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2023/04/21

木三原さくら

恋して競輪ハンター

恋して競輪ハンター

木三原さくら「恋して競輪ハンター」131 Hunting

4月5日から5日間の『チャリチャン10周年スペシャル』が、無事に終わりました。朝から晩まで16時間、車券を買い続けた5日間。ゲラゲラ笑って、みんなで競輪を楽しんだ、チャリチャンらしい過酷な企画となりました。
私のチャリチャンデビュー戦は、マークから。気持ちはそうでしたが、決まり手はつかなかったでしょう。初めての賭け事、初めての生放送、トーク番組。人見知りで、おしゃべりなタイプでもなく、間違いなく「向いていない案件」で、離れっぱなしの6時間。救われたのは、車券が当たったこと。「中部出身でドラゴンズファンなので」という理由で買った「龍・竜」が名前につく選手の3連複で、7千円の配当をゲット。これで波(というか調子)に乗りかけ、次は名前に「サン・三」が付く選手と言ったところで、おふざけもほどほどにね、という場の空気にビビり、訂正(今に思うと被害妄想だったかもしれません)。結果、それを買っていれば、連続的中でした。今、どのような買い目であろうと否定しないようにしているのは、この時の体験があったからでしょう。

私は、番組開始から半年経ってから、出演を始めたのですが、たった半年であっても、その遅れは常に感じていました。当時、A主さんと話すことはほぼなかったので、MCのみあさんやC主さんに教えてもらいました。平塚から東海道線に乗って、都内に帰る1時間。今日はどうでした? あの時、どうしたらよかったですか? こうしたら、もっとやりやすいですか? と、反省会に付き合ってもらいました。C主さんが「あの時間が苦痛……」と、上司のB主さんに漏らしていたことを知ったのは、数年前。申し訳なさと共に、それでも嫌な顔せずに、つきあってくださっていたことに、感謝しかありません。
みあさんはカリスマ的自力のある方で、仕事に対して、厳しくたくさんのことを教わりました。でも、オフは気さくで、私が行けなかったチャリチャン初の競輪祭の現地放送の夜に電話してくれたり、山もりのお土産を買ってきてくださったり、一緒に朝から川崎競輪に付き合ってくれたり、優しい方でした。みあさんが楽しく競輪を買えるために、そう思って徹底マークを磨いた月日でした。MCになってからも、それは変わらず、競輪を通して共演の方の魅力を発見できること、その人の笑顔を通して競輪の魅力を伝えられることが、私の喜びでした。6時間台本なしの生放送は、合う、合わないも出ますし、イラッとしてしまうこともありますが、忘れてはいけない原点はここだなあと、今、改めて思います。師である長谷川満さんに、「ゲストさんに最後、楽しかったと思ってもらうのがMCの仕事」ということも教わりました。

そして、もうひとつ欠かせない存在だったのは、リスナーさん。困ってそうだと思ったら、コメントで支えてくれたり、出演者そっちのけでコメントであそんでいたり、コメントがチャリチャンを作ってくれました。この10年で会えた人もいれば、会えなくなった人もいます。私はずっとここにいるので、離れていかれると寂しい気持ちになります。実はきっとみんなが思っている以上に、みんなに執着しています(笑)。でも、私から会いに行くことはできないので、いろいろな競輪場、いろいろな選手をきっかけに、みんなのことを思い出します。本名も知らない、何をしている人かも知らない。それでも、競輪がある限り、みんなは、きっと元気に、どこかで車券を買って楽しんでいて、私たちは繋がってる__。そう思って、生きています。チャリチャンで、キャッキャしていたことが、黒歴史になっていたっていい。元気に生きていてください。思い出して、フラッと戻ってくるのも大歓迎です。

チャリチャンが10周年を迎えて、私個人も34年の人生のおよそ3分の1が、チャリチャン、競輪になります。一つの出会いも欠かすことができないものでした。
相変わらず派手さはないですが、競輪愛と感謝の気持ちを持って、競輪界の片隅で、しぶとく11年目も、ひたすらに自腹投票で競輪を楽しんでいきたいと思います!

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【恋して競輪ハンター・過去コラム】
130Hunting「勝負の気配」
129Hunting「平塚の春よ来い!」
128Hunting「新人でなくなる前に」
127Hunting「10年目の奈良記念」
126Hunting「脱タテ目!」
125Hunting「最恐の走りに震えた和歌山記念」
124Hunting「泣けるオッズ」
123Hunting「清水裕友が好きだ!」
122Hunting「ヤケクソかヒラメキか」
121Hunting「記憶にとらわれ過ぎない競輪予想を」

【略歴】

木三原さくら(きみはら・さくら)

1989年3月28日生 岐阜県出身

2013年夏に松戸競輪場で
ニコニコ生放送チャリチャンのアシスタントとして競輪デビュー。
以降、松戸競輪や平塚競輪のF1、F2を中心に競輪を自腹購入しながら学んでいく。
番組内では「競輪狂」と、呼ばれることもあるほど競輪にドはまり。
好きな選手のタイプは徹底先行!
好きな買い方は初手から展開を考えて、1着固定のフォーメーション。
“おいしいワイド”を探すことも楽しみにしている。

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