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2021/12/31

Sakura Kimihara

恋して競輪ハンター

恋して競輪ハンター

恋して競輪ハンター 100 Hunting

今この記事を書いているのは2021年12月31日。大晦日。
苦し紛れの年末の掃除と洗濯をして、久しぶりにゆっくり自宅の湯舟に浸かって、松戸ミッドナイトフィナーレまでの時間を過ごしています。
昨日、KEIRINグランプリ2021の開催が終了しました。競輪の仕事を始めたのが2013年の夏。その翌年2014年以降、毎年グランプリは競輪場や放送スタジオで見ているのですが、今年は新たに開設された『mixiチャリロトSSスタジオ@TOKYO』でグランプリを放送しながらの観戦でした。
レースでは、大阪の古性優作選手が単騎で最終バックから捲りを打って、ゴール線を走り抜けた時は一同大興奮!! チャリレンジャー(チャリロトスポンサード選手)から初のグランプリ覇者誕生に全員が歓喜の声をあげていました。

今年のグランプリの狙い目を考えるとき、古性選手の心理をずっと考えていました。関東3車で先行が予想される中で、分断もあるのかどうか、気になっていた人も多いのではないでしょうか。捌いて取ったとして、優勝のチャンスがあるのか? でも、古性選手の持ち味のヨコ発揮も見たい。共同記者会見、個別インタビュー、古性選手のコラム等を読み漁ったりして、たくさん古性選手の立ち回りを想像しました。
結果は、関東ラインに乗って4番手から自力捲り。あんなにアレコレ考えたのに実にシンプルなレースでした。
しかし改めて思うと、このシンプルなレースにできたのは古性選手だったからこそ。前受けした郡司選手も、その位置をほしかったはずですが、ヨコも強い古性選手と取り合っては脚力をだいぶ消耗してしまう。そう思って下げた1車は大きかった。この判断をさせたのは古性選手のこれまでの競走で見せてきた捌きやヨコの動きがあるからだと感じました。
み、見える! 見せていないのに古性選手のヨコが見える! 感じる!
そう気づいた今、とんでもなくかっこいいレースを見せてもらったんだと感動しています。
この目で見た鮮やかな捲りと、見えてないのに見えた古性選手の持ち味。グランプリという大舞台で「競輪選手・古性優作」の強さを改めて全世界に知らしめたレースだったと思います。

競輪界のグランプリに向けた1年というのは、競輪のレースに似ている気がします。競輪は公営競技の中で唯一スタートを行かない(ダッシュしない)競技と言われていますが、誘導員の後ろで位置取りと周回を重ね、スピードアップしていくのは400バンクであれば残り2周から。打鐘、最終ホームと選手たちが仕掛け合い、そして最終バックからゴールまでは10数秒という一瞬のできごとです。
グランプリまでの1年も、2月のG1全日本選抜競輪で、まず1人目のタイトルホルダーが決まり、その後、5月の日本選手権競輪、6月の高松宮記念杯競輪と順々に出場権獲得と賞金の積み立てが行われ、オールスター競輪が終われば残り2周。寬仁親王牌を過ぎた頃には、もう打鐘といったところでしょうか。最後のG1競輪祭が終わり、メンバーが確定、共同記者会見での車番や並びが発表されてからは、もうあっという間。あっという間に始まって、あっという間にゴールしてしまう__。何年この業界にいても、この年末のスピードには、いまだだに慣れません。

そして、また激動の1年が始まります。
ぼやぼやして周回遅れにならないように、2022年も全力で競輪を楽しんでいきたいです!

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【「恋して競輪ハンター」過去コラムはこちら】
99Hunting「残そうと 思う気持ちが 交わされる」
98Hunting「心を射抜かれた諦めない競走」
97Hunting「阿部様の引退」
96Hunting「関東ラインの強さについて」
95Hunting「番手捲りに思うこと」
94Hunting「山口拳矢選手は競輪界の原始星」
93Hunting「車券購入は自己責任」
92Hunting「東口高配当流星群」
91Hunting「オールスターのワンツー決着」

【略歴】

木三原さくら(きみはら・さくら)

1989年3月28日生 岐阜県出身

2013年夏に松戸競輪場で
ニコニコ生放送チャリチャンのアシスタントとして競輪デビュー
以降、松戸競輪や平塚競輪のF1、F2を中心に
競輪を自腹購入しながら学んでいく
番組内では「競輪狂」と、呼ばれることもあるほど競輪にドはまり
好きな選手のタイプは徹底先行
好きな買い方は初手から展開を考えて、1着固定のフォーメーション
“おいしいワイド”を探すことも楽しみにしている

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