観を楽しむことができる。圧巻の眺めだ。石川町には2000本もの桜があると言われており、開花する桜の品種の移り変わりも楽しめることだろう。ちなみに高田桜は「エドヒガン」という彼岸時期に咲く早咲きの桜。ソメイヨシノより少し濃いピンク色の花をつける。
名残惜しくも高田桜を後にし、石川町の中心街へ。ここで立ち寄るのは、今回も「お菓子のさかい」だ。

※スイーツでも、探し求めるのは「桜」!?
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