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2021/08/30

Nao Suzuki

鈴木奈央の「自転車ストーリー」Vol.3

鈴木奈央の「自転車ストーリー」Vol.3

こんにちは! 鈴木奈央です。
暑い日が続いていますが、みなさん、いかがお過ごしでしょうか? 私は朝早く起きて、涼しい時間に練習をして、昼間はできるだけ室内で過ごすようにしています。豪雨の日々が続いたことで、災害を受けた地域もあると知ってとても心配です。

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この前、東京五輪を見に行ってきました。私が目指していた自転車競技のチームパシュートの日(8月2日)を見てきたのですが、出場した8チーム、全ての国がナショナルレコードを出してきて、特にドイツチームはワールドレコードを6秒更新するという本当に素晴らしい結果でした。色々な思いが込み上げてきましたが、本当に鳥肌の立つ感動するものを見ることができて、私ももっと頑張らないといけないと強く思いました。人に感動を与えることのできる人は、本当に格好良く見えます。

東京五輪が終わり、パリ五輪まであと3年。
「パリ五輪を目指すの?」という質問をよくされますが、私はまず「一年、一年、その年の世界選手権を目標に頑張っていこう」「目の前の大会で良い成績を残せるように頑張ろう」という考え方をするようにしています。五輪でメダルを取りたいです!とメディアに対して発していた時は、まだそれがどれだけすごいことで、大変なことかが分っていませんでした。言わされていた感もあったと思います。五輪に出場することはもちろん、メダルを取った選手はとてつもない努力をしてきています。

私も東京五輪への出場を目指して練習していた時がありました。しかし、私の目指していたチームパシュートは8カ国しか出場することができず、その枠を獲得することができなかったのです。ワールドカップでメダルを取れた時や、アジア選手権で日本新記録を出した時は、とても嬉しく、楽しいと感じる瞬間もありましたが、それまでの練習では何度も心が折れそうで、何度ももうダメかもしれないと思いました。うまく走れないときは仲間と言い合いになったことさえ……。それでも五輪の出場枠を賭けて、仲間と励まし合いながら頑張ってきた日々は、今では私の財産です。出場枠を取れないと分かった時は、落ち込みました。すごくすごく落ち込み、数日間は何もできませんでした。この先どうしたらいいのだろうか。「次のパリ五輪を目指して頑張ります!」と、そんな簡単に言っていいのかな……と、今でもその答えが分からないままです。それでも今回、東京五輪を間近で見ることができ、ここの舞台で走ってみたいという気持ちは変わっていないなと感じることができました。出場したすべての選手が、メダルを取った、取らないは関係なく、とても輝いて見えました。私も人に感動を与えられる人間になりたいです。そのために、今日も努力し続けます。

次のレースは
9月15日からの川崎競輪(ミッドナイト)です!
ミッドナイト競輪は、普通開催に比べて体の調整が難しいですが、一つ、一つのレースを大切に頑張りたいと思います。優勝を目指して頑張りますので、応援よろしくお願いします!

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【過去のコラムはこちら】
鈴木奈央の「自転車ストーリー」
Vol.1
Vol.2

【略歴】

鈴木奈央(すずき・なお)

1997年2月9日生 静岡県出身

ガールズケイリンでは110期生(ガールズ5期生)として日本競輪学校(現:日本競輪選手養成所)に入り、在校1位の成績を上げる。2016年7月に静岡競輪場でデビュー。2戦目の平塚で初優勝を達成した。2021年6月現在、通算9回の優勝。
自転車競技では2017年11月にUCIトラックサイクリングワールドカップ第2戦(イギリス・マンチェスター)において女子チームパシュートに出場、同種目の日本初となる銅メダルを獲得した。

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