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2023/01/18

木三原さくら

恋して競輪ハンター

恋して競輪ハンター

木三原さくら「恋して競輪ハンター」125 Hunting

皆さま、こんにちは! 木三原さくらです。
2023年も元旦から競輪三昧の日々を送っております。ただ、車券はリハビリの真っ最中。昨年末からの不調を引きずり、七転八倒する日々。10年目の冬、もう一度、自分のワクワクする車券の買い方を模索しております。

何度かこのコラムでも書いているかもしれませんが、競輪を買っていると、記憶と分析の重要性を感じます。一つのレースを見て、その選手の特性や調子を記憶し、次のレースに活かすべく分析する。しかし、年々、記憶力の低下を感じている私は、半年前の走りからアップデートされておらず、すでに調子を戻している選手の評価を下げたまま買わずに外す、ということもあるのです。
日々のレースに追われて(自分が勝手に好き勝手買っているだけですが)、記憶していくこと、分析していくことを疎かにしてはいけないなぁと反省して、しっかり選手の走りを見ようと決意した2023年。しかし、その中で、立ちはだかる存在がありました。

それは、S級S班の選手たち。

私のグレードレース初めは、1月12日から15日に行われた和歌山競輪「開設73周年記念和歌山グランプリ」。S級S班5人が出場の超豪華開催。残念ながら、初日に松浦悠士選手の欠場がありましたが、それでも脇本雄太選手、古性優作選手、新田祐大選手、守澤太志選手のS班に、力の違いを見せつけられるレースでした。
初日特選のメンバーはG1決勝さながらの好メンバー。逃げた深谷知広選手に、先捲りの新田選手、そして、それを越えていった脇本選手。他のレースとは別格な、異次元のレースを見て、今開催はとんでもないことになりそうだと、未知との遭遇の予感に、ジワッと冷や汗がにじみました。

その予感は的中し、連日S班の選手の走りは、恐ろしく強かった! 圧倒的パワーですべてをねじ伏せてしまう「すごい」とか「強い」という感想をこえて、「恐ろしい」とすら感じました。
強いと分かっていながらも、4日間、毎日その強さに驚き、新鮮な感動と興奮を感じて、S班の選手のレースを見た後は、いつも手が震えていました。異次元の強さに処理が追いつかず、負荷がかかりすぎたパソコンのように、脳内をクルクルと円が回っているようでした。S班の走りに大幅アップデートが続く毎日に、記憶と分析が追いつきません。ほんとに、ほんとに、こんなに強いってことがあるの? 同じ人間なのに? と、これまでの私の記憶や大前提が疑いをかけてくるのです。今までの記憶を打ち壊す、未曽有の強さを感じた4日間でした。


和歌山記念決勝の最終ホーム(撮影:パーフェクタナビ編集部)

特に、優勝した脇本選手の走りは、最高に最恐でした(もちろん褒め言葉)! 最強の選手と言われながら、2022年はS級1班で戦った脇本選手。悲願のKEIRINグランプリ優勝を達成し、1番車のチャンピオンユニフォームをまとって、その強さはさらに進化しているように感じます。まるで水を得た魚のような、正しい場所におさまった王者の走りは、生き生きしているようにも見えました。

2023年の戦いはまだ始まったばかりですが、これだけの強さを新年から見せつけられた競輪界は、どのような1年になっていくのでしょうか。ハイスペックな脳みそに入れ替えて戦えたらいいのに……と、思う気持ちもありますが、そうもいきませんので、10年もののこの脳で、今年も私は戦い抜いていきたいと思います!

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【恋して競輪ハンター・過去コラム】
124Hunting「泣けるオッズ」
123Hunting「清水裕友が好きだ!」
122Hunting「ヤケクソかヒラメキか」
121Hunting「記憶にとらわれ過ぎない競輪予想を」
120Hunting「新人選手を追いかける楽しみ」
119Hunting「それでもリングに立ち続ける」
118Hunting「三つ巴の徹底先行が生んだドラマ」
117Hunting「競輪人生10年目!」
116Hunting「ベテラン郡英治選手の走り」
115Hunting「2時間悩んだオールスター決勝」

【略歴】

木三原さくら(きみはら・さくら)

1989年3月28日生 岐阜県出身

2013年夏に松戸競輪場で
ニコニコ生放送チャリチャンのアシスタントとして競輪デビュー。
以降、松戸競輪や平塚競輪のF1、F2を中心に競輪を自腹購入しながら学んでいく。
番組内では「競輪狂」と、呼ばれることもあるほど競輪にドはまり。
好きな選手のタイプは徹底先行!
好きな買い方は初手から展開を考えて、1着固定のフォーメーション。
“おいしいワイド”を探すことも楽しみにしている。

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