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2023/02/08

P-Navi編集部

シクロクロス全日本選手権2023(女子)

シクロクロス全日本選手権2023(女子)

愛知県稲沢市の「ワイルドネイチャープラザ」に設営された特設コースで、シクロクロスの全日本選手権が1月15日に開催された。例年は12月に開催されており、シーズンも終盤の1月に全日本選手権が開催されることは稀である。この時期の変化が、各選手にとっては、どう機能するのか注目された。

※シクロクロス全日本選手権2023(男子)のレポートはこちら

ワイルドネイチャープラザのコースといえば、砂。シクロクロスでは、サーキット内に舗装道路や草地、泥、林間など、多様なフィールドを盛り込むのが常であるが、障害物など、降車してクリアする想定のセクションも含まれる。このコースで使用される公園の正式名称は「国営木曽三川公園ワイルドネイチャープラザ」。木曽川独特の河岸砂丘「祖父江砂丘」を生かして建設された公園である。この河岸砂丘を生かし、コース内には、テクニックを要する起伏のある砂セクションが含まれているのだ。全日本選手権でこのコースを使用するのは、今回が初めてとなる。


スタート後、長いホームストレートを走る選手

ホームストレートが他のコースと比べると長く、砂セクションは下り基調。コーナーも多く含まれてはいるが、比較的直線区間が長く、砂を走破できるエリートカテゴリーなどでは、ハイスピードのレースになることが予想された。コース1周は2.6kmに設定されている。


当日使用されたコース。長いホームストレートと砂セクションが特徴だ(出典:東海シクロクロス大会サイトより)

選手権の1日目は、マスターズのレースとシングルスピード(変速のない自転車)の選手権レースが開催された。
そして、迎えた2日目。午前中には、ジュニア、U15、U17、そして午後からいよいよ注目の男女エリートのレースが開催された。今季から「JCF(日本自転車競技連盟)シクロクロスランキング」が設定され、このランクが全日本選手権出場の条件となり、指定の3レースを走れなかった選手たちは、出場権が得られなかったため、例年より出走数が少なく、コンパクトなレースとなった。この日は好天に恵まれ、路面は完全なドライ。砂セクションにも、完全に乾いた砂が待ち受けていた。
女子エリートは、13時10分スタート。スタート時刻が近づくと、参戦する25名の選手が、緊張した表情で集結してきた。


スタートラインに並ぶ女子エリートの選手

今年の本命は今期勝利を量産している小川咲絵(AX cyclocross team)だ。どのような路面でも圧倒的な強さを見せ、テクニックとパワーのバランスの取れた力を見せている。今季のJCXランキングでは首位を走り、世界選手権への出場も決定しており、選手間では抜きんでた実力を見せている。
ディフェンディングチャンピオンは渡部春雅(明治大学)。今季も勝利を挙げているが、過去の同会場でのレースでは、砂区間に苦戦した経験もあり、この日の仕上がり次第というところか。また、急成長を見せている小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)は、今季、MTB(クロスカントリー)の全日本選手権、アジア選手権、ロードの全日本選手権(すべてU23)でも優勝を遂げ、「ここ一番」という重要な大会での強さを見せており、シクロクロスでも戴冠の可能性は十分にあるだろう。今季表彰台によく姿を見せている石田唯、大蔵こころ(早稲田大学)も注目だ。

ついに、スタートの号砲が鳴った。いっせいに25名の選手が飛び出していく。ハイスピードコースであり、さらに林間のエリアでは追い抜きが難しい。スタートダッシュは非常に重要だ。


ロケットスタートで先行した渡部春雅(明治大学)

弾丸のようなスタートを見せたのは渡部。ロードとポイントレースでも結果を残している脚を活かして、連覇に向けてのロケットスタートを繰り出した。渡部は一気にタイム差を築き、先頭を独走する。小川、小林、石田が追走集団を作り、そ
の後ろを走った。
今季卓越したスピードとパワーを見せている小川は、落ち着いて先頭の渡部を追う。じわじわと、その差を詰めると、1周目の砂セクションで、早くも小川は渡部に迫った。


砂セクションで早くも渡部に迫る小川咲絵(AX cyclocross team )

ここで、追走していた小林、石田も合流、先頭集団は4名になり、レースは振り出しに戻る。


小川、渡部に小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)、石田唯(早稲田大学)が合流、4名の集団を作った

砂セクションを終え、平坦区間に差し掛かると小川がアタック。一気に加速し、3名を振り切ると、早くも独走態勢に入った。


3名を引き離し、独走態勢に入る小川

先頭で快走する小川は、誰よりも速く、コースを駆け抜ける。経験を生かし、冷静にペダルを回し、ミスなく走る小川に対し、追う選手たちの間には、焦りもあり、ミスが出たという。差は少しずつ開いて行った。

※リードを広げる小川選手。優勝争いの行方は……!?

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