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2023/01/02

P-Navi編集部

プレイバック!走ってみっぺ南会津

プレイバック!走ってみっぺ南会津

少々ふくれた気がするお腹を気にしながら、一行は屏風岩へ。ダイナミックな岩壁が並び、澄んだ水がその間を流れる雄大なスポットで、シューズとソックスとを脱いで、子供のころに戻ったかのようにはしゃぐ参加者も多かった。


壮大な屏風岩


この環境、このシチュエーション、ついつい裸足になってしまう


ウェアだもん、濡れたってへっちゃら! 結局、裸足で遊ぶ

ここからは折り返し。あのトマトのエイドまで戻り、60キロコースの参加者は、スタート会場に向け、戻っていく。
エイドのプチシュークリームを食後のデザートとして楽しみ、100キロの参加者は、そのまま20キロほど直進、100キロの参加者は、T字型の右側、北のパートへ向かう。こちらには、「南郷スキー場」エイドが設定されている。
個人的には、エイド近くの道の駅の「トマトソフト」が大のお気に入り!余裕があったら、足を伸ばしたい。


今度はゴールに向かい、川に沿って走る

ここからは、一路フィニッシュへ。来た道を戻るのだが、行きと帰りとでは、景色の見え方も変わってくるから不思議だ。疲労がつもり、わずかな上りでもしっかり感じられて「行きにこんな下り(帰りは上りになる)あったっけ?」と首を傾げてしまうこともあった。
最後のエイドは、これも人気の蕎麦エイド! 山菜の乗った冷たい蕎麦が、疲れを癒してくれる。地面にぺたりと座り込んで食べている方も多いが、皆明るい笑顔であることはスタートから変わらない。


コシのよい蕎麦。このタイミングで出るこの蕎麦のすべてがちょうどよく、心地よい


蕎麦を味わう参加者

例年は、この辺りで、最後の登坂を思い、少し不安な表情を浮かべている方もいた。97km走ってきて、ラスト3km。長い上りを上るのは、確かに少しハードだ。勾配もそこそこきつく、おそらく一番厳しいところでは、10%程度あるだろう。過去には、一部のゲスト選手が往復し、背中を押してくれるシーンもあったが、新型コロナウイルスの感染拡大で、体に触れることもきびしくなり、自力での登坂が必須となっていた。ファミリー層や登坂が苦手な層にとっては、この最初の下りと最後の上りがある限り、現実的に、参加は難しい。

だが、今年は救世主「超MAXさぼってみっぺ」が新規に導入されたのだ! 中身はシンプルで、登坂を回避したい参加者と自転車とを、軽トラなどでフィニッシュまで運ぶというもの。最初は「そんな制度を作ったところで自転車乗りが利用するのか」という声も上がっていたが、蓋を開けてみれば、意外と利用に抵抗はなかったようで、大盛況。用意した数台のトラックはフル回転となり、順番待ちの列ができる時間帯も。地元のドライバーさんは「ずっと運んでいて、昼食も摂れないよ~」と笑顔で嘆いていた。


バイクを荷台に乗せてくださる地元の方


愛車を押さえるために荷台に乗り、坂を上がるのだが、これが最高に気持ちよく、楽しいらしい

利用者に聞けば、「苦痛の時間がなくなり、楽しいことばかりで終えられて嬉しかった」「トラックで坂を上るのも最高に楽しかった」と大好評。「自転車乗り=坂が好き」という通念もあるようだが、自転車を楽しむ人たちの好みやヨシとするものは千差万別。楽しむために乗っているのだから、楽しいことだけをしたっていいじゃないか。この最後のパートがなくなったために、思いっきり南会津を楽しむことができる人が増えた、ということは大きな収穫だろう。

来年は、行きのダウンヒルにも、この制度の導入が検討されているそうだ。体が温まっていない早朝に、いきなり下るのは怖いし、雪国特有の事情で、路面が荒れている部分もある。ブレーキをうまく使えないお子さんやビギナーなどは、長い下りは危険であり、安全を守り、誰もがこの機会を楽しめるようベストを尽くそう、というのも、参加者に寄り添う「走ってみっぺ」らしい姿勢だと感じる。


最後の登坂に臨む参加者。景観は美しく、上りゴールの達成感は大きい!


「あと少し」のところで参加者を応援する「ディアボロ(悪魔=欧州レースで有名な応援スタイル)」さん。自身は横にあるママチャリで走破している

ゴールでは、MCの方々がZARDの「負けないで」を熱唱し迎えてくれた。聞けば最初の参加者のゴールから、最後のライダーまで4時間以上歌い続けたという。皆が思わず笑ってしまい、笑顔でフィニッシュできる、ユニークなもてなしだった。恐るべし、走ってみっぺ。


マイクを持ち、明るく愉快に出迎えるゲスト


笑顔で次々フィニッシュ!

楽しみ尽くした参加者が、笑顔で次々と会場を後にしていき、フル開催としては3年ぶりの走ってみっぺは、幕を下ろした。おそらく、今年参加された方の多くは、来年もまた戻ってくるのではないだろうか。心地よく「ユルく」て、アットホームで、最高に楽しいサイクリングイベント。自分も、来年ここに戻ってきたい、と強く思った。

画像:走ってみっぺ南会津2022 (c)Naoki YASUOKA@Cyclowired、編集部

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