郡司浩平

郡司浩平

神奈川 99期
読売新聞社杯全日本選抜競輪 優勝

  • 『打倒SS!1カ月半の逆襲』

    陥落という言葉に、マイナスイメージは大きい。
    それも、2020年から4年間、守り続けてきたS級S班からの陥落となれば、なおさらだ。郡司浩平にとって、2023年は不運が続いた。5月平塚の日本選手権で落車し、右肩甲骨骨折。戦列に復帰した6月高松宮記念杯では決勝進出(7着)を果たしたものの、その後はビッグレースのファイナリストに名を連ねることができなかった。勝ち続けることでしか見えない景色はあるが、逃したからこそ、気づくこともある。2023年の競輪祭でグランプリ出場が叶わなかった瞬間から、郡司浩平の逆襲は始まっていた。

    競輪祭のあとは、年内の競走を欠場。2024年1月からレーサーパンツの色は、9人しか許されない赤から、黒に変わる。今までの自分を一度立ち止まって見つめ直し、「打倒S級S班」を早々に掲げ、最強の刺客となるよう牙を研いだ。今まで知らずのうちに重荷となっていたSSのプレッシャーからも解放され、「楽というより、強い気持ちになった」ことも大きかった。

    2024年は1月の岸和田F1で完全優勝すると、次の地元・川崎競輪G3でも優勝と好スタート。勢いそのままに今年最初のG1、2月の全日本選抜競輪に向かうと、決勝では北井佑季の番手から直線で鋭く抜け出し、3年ぶり3回目のG1制覇を達成。「しっかり気持ちを入れ直すことができた」と、SS陥落から50日での復権。まさに最速の逆襲劇が、ここに完遂した。

    「自分の力だけではない。ラインに助けられた優勝だった」と振り返るように、北井佑季の快進撃、深谷知広の移籍、そして松井宏佑ら後輩の躍進__。すべてが噛み合ってきた南関東勢に起こる化学反応は、もちろん偶然ではない。どんなに不利な局面でも、南関東のエースとして、他地区の自力選手と対峙し続けてきた郡司の走りによって、基盤が築かれてきたからこそ、だ。
    奇遇だが、2021年も2月の全日本選抜を優勝するルートで、静岡グランプリに出場(3着)を果たしている。一枚目のグランプリ切符を手にして挑む頂上決戦には「メリットとデメリットがある」と唱えるが、今年旋風を起こしている南関東勢にとって、地元地区のグランプリに、必ずや追い風が吹くはずだろう。神奈川初のGPウィナー誕生なるか__。逆襲劇は、まだまだ続く。

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