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2022/06/20

P-Navi編集部

ツール・ド・熊野2022 最終ステージ

ツール・ド・熊野2022 最終ステージ

最熊野地域を舞台とするUCI(世界自転車競技連合)認定の国際ステージレース「ツール・ド・熊野」は5月29日に、最終ステージを迎えた。
和歌山県新宮市、三重県熊野市で開催された2ステージに続き、この日は太地半島の外枠を時計回りにめぐる「太地半島周回コース」が使用された。1周10.5kmの周回は、太地港のテクニカルなコーナーや、その直後に迎える登坂区間、急勾配のダウンヒルなど変化に富んでいる。このコースを10周回して、競技距離は104.3kmに設定された。


太地漁港内も抜ける変化に富んだコース


風情ある太地半島の水辺をめぐる

スタートラインには、各賞のリーダーたちが並んだ。最終ステージでありながら、個人総合争いの上位は僅差にとどめられており、個人総合首位のイエロージャージをこの日に着用するネイサン・アール(チーム右京)と2位の選手とのタイム差は5秒。6秒差には5名の選手が控えている。8名の選手が15秒差以内に並ぶ大接戦状態にあった。


スタートラインの最前列に並ぶ各賞のリーダーたち

さらに、この日にはもうひとつの注目点があった。第3ステージにはスプリントポイントが2つ設定されており、通過時に、上位3名には5、3、1ポイントだけでなく、3秒、2秒、1秒のボーナスタイムも与えられる。フィニッシュで上位3名に与えられる、10秒、6秒、4秒とのボーナスタイムと合わせると、最大16秒を獲得できることになるの
だ。このボーナスタイムには大きな意味があり、例えばスプリント勝負で勝敗が決まると、タイム差はカウントされなくなるが、たとえ同タイムゴールになったとしても、逆転できる15秒差以内の選手が8名もいることになる。展開次第では大逆転が可能な状況で、最終ステージのスタートを迎えることになった。
当然、逆転を狙う選手を抱えるチームは、このスプリントポイントを含めて、走り方を考えることになる。身体だけでなく、頭をも酷使するレースになりそうだ。第3ステージには山岳賞ポイントの設定がないため、赤ドットの山岳賞ジャージは山本大喜(キナンレーシングチーム)に確定している。ポイント賞ジャージは第1ステージの覇者・窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング )が着用、。U23首位のホワイトジャージは、湯浅博貴(ヴィクトワール広島)が着用する。

晴天にめぐまれ、体感気温は、ほぼ真夏日となった。日曜日の観戦に訪れた観衆の拍手を受け、午前10時、77名の選手がスタートした。
リアルスタートを迎えると、アタックと吸収との繰り返しが始まる。2周目完了時に設定されていた一つ目のスプリントポイントが近づくと、チームブリヂストンサイクリングが隊列を組んでスピードアップを始めた。トップから6秒差に控える松田祥位(チームブリヂストンサイクリング )のボーナスタイム獲得を狙っての動きだ。松田がきっちりと先頭通過し、3秒を獲得。だが、首位のアール自身も3位通過し、1秒を獲得したため、差は4秒差に留まった。


松田祥位のスプリントポイント獲得のため、隊列を組み、ペースアップするチームブリヂストンサイクリング

集団から7名が飛び出し、先頭集団に合流した。7名の顔ぶれの中では、個人総合で見ると、アールと46秒差に位置する横山航太(シマノレーシング)が最上位に位置する。シマノは中井唯晶(同チーム)もここに送り込んでおり、一気に有利な状態に。


7名の選手が抜け出し、先頭集団を形成した

ここでチーム右京のメンバーがメイン集団の先頭を、フタをするように固めた。首位のアールを抱える右京としては、メイン集団に含まれる個人総合上位メンバーが先行ゴールしてしまうリスクを負うよりも、先頭10名に先着してもらった方が、アールの優勝を覆されるリスクは少ない。横山から46秒差以内にアールがゴールすれば十分であり、メイン集団のペースをむしろ抑えた方が安全なのだ。だが、このままでは、メイン集団内の他チームのメンバーは封じ込まれてしまう。


集団内で守られるように走るリーダージャージのネイサン・アール(チーム右京)

これを嫌った3名がメイン集団から抜け出し、先頭に合流し、10名の先頭グループが形成された。10名の中には、シマノレーシングの2名に加え、かつてツール・ド・フランスで個人総合4位に入った経験を持つ超ベテランのフランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)、入部正太朗(弱虫ペダルサイクリングチーム)、門田祐輔(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム)、ライアン・カバナ(ヴィクトワール広島)らが名を連ねていた。
逃げ切りを図りたい先頭グループは協力しあって好ペースを刻み、メイン集団との差を開きにかかる。

※最終ステージの結末は…!?
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