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2022/11/04

木三原さくら

恋して競輪ハンター

恋して競輪ハンター

木三原さくら「恋して競輪ハンター」120 Hunting

10月25日から松戸競輪で行われた『ガールズWトーナメント 第7回東京電設工業杯』。
そのタイトルの通り、二つのグループに分かれて行われたガールズケイリンは、114期の二人が優勝。日野未来選手はもちろんですが、日野選手をきっかけに、話すことも多かった佐藤水菜選手の優勝も、私にとって特別なものでした。競輪界での活躍、そして佐藤選手は世界へと活躍の場を広げています。どんどんと遠い存在になっていくような気がして、一抹の寂しさを感じることもありますが、それでも会えば、変わらない明るくてかわいらしい二人の優勝が、本当に嬉しかったです。

さて、その開催では、もちろん男子の競輪もありました。
A級1・2班戦を優勝したのは茨城の橋本壮史選手。完全優勝でした。
119期の橋本選手については、1年前に平塚競輪の前検日取材で初めてお話を聞かせてもらった時のことをよく覚えています。
話しかけると、スッと起こした背は高く、そして自然と手を前で組み、誠実そうな、優しそうな空気感をまとっていました。
「只者ではない……!」
そう、思いました(笑)。
聞くと、やはり社会人経験があるということで、納得の立ち姿。その時、具体的な前職は聞かなかったのですが、のちに取材記事で公務員だったと知りました。
その橋本選手は、松戸競輪を走るのは、今開催が初めてでしたが、3日間とても強い走り! 初日は突っ張り先行で、誰も寄せ付けない逃げ切り。2日目の準決勝では、初日特選メンバー相手に主導権取りに出ます。奈良の吉田篤史選手が巻き返しに来たのに合わせて踏んで、その吉田選手に番手に入られたものの振り切って逃げ切り連勝。最終日決勝は、逃げた吉田選手を5番手から捲りに行きます。松戸の捲りはハイリスク。最終2コーナーでは落車もあり、橋本選手はその落車を避けて大きく膨らみながらも、グングンと捲って行き、ゴール前で前をとらえての完全優勝を決めました! 3日間を通して強かった!

話を、初めて橋本選手のレースを見た平塚に戻しますが、当時は新人。チャレンジ決勝まで勝ち上がっていましたが、橋本選手のオッズ的評価はあまり高くありませんでした。しかし、いざレースとなると果敢な先行を見せて、波乱を起こします。結果、捲られて勝つことはできませんでしたが、あのレースを作ったのは間違いなく橋本選手でした。
あれから1年__。今となっては、当時戦った誰よりも競走得点を持っています。
駆けてよし、捲ってよしの橋本選手。このままいけば、今期はS級点も取れそうですよね。もちろん、今の勢いのまま、特別昇級をする可能性も十分ありそうです。

新人選手は毎年デビューしてきますが、その走りは、どんどんと進化していきます。こうして、1年前の記憶が一気にアップデートされる感覚がすきです。見逃した成長のドラマはダイジェストで追いかけましょ。そして、これからの進化はしっかりとリアルタイムで追いかけていきたい!
公務員から競輪選手への転身と言えば、三重の皿屋豊選手が有名ですが、安定を捨て、勝負の世界へ飛び込んだ橋本選手のこれからに期待しています!

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【恋して競輪ハンター・過去コラム】
119Hunting「それでもリングに立ち続ける」
118Hunting「三つ巴の徹底先行が生んだドラマ」
117Hunting「競輪人生10年目!」
116Hunting「ベテラン郡英治選手の走り」
115Hunting「2時間悩んだオールスター決勝」
114Hunting「あとの祭~サマナイを振り返って」
113Hunting「吉田輪太郎のラストラン」
112Hunting「競輪イチ諦めの悪い車券」
111Hunting「日野未来の松戸優勝」
110Hunting「後悔のない車券購入を」

【略歴】

木三原さくら(きみはら・さくら)

1989年3月28日生 岐阜県出身

2013年夏に松戸競輪場で
ニコニコ生放送チャリチャンのアシスタントとして競輪デビュー。
以降、松戸競輪や平塚競輪のF1、F2を中心に競輪を自腹購入しながら学んでいく。
番組内では「競輪狂」と、呼ばれることもあるほど競輪にドはまり。
好きな選手のタイプは徹底先行!
好きな買い方は初手から展開を考えて、1着固定のフォーメーション。
“おいしいワイド”を探すことも楽しみにしている。

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