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2023/02/09

P-Navi編集部

シクロクロス全日本選手権2023(男子)

シクロクロス全日本選手権2023(男子)

織田はこの日、最速のラップタイムで先頭を独走。4周目に入る頃には、沢田との差も30秒近く開いていた。


リードを広げる織田

沢田も懸命に走るが、先頭との差を埋めることができない。レース中盤から雨が降り始め、路面状態を大きく変えるほどの雨ではなかったが、気温が下がり始めた。


沢田も全力で追うが、織田との差を詰めることができなかった


織田は集中した表情で無駄なく砂セクションを走る


ディフェンディングチャンピオンとして、右の上腕骨の骨折を押し、出走した小坂も健闘を見せた

ここで織田が「砂セクションの速さ」を警戒していた竹之内が、存在感を発揮する。ヨーロッパ仕込みのテクニックで、砂セクションをスルスルと軽快に走る竹之内は、単独で3位の位置に上がり、周回を追うごとに、沢田との差を詰めていた。ラスト3周の時点で、沢田との差は10秒。そして、ラスト2周、ついに竹之内が沢田に迫った。


この日、誰よりも軽快に砂セクションを走った竹之内

この間にも、織田はレベル違いのラップタイムで先頭を駆け抜け、さらに沢田との差を開いていた。織田は、集中を途切らせることなく、ミスのない走りを続ける。最終周回に入ると、沢田が全力をかけたアタックを繰り出し、竹之内を引き離しにかかる。織田は、変わらず快走を続け、1分近い差を保ったまま、独走でホームストレートに現れた。ここまで連勝を重ねてきたレースと同じように、このシーズン最重要レースでも、最後まで独走で駆け抜け、これまで見せたことのない心からの笑顔を浮かべながら、トップでフィニッシュラインを越えた。


満面の笑顔で両手を突き上げ、フィニッシュする織田。プレッシャーに打ち克ち、見事に全日本初優勝を遂げた

今季負けなしと言っても、このシーズン最高峰のレースでは、大きなプレッシャーがかかったことだろう。その重圧も見事に跳ねのけ、優勝を勝ち取った織田は、大きな拍手に包まれていた。
沢田は2位でフィニッシュ。3位に竹之内が入った。男子エリートの完走は10名。骨折を押して出走した小坂も5位でフィニッシュし、健闘を称えるサポーターに大きな拍手で迎えられていた。


表彰前のテントで織田の優勝を祝福する沢田


織田、沢田、竹之内の表彰式。すばらしい走りだった

織田は「ようやくチャンピオンジャージを着られる」ことと、「今シーズン負けなしでヨーロッパに行ける」喜びをかみしめる。「オランダで開催される世界選手権でベストを尽くせるよう、調整をしたい」と抱負を語った。
沢田は悔しさをにじませたが、「織田選手が今日は強かった」と、ライバルの走りを称えた。今年より移籍したチームのサポーターの大きな声援を受けながら走り「こんなに応援してもらえるのか」と実感したという。「チームメイトとなった小坂と切磋琢磨しながら、来年はもっといい形で全日本に臨みたい」と、さらなる成長とリベンジを誓った。


互いの健闘を称え合う

織田の次戦は、ベルギーで開催される「X2Oトロフェー」。日本のチャンピオンジャージを着て臨む。参戦する選手たちのレベルも、コースのダイナミックさ、ハードさでも、あらゆる意味でヨーロッパのレースがタフなことは確かだが、絶好調の織田には、ぜひ全力で挑み、願わくは足跡を残して来てほしい。

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【結果】全日本シクロクロス選手権(2022-23)男子エリート
1位/織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)1:02:35
2位/沢田時(宇都宮ブリッツェン)+0:58
3位/竹之内悠(Cinelli – Vision)+1:06
4位/横山航太(シマノレーシング)+2:09
5位/小坂光(宇都宮ブリッツェン)+2:39

画像:Satoshi ODA

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