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2023/02/27

岩井範一

村上義弘氏がコメンテーターに

村上義弘氏がコメンテーターに

昨年10月に引退した村上義弘氏が、競輪専門チャンネル「SPEEDチャンネル」の専属コメンテーターになった。これで、SPEEDチャンネルは内林久徳氏が専属解説者で、山口幸二氏、吉岡稔真氏、そして村上さんが専属コメンテーターとのこと。村上氏の加入で、解説陣の厚みが増したと思う。果たして、村上氏がどんな立ち位置で、コメントするのか。今から楽しみである。

今年に入ってから各地のG3でイベントに呼ばれている姿を目にする。報道によれば、昨年のKEIRINグランプリ2022は、金網越しに観戦したとのこと。普通に考えれば、どこからかパスをもらってもいいのだが、あえて、いちファンとして金網越しに声援を送ったという。脇本雄太と古性優作という近畿の後輩がワンツーを決めたのだから、最高の瞬間だったのだろう。さらに村上氏自身が「3番手を固めて走っているつもりで見ていた」とのこと。誰にも教えず、こっそりと金網越しに観戦するあたり、彼の人柄、実直な性格が伺えた。

引退した選手から解説者になれるのは、ひと握りである。スポーツ新聞の評論家になる例もあるが、これもまた狭き門であるらしい。ただ、個人的な意見だが、解説者と評論家は違うものだ。解説者は、そのレースについて解説、評論家は勝った選手、負けた選手についてコメントをする。ただ、最近は解説や評論より、「このレースの2車単は〇〇、3連単は〇〇〇」など、予想に重きを置いている感が否めない。予想をすること自体は悪くはない。しかし、あまりに的中して大喜びする姿をみると、引いてしまう時があるのは、筆者だけだろうか?

勝因についても、簡単にではなく、それこそスタートの位置から中盤、そして勝負どころまで詳しく聞きたいと思っているのだが、逃げた選手が強かったから番手で勝てたとか、前が先行争いになっていたから捲り頃になっていたとか、素人でも分かるようなコメントばかりの解説はいらないだろう。解説者、評論家と名乗るなら、プロとして詳しく、責任をもって、そして、分かりやすく説明してもらいたいと思っている。

自分の現役時代に置き換えて話すことはいいが、それも解説者、評論家によるところだろう。かなり年配の解説者・評論家が、自分の全盛期のことをもとに話しても、時代が違いすぎている。過去の栄光の話ではなく、欲しいものは、今の時代にマッチした解説と評論なのだ。
先程、勝因について書いたが、敗因の触れ方も面白くない。選手に気を遣っているのだろうが、きつく言う解説者・評論家は少ない。選手もプロである以上、きついことを言われるのは当たり前だろう。どこか「なあなあ」の関係になってきているような気がしてならない。
こういったことを含め、村上氏には独自の視点で解説をしてもらいたい。
魂の走りから、魂の解説へ__。期待したい。

Text/Norikazu Iwai

Photo/Perfecta navi編集部

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※掲載写真はイメージです。

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