宇都宮シクロクロスDay1
今シーズン、宇都宮シクロクロスが帰ってきた。新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、2年連続で中止に追い込まれていた大会だが、12月17日、18日の両日に「カンセキpresents 2022宇都宮シクロクロス」として3年ぶりに開催されたのだ。チームを有し、ジャパンカップなどの大会を運営し、自転車レースが根付いた宇都宮らしく、レースの開催を楽しませる姿勢で企画されており、会場には出店ブースや、時には移動動物園も用意され、老若男女が訪れる人気の大会だった。
今年は両日開催される男女エリートカテゴリーならびにジュニアのレースが2日間ともにUCI(世界自転車競技連合)認定の国際レースとして設定され、オーストラリアからの選手団も参戦した。エリートレースは、国内のシクロクロスリーグJCXシリーズの第6戦、第7戦としての位置づけにもなる。
会場となったのは、栃木県宇都宮市の「道の駅ろまんちっく村」。東京ドーム10個分の46ヘクタールという広大な敷地を誇り、買い物はもちろん、温泉宿泊棟への宿泊も可能で、農業体験なども可能な多目的な施設である。この「里のエリア」の広場やドックラン周辺に加え、森の斜面を利用しコースが設営された。
土地の特性を上手く生かしたコース(画像は宇都宮シクロクロス公式サイトより)
ここに、テクニックが求められる泥のキャンバー(斜面)や、森エリアの入り口には、傾斜がきびしく、長い泥の上りの三段坂などの難所が設定され、砂エリア、砂利や泥、芝生など、多様な路面が含まれる「走り甲斐のある」コースが用意された。ハイスピード系のコースではあるが、気温が下がり、霜が降りた影響で芝生から泥が露出したり、ぬかるんだりしている箇所もあり、特に鋭角のコーナーなどは滑りやすくなっているという。ここで勝つためには、テクニックも、スピード、パワーと、バランスのとれた能力が求められた。
テクニックが問われるキャンバー(斜面)セクション
この日の空は雲に覆われ、気温も低く、ある意味、ヨーロッパの冬の競技であるシクロクロスらしい環境が揃うことになった。午前中には、ビギナーカテゴリーのレースや1時間の耐久戦が開催。そして、昼からはUCIレースが始まり、ジュニア、女子、最後に男子のレースが開催された。
オーストラリアからも2名のエントリーで迎えたジュニアでは、堂々の走りで長島慧明(北桑田高校)が優勝を決めた。ジュニア期からアクセス可能な国内で国際レースを経験できることは、選手たちにとって大きなプラスとなることだろう。
ジュニアのUCIレースも開催された
ジュニアで優勝した長島慧明(北桑田高校)
女子のレースには、JCXのランキングトップを走る小川咲絵(AX cyclocross team)、現在の日本チャンピオンである渡部春雅(明治大学)、MTBの日本、並びにアジアのU23のMTBチャンピオン、さらには今季はロードのU23の全日本チャンピオンも獲得している小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)らがスタートラインに並んだ。オーストラリアからも3名の選手がエントリー。
まずは小川が飛び出し、先頭を走る。ここに主要選手らが食いついたが、ここから早々に小川と渡部の2名が抜け出した。しばらくは2名の戦いが続いたが、小川が抜け出し、独走態勢に入った。
小川咲絵(AX cyclocross team)を先頭に難しい砂セクションを走る
今季各種目でメキメキと頭角を現している小林がじわじわと追い上げ、渡部を捕らえると、そのままパスし、2番手に位置を上げた。渡部は、このまま先頭の小川を追う。
優勝は小川、2位に小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)、3位に渡部春雅(明治大学)
だが、小川も譲らず、ハイペースで周回を刻むと、1分近い差を保ったまま、独走でフィニッシュ。2位には小林が、3位には渡部が入った。
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