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2021/06/20

P-Navi編集部

JCLロードレースツアー2021第2戦レポート

JCLロードレースツアー2021第2戦レポート

今年新しく誕生したサイクルロードレースの新リーグ「三菱地所JCLロードレースツアー2021」。栃木県真岡市で開催された初戦の翌日、3月28日に同県内の宇都宮市清原工業団地内の特設コースを舞台に第2戦となる「カンセキ宇都宮清原クリテリウム」が開催された。

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クリテリウムとは、小周回のコースで開催されるレースのこと。今回のコースはT字型に設定され、1周の距離は2.3km。だが、この小周回の中に、直角コーナーが2箇所、180 度コーナーは3箇所含まれている。観戦客にとっては、走る選手を何回も見られ、さらに減速を強いられるコーナーはシャッターチャンスでもあるので、楽しめるコースなのだが、選手にとっては、コーナーごとに減速と加速を強いられ、しかもそれがかなり頻繁に現れることになる。平坦でありながらも、神経を使い、再加速のダメージがじわじわと脚に来る「たやすくはない」コースという印象を持つ選手は少なくないだろう。


出走サインをするリーダージャージ姿の増田成幸(宇都宮ブリッツェン)

この日のレースは 23 周回= 計50.6kmの設定で競われるが、トータルのコーナー数は100以上。このツアーでは、1レースの出走選手数は54人に絞られてはいるが、このコーナーの多いコースをいかに走るかが、大きな鍵を握ることになりそうだ。
このコースを使用したレースは過去に何回も開催されており、多くの出店ブースが並び、各地から観客が訪れ、にぎわう光景が定番だった。しかし、今年も新型コロナウィルス感染拡大防止のため、観戦の自粛が要請されており、歓声のない会場でレースが開催されることになった。


スタートラインに並ぶ選手たち。雨と風が激しくなり、波乱を予想させた


無観客ではあるが、地元の子供たちのチアリーディングがスタートを盛り上げた

朝から降っていた雨だけでなく、風も強まり、スタートを迎える頃には、嵐のような状況に。だが、宇都宮を本拠地とし、特にこのレースには絶対的な強さを誇ってきた宇都宮ブリッツェンは最前列に並び、強い闘志を見せる。個人総合首位を示す黄色いリーダージャージを着るのは増田成幸(宇都宮ブリッツェン)。今年も、ブリッツェンのレースになるのだろうか。
悪天候下の難しいコースでありながらも、選手たちのモチベーションは高かった。距離の短いクリテリウムであり、強力なスプリンターを有するチームはゴール勝負へ持ち込めば有利だが、スプリント勝負に分がないチームは、レースを揺さぶり、人数を絞り込んで少人数での勝負に持ち込まなければ勝機がない。厳しい展開に持ち込みたいチームが、攻撃を繰り返し、レースはスタートからトップスピードに。


180度コーナーを慎重に回る選手たち

だが、3周目のコーナーで複数の選手がダメージを負う落車(転倒)が発生。有力視されていたスプリンター黒枝士揮(スパークルおおいたレーシングチーム)がダメージを負ってしまう。同チーム キャプテンの黒枝咲哉(スパークルおおいたレーシングチーム)も序盤でリタイヤし、多くのスプリンターを抱えるスパークルおおいたは強力な優勝候補だったが、一気に形勢が厳しくなってしまった。
レースは、有利な展開に持ち込むべく攻撃を繰り返すチームと、スプリントに持ち込むべく、攻撃をつぶしていくチームの攻防戦で膠着し、なかなか新しい展開が生まれない。


鈴木龍(レバンテフジ静岡、山本元喜・大喜兄弟(キナンサイクリングチーム)の逃げが決まる

ようやく9周目になって、スプリンター鈴木龍(レバンテフジ静岡)のアタックが決まり、ここに元全日本チャンピオンである山本元喜とアジア選手権(U23)で優勝経験を持つ弟の大喜(キナンサイクリングチーム)が合流した。強力なメンバーにこのまま行くかと思いきや、小坂光(宇都宮ブリッツェン)、宇賀隆貴(チーム右京相模原)がすかさずここに待ったをかけた。メイン集団を待ちたい小坂が入り込んだために、集団は協調できず、ペースが上がらない。


先行していた3名に小坂光(宇都宮ブリッツェン)、宇賀隆貴(チーム右京相模原)らが合流、足並みが揃わなくなる


メイン集団は増田を先頭にペースアップ、先行する集団を飲み込んだ

増田らがひくメイン集団がペースアップし、この逃げを飲み込んむ。そして11周目、レースは振り出しに戻った。

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