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2021/09/27

Yusaku Koshou

古性優作の「KOSHOW TIME!」Vol.4

古性優作の「KOSHOW TIME!」Vol.4

みなさん、こんにちは。競輪選手の大阪100期、古性優作です。
少し遅れてしまいましたが、まずはご報告いたします。

オールスター競輪で、G1初優勝することができました!
ファンの皆さんのおかげで、オリオン賞に選ばれ、自分もこんなレースを走れるんだと嬉しく思っていました。オリオン賞からスタートして、すごくリズムに乗れたと思います。改めて、ありがとうございました!

◆オールスター競輪の振り返り◆
オリオン賞は間違いなく勝ち上がりに有利ですし、寺崎浩平君、村上義弘さんと一緒に走れたということも大きかったと思います。レースでは寺崎君がとにかく強くて、1着でしたけど、「大丈夫かな?」と思うくらい、後ろに付いていてキツかったです。
2日目も間違いなく南潤君が頑張ったくれたおかげ。初日、2日目と番手のレースで勝ち上がりましたが、シャイニングスター賞は自力のレース。ここで、どれだけ良いレースができるかが大事かなと思っていました。凡走したら、後に繋がっていかないですし、番手を回った時だけ良い着だけという見られ方もしてしまいます。自力の時にどういうレースを見せられるかが問われていると思うので、シャイニングスター賞は緊張していました。

そして準決勝は新田祐大さん松井宏佑君との3分戦。2人ともナショナルチームですし、競輪界屈指のスピードを持っています。後手を回ったら、チャンスはないと思っていたら、打鐘で後手になりそうだったので、とっさの判断であの形になりました。ただ、自分にトップスピードが無いので、難しいレースになり、三谷竜生さん、村上博幸さんが後ろに付いてくれていたのに、外に仕掛けることができず、最後の追い込み勝負になってしまいました。自分は3着で決勝には乗れましたけど、全然喜べない準決勝でした。

◆決勝で脇本さんとの連携◆
僕は脇本さんがオールスターに出ないと思っていたので、五輪から中1日で参戦すると知って、「マジで、出るのかよ!」というのが本音でした。人間離れした、凄すぎる感覚です(笑)。決勝の並びも、すぐに決まりました。脇本さんとは多くを話さなくても、意思疎通ができています。気を付けていたことは、とにかく脇本さんとの連携を外さないこと。それを当たり前にしないと、脇本さんが安心して走れない。そのためにもここまで、脇本さんと対等に走れるくらいの自力をつけようと練習してきました。3年前のオールスターで離れてしまって、それからは脇本さんの番手で走ることをずっとイメージしていましたが、昨年の高松宮記念杯でそんなことを思っている場合ではないなと。自力で脇本さんと戦えるくらいの脚があれば、付いていくだけではなく、仕事もできる。まず、そこを目指そないといけないと考え方をシフトしました。自力で戦うために、一緒なものが無いくらい練習から全部を変えました。セッティングも、自転車の乗り方も変えて、今年の2月にさらに思い切り変えました。今の自分には、成績的にも守るものが無い。変えて失敗することの方が圧倒的に多いですけど、今のままでいるよりは、失敗した方が良い。そういう感覚でやるしかないという思いでした。

オールスターでは脇本さんも信頼してくれていましたし、ワンツーという一つの結果が出て、本当に嬉しかったです。決勝の前はもちろん緊張はしましたけど、前の日から展開と並びを色々と想定していました。新田さんが来るのも想定内、後ろに平原さんが来るのも想定内。決勝では自分が一番されたら嫌なことをしたいと思っていたので、レース中も「ああ、この展開か」とイメージ通りでした。新田さんを張ったら、佐藤慎太郎さんが平原さんのところに下りてきて、2人が僕の内に来る。その時、内外線間のうちを自分が走れば、内には来られないし、慎太郎さんのコースも潰せる。そう判断していました。ただ、脇本さんが道中から強すぎて、新田さんを張りにいったら僕は勝てなかったと思いますし、判断はできていましたけど、最後は僕もフォームがガシャガシャ。G1の決勝で脚が三角に回るというのは、このことなんだな!と思いました(笑)。

◆初のタイトルを獲得して◆
本当に脇本さんには感謝しかありません。まず、脇本さんと連携できたことが嬉しかったですし、タイトルを獲れて夢のような感じです。ただ、オールスターの決勝も今となっては一つのレースだった、という感覚にもなっています。脇本さんが五輪に行っていない間、自分が自力で近畿勢を引っ張っていけたら良いなと思っていましたが、全然できませんでした。これから、また気を引き締めて、脇本さんと一緒に近畿勢を盛り上げていけたら良いなと思っています。

◆村上義弘さんへの思い◆
村上義弘さんの存在も本当に大きいです。村上さんがいなかったら、近畿の選手としての心構えも分からず、僕はタイトルは獲れていなかったと思います。村上さんにはアドバイスを直接していただけることもありますが、何よりもレースが強烈。いくら口で言っても、レースでできていなかったらダメだと思いますし、基本的には「これがレースだ!」というものを背中で見せてくれます。すごく響きますし、それだけ自分の中での存在が大きすぎます。

◆KEIRINグランプリ、S級S班◆
出られなくて本当に悔しかった思いもありますし、自分の好きな音楽に、自分がグランプリすることを想像して、イメージしたりもしていたので、やっと決まったなと思いました。でも、ずっとグランプリが目の前にあるのに、自分の中での準備はできていません。S級S班になっても、1回だけではなく、ずっとS級S班でいたいと思っているので、これからが本当に大事だと思っています。「S級S班になったから責任感がある走りを」と言うよりは、近畿の先輩たちにずっと育てていただいたように、選手として責任感ある走りをする準備は、いつもずっとできています。走り自体は変わらず、もっと近畿の先輩たちを連れていけるような信頼関係が強くなるレースがしたいですね。これから近畿の時代を作れるくらい、もっと盛り上げていきたいです。

◆自分へのご褒美◆
オールスターで優勝してから、すごい数の連絡が来ていました。全ての人に連絡が取れたのでは?と思うくらい。本当にありがたかったです。ちなみに、優勝のご褒美として……脱毛器を買いました(笑)。ずっと脱毛サロンに通っていたんですけど、ちょうど終わってしまって。でもちょっと足の毛が残っていたので、5万円くらいしましたが買いました。使い心地も良いです(笑)。

◆これから◆
オールスター後は欠場が続きましたが、次は平塚記念に出場予定です。ファンの皆さんのおかげで、G1優勝をすることができましたので、もっともっと今より車券に貢献できるように頑張りたいと思いますので、これからも応援よろしくお願いします!

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【過去のコラムはこちら】
古性優作選手コラム「KOSHOW TIME!」
Vol.3
Vol.2
Vol.1

【略歴】

古性優作(こしょう・ゆうさく)

1991年2月22日生 大阪府出身

2006年から2008年までの3年連続で全日本BMX選手権大会を優勝。
2011年7月に第100期生として岸和田競輪場でデビュー。2014年11月松戸競輪場でS級初優勝すると、2016年12月には地元の岸和田記念でG3初優勝。さらに2021年7月の福井記念で通算6回目のG3優勝。そして8月のオールスター競輪で念願のG1初優勝を達成した。あらゆる展開に対応する変幻自在の走りが魅力。

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