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2022/10/19

岩井範一

寛仁親王牌の注目選手

寛仁親王牌の注目選手

G1第31回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメントが、20日から前橋競輪場で開催される。昨年は平原康多(埼玉)が優勝を飾り、久々の頂点に立った。年末、12月30日に神奈川県平塚競輪場で行われる「KEIRINグランプリ2022」の出場ラインも佳境に入ってきた大一番と言える。

現在、KEIRINグランプリの出場権を巡り、熾烈な争いが繰り広げられている。共同通信社杯を優勝した郡司浩平は、ランク5位でほぼ確定か。大激戦なのは6位以下だろう。6位の平原から9位の山田庸平までの差は約1,600万円。6位の平原と7位の守澤太志は7,000万円を超えているので、優位といえる。8位の清水裕友、9位の山田、そして10位の成田和也は、ここが勝負になるだろう。仮にノンタイトルの選手が、寛仁親王牌と競輪祭を優勝すれば、現在の8位、9位は権利が消滅することになる。

もちろん、優勝してグランプリに出ることが王道であり、選手は皆、そう思っているはずだ。平原にしても、ノンタイトルで出場するのはプライドが許さないであろう。それは、郡司も同じことだ。9月に優勝した共同通信社杯はG2で、タイトルではないからだ。今回の寛仁親王牌は脇本雄太が出場できない大会ならば、誰にでもチャンスはあると感じる。

新田祐大
新田祐大選手

その中で、筆者が優勝候補の筆頭に挙げるのは新田祐大だ。昨年の東京五輪ショックというのか、負傷もあり、長い間競輪を離れていた影響をいまだに感じる。ただ、底力は誰もが認めており、そろそろの感はある。だが、気になるのはドームバンクが新田に合っていないように感じる点だ。同じドームでも400バンクの小倉では競輪祭を優勝しているように問題ないと思うが、33バンクの前橋はどうも苦手にうつる。ただ、そこは気持ち一つだろう。前を取って引いては、巻き返すのが苦しくなる。新田レベルなら突っ張って、先行すれば勝てると思っている。実際にそれができるかどうかだろう。新田の次は、成田和也だ。以前にも書いたが、ここで最低でも準優勝なら、KEIRINグランプリへの当確ランプが灯るとみている。追い込みだけに、いかに勝ち上がりの段階をクリアできるかだ。ある程度、シビアに立ち回らないと難しくなるだろう。

荒井崇博
荒井崇博選手

ファン目線で考えると、荒井崇博にも頑張ってもらいたい。ここのところ元気はないが、それはKEIRINグランプリを意識した走りになっていたからであろう。賞金ランクは13位。普通に考えれば厳しい位置ではあるが、開き直って臨めば、逆にいい結果が残せるかもしれない。荒井のイメージは「ダイナミック」。そんな競走を見せてくれれば、チャンスは出てくるだろう。

いずれにしても、競輪祭を待つのではなく、ボーダー上の選手は、この寛仁親王牌で決めたいと思っているはずだ。時間の都合がつきそうなので、決勝は現地で観戦しようと思っている。

Text/Norikazu Iwai

Photo/Perfecta navi編集部

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