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2022/08/24

木三原さくら

恋して競輪ハンター

恋して競輪ハンター

木三原さくら「恋して競輪ハンター」115 Hunting

西武園競輪場で行われた『第65回オールスター競輪』は、福井の脇本雄太選手の完全優勝で幕を閉じました。
8月からチャリロトのスポンサード選手になって、最初のG1。力強く駆けぬけるワッキーの脇腹に、チャリロトのロゴが見えると何だか嬉しい気持ちになりました。隠れミッキーを見つけたような、四葉のクローバーを見つけたような、さりげない幸運をいちチャリロトユーザーとして感じていました。

しかし、今回の決勝戦の予想は難しかった! チャリロトの特設サイトで狙い目を掲載してもらいましたが、決勝メンバーが決まり、並びを知った後、2時間くらいは考察していたと思います。何にそんなに時間がかかったかと言うと、メンバーが決まった瞬間に思いついた狙い目を、2時間も疑っていたのです。脇本選手の前を、同県の後輩である寺崎選手が回り、グランプリ覇者の古性選手が3番手を固める。私の知る「近畿の競輪」ならば、寺崎選手の2周先行からの2段駆けで脇本選手の優勝が決まると思いました。
でも、それなのに、2時間も悩んだのです。
それは、脇本選手の強さゆえでした。競輪のライン競走は、互いの弱点を補い合い、強みを生かすためにあると私は考えています。最強の自力選手である脇本雄太が番手を回ることで、彼の弱点を補えるのか、さらに強みを生かせるのか、前の寺崎選手は、古性選手は……。回りくどい言い方をしていますが、競輪ファンのみなさんなら、わかってくれるでしょう。もっと簡単に言うと、脇本選手の位置を狙う選手がいるのか、また不発展開を作るにはどうしたらいいかを2時間考えていたわけです。
こんなにもわかりやすいレースでも、こんなにも悩んでしまうのが競輪ですね。選手を知っていけばいくほど、競輪を見れば見るほど、知識が増えて、いろんな展開を考えてしまう。
競輪ファンの性でしょうか。結果的に、特設サイトに掲載された狙い目は的中しました。しかし、松浦選手が内をすくって、寺崎選手の番手にいった時点で、私の展開はまるで外れ。2時間考えて、無いと読んだ展開がきて、私も残り2周で腰砕けです。でも、それなら無理やり狙った北日本のチャンスだ!と、穴予想の方で心の立て直しをはかったのですが、引ききった脇本選手が後方からすべてを捲り切っての優勝。
いや、結局、届くんかーい!と、その強さに、穴展開へと切り替えた気持ちも砕かれ、何がなんだか、脳内の処理が追い付かず、払戻を見ても、全く当たった実感はわきませんでした(苦笑)。

オールスター決勝の最終ホーム
オールスター決勝の最終HS。9・脇本選手は7番手から巻き返す

競輪のラインとは__。今でも、そのことを考えています。かつては中野浩一元選手に対抗するために、フラワーラインが誕生しました。強い相手に立ち向かう中で、ラインの構成や在り方も変わってきたはず。今、脇本雄太選手の存在が競輪界のラインや戦い方に変化を生む。そんな期待も私の中に生まれています。
レース後の各選手のコメントを読むと、優勝した脇本選手をはじめ、いろいろな選手が「技量不足」や「力不足」という言葉を発しているのを目にしました。勝った選手も、負けた選手も、それぞれに課題を持った今回の決勝戦。もう一度、同じメンバーで戦うというのはほぼ叶わないのが競輪ですが、このレースから、また選手が、そして競輪が、どんな風に進化していくのか楽しみです!
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【恋して競輪ハンター・過去コラム】
114Hunting「あとの祭~サマナイを振り返って」
113Hunting「吉田輪太郎のラストラン」
112Hunting「競輪イチ諦めの悪い車券」
111Hunting「日野未来の松戸優勝」
110Hunting「後悔のない車券購入を」
109Hunting「広島でコイコイマスター」
108Hunting「策士・小川真太郎」
107Hunting「競輪に恋して」
106Hunting「レースと重なる人生模様」
105Hunting「負けてる時の打開策」

【略歴】

木三原さくら(きみはら・さくら)

1989年3月28日生 岐阜県出身

2013年夏に松戸競輪場で
ニコニコ生放送チャリチャンのアシスタントとして競輪デビュー。
以降、松戸競輪や平塚競輪のF1、F2を中心に競輪を自腹購入しながら学んでいく。
番組内では「競輪狂」と、呼ばれることもあるほど競輪にドはまり。
好きな選手のタイプは徹底先行!
好きな買い方は初手から展開を考えて、1着固定のフォーメーション。
“おいしいワイド”を探すことも楽しみにしている。

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